「ファクタリング」は企業の資金運営の一つの手段として、世界各国で利用されています。
日本では取引先の承諾なしの2者間でのファクタリングが多く行われていますが、それ以外の国では3者間で契約をするファクタリングが普通です。
ここでは「3者間で契約をするファクタリング」のメリット・デメリットを丁寧に説明します。
◆3者間で契約をするファクタリングとは
「3者間で契約をするファクタリング」とは、ファクタリング会社と、申し込みをした会社様とその売掛先様(お取引先様)の間で、売掛債権を売買することです。
世界各国では古くから行われていた資金調達方法で、ファクタリング会社は、資金調達をしたい会社様から見たお取引先に売掛債権買取の通知を行います。売掛金はお取引先からファクタリング会社に直接支払われる、というのが金銭の流れです。
◆3者間で契約をするファクタリングのメリット
3者間ファクタリングは上記のような流れで行われますが、2者間ファクタリングに比べて手数料が安いというメリットがあります。
具体的には、ファクタリング会社側が設定する手数料は3者間で契約する場合であれば2~10%あたりが相場ですが、これよりも高い手数料が設定されます。
この違いは、貸し倒れになるリスクが低いことからきています。
取引先の承諾なしの2者間でのファクタリングを行った場合、お取引先から申し込みをした会社様に入金が行われ、その後ファクタリング会社に支払いされるという流れになります。
この時、申し込みをした会社様の資金繰りが悪化していた場合、お取引先から入金があっても残念ながらファクタリング会社に支払いをされないという可能性が発生します。
2者間ではこれを踏まえて高い手数料を設定せざるを得ないのです。
また、申し込みをした会社様の規模に関わりなく、お取引先の信用度で審査を行うので、資金繰りが厳しい企業様でも資金を調達しやすいというのも利点です。
更に3者間でのファクタリングは個人事業主様でも利用できるという良さがあります。
取引先の承諾なしの2者間でのファクタリングは「売掛債権の譲渡登記」と呼ばれる制度に基づいており、これを利用できるのは「法人」と定められているので、個人事業主様・自営業者様は申し込みができないのです。
調達額がその場でわかる
◆3者間で契約をするファクタリングのデメリット
3者間で契約をするファクタリングにも幾つかのデメリットがあります。
申し込みを行う会社様にとって気になるのが、お取引先に「資金繰りが悪化している信用度が低い企業」というマイナスイメージを持たれてしまうことです。
取引先の承諾なしの2者間でのファクタリングでは、お取引先に知られることが無いので、このリスクはありません。
ただし、「会社として危ないのではないか?」と勘繰られて取引が減少するという可能性も無い訳ではありません。
また、3者間で契約をするファクタリングはお取引先への通知とその同意書を入手することが必要なため、どうしても手続きに時間がかかります。
取引先の承諾なしの2者間でのファクタリングであれば最短で即日資金化できることもありますが、3者間で契約をするファクタリングなら数週間を見込んだ方が良いでしょう。
◆まとめ
3者間で契約をするファクタリングは手数料が安く設定されているので、お取引先の理解があれば資金調達の方法としては大きなメリットを持っています。
お取引先が大手企業であれば診査に通りやすく、個人事業主様でも申し込みができるという利点もあります。
一方、お取引先にマイナスイメージを持たれる可能性があること・資金を得るまでに日数がかかることなどのデメリットもあるので、これらを正しく知って適切に活用しましょう。