コラム
2017年10月15日

ファクタリングと手形割引との違い?

ファクタリングと手形割引との違いとは?
 
手形割引とファクタリングとの共通点は、債権の早期回収によって資金繰りを改善させるといったことにあるために、しばしば混同されやすいようです。ただ、これらは共通点がありながらも明確な差異があるのです。当記事では、手形割引及びファクタリングの意味や、それぞれでどのような違いがあるかなどについて解説していきます。

 

◆ファクタリングについて
ファクタリングとは、売掛金を買い取る手続のことを指します。ある企業が取引先の企業に対して商品を販売した際には、手続上、タイムラグが生じることが通常です。このタイムラグは、一般的には2ヶ月程度とされています。

 

この際に、販売側が急遽資金を要する場面に遭遇した際には、ファクタリング業者による売掛金の買取手続によって、このタイムラグを縮小させることも可能なのです。このような手続のことをファクタリングと称します。

 

ファクタリング業者は、買取の際の手数料を自社の利益とすることとなり、取引先の売掛金支払期日などに売掛金を回収することが、ファクタリングの一連の流れとなっています。

 

◆手形割引について
手形割引とは、支払期限が到来していない約束手形を、銀行を始めとする金融機関などを用いて現金化する手法です。一般的に約束手形は、取引先とで約定を交わし、その約定に定められた期日に支払う旨の契約をしています。

 

ただし、約定期日に至るまでに急遽資金を要する場面に遭遇した際には、当該期日が到来する以前に金融機関に対して、現金化してもらう手続を依頼することもできます。このような手続を手形割引と称します。

 

しかし、そもそも手形割引をしたにせよ、支払う側の企業は実際には支払っていないために、当該金融機関が肩代わりしているものといわざるを得ません。そのことから、金融機関側からしてみれば、手形割引に際して金員を受け取る側に融資をしていることに極めて類似しているといえるのです。実はこの手形割引、儲けが出るはずの銀行側としても旨味がなく、渋い顔をすることが通例となっています。

 

◆ファクタリングと手形割引の共通点と2つの違い
・両者は迅速な現金化を実現できるといった点で共通
上記のとおり、手形割引とファクタリングを解説してきましたが、両者は一定の手数料を生じさせることにより迅速な現金化を実現できるといった点で共通しています。いずれも売掛金の早期回収という目的のもとで有用とされています。

 

・不渡りなどのリスクヘッジの有無
また、ファクタリングにはなく、手形割引に生じてくるリスクとして挙げられるのが、不渡りに至る場合があることといえます。万一、取引先の企業が破綻に至った際には、手形割引では利用会社にも悪影響が及ぶのに対して、ファクタリングでは何ら影響を受けません。

 

この点、約束手形であれば、当該手形が単に紙切れ同然となるのに対して、手形割引であれば、融資の性質が大きいこともあり返済を要します。

 

・返金義務が生じるか否か
返金義務が生じるか否かといった点も違いの一つとして挙げられます。手形割引は、約定期日よりも前の日に手数料を除いた金額が支払われることになります。ただ、手形割引は融資に類似した性質であることから、利用会社が本来の約定期日に返金する必要が生じます。

 

しかしながら、ファクタリングであれば、ファクタリング業者によって買い取ってもらうために、返済の必要はなく、返金する必要性についても特段の事情を除けば生じません。ファクタリングをした際に、万一取引会社が破綻を来したとしても、ファクタリング業者の損失とはなるものの、当該ファクタリング手続が譲渡担保融資に相当するものでない限り、利用会社としては何ら損失を被ることはありません。

 

◆まとめ
以上のことから、手形割引とファクタリングは似ている部分も異なる部分も存在します。迅速な現金化が必要になった際には、御社の経営に効果的なのはどちらなのかを、しっかりと見極めることが大切です。

なお、ファクタリングは世界的にみれば、アメリカで100年ほどの歴史を有しており、もはや一般的なものとなっています。近時の日本国内に限ってみても、手形取引は明らかな減少傾向にあるのですが、他方で、ファクタリングについては増加の一途を辿っています。そして、経済産業省や中小企業からも定評を得ていることがその傾向を顕著に表わしていると言えるでしょう。