借入先が複数あると、管理が煩雑なだけでなく、金利負担が大きいといったデメリットがあります。そのため、企業経営者は、借入金の一本化を検討する場合が多いです。
借入金を一本化することにより、管理が楽になり、キャッシュフローに余裕ができることが利点です。
借入先を一本化する方法には、金融機関での借入や自己資金に頼らない手法として、ファクタリングや手形割引があります。
本記事では、ファクタリングと手形割引の違いについて解説します。
どちらも事業の流動資産を利用しての現金化する方法です。
双方のメリット・デメリットについて紹介するとともに、借入先を一本化する場合のメリットおよびデメリットもあわせて解説します。
複数の借入先で返済を行っている企業経営者はぜひ最後までお読みください。
借入先が複数ある場合のデメリット
事業資金の借入先が複数ある場合、企業にとってどのようなデメリットがあるのか解説します。
デメリットとして、以下の点が考えられます。
- ビジネスローンからの借入の場合、審査が通りやすい一方で金利が高い
- 月々の返済額が大きくなりやすい
- 複数から借り入れるとスケジュール管理が大変
- 月に何度も返済期限がくる
ビジネスローンは、銀行融資に比べ、審査に通りやすくスピーディーな現金化が見込まれる反面、金利が高いのが一般的とされています。
ビジネスローンを複数で利用していると、毎月の支払いが大きくなる傾向にあるため、資金繰りに悪影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。
借入先が複数あると、返済日も複数あるため、スケジュール管理が大変な点もデメリットといえます。
きちんとスケジュール管理をしていないと、返済を失念してしまうかもしれません。
借入先が多いと、支払い先が増えるので、しっかりとした資金管理が重要となってきますので入金事務が増える点には注意が必要です。
借入先は一本化できる
事業資金を借入している先が複数ある場合、前述のようなデメリットがあります。
キャッシュフローに支障をきたし、財務内容が悪化するかもしれません。
リスクを軽減する方法として、借入先の一本化があります。
ここでは、借入先の一本化におけるメリットおよびデメリットについて解説します。
借入先を一本化するメリット
借入先を一本化するメリットとして、以下の点があげられます。
- 毎月の返済額の負担を軽減できる
- 財務状況が把握しやすくなる
- 返済計画が立てやすくなる
- 今後の融資の条件が良くなる可能性がある
借入先を一本化すれば、毎月の返済額の軽減が見込まれます。
借入金額が大きくなると、金利が低く設定されているのが一般的であるためです。
また、借入期間を延ばすことで、さらなる軽減が図れます。
財務状況が把握しやすくなる点も一本化するメリットです。
借入先が複数あると、入出金管理が煩雑になります。債務を一本化することで、管理がシンプルとなり、返済計画が立てやすくなる点もメリットとしてあります。
今後の融資の条件が良くなる可能性がある点も企業にとってメリットといえるでしょう。
通常金融機関は、借入先の数も審査対象になります。信用力が高ければ、1社から資金調達が可能なはず、と判断する傾向があります。
同じ金額を借入している場合、借入先が多いと、信用力を低く見ざるを得ません。
そのため、借入先を一本化することは、今後の融資において、条件が良くなると考えられます。
借入先を一本化するデメリット
一方で、借入先を一本化することにはデメリットも存在しています。主なデメリットは、以下の4点です。
- 借入総額は減らせない
- 返済総額が増える場合もある
- 審査に通らないことがある
- 信用情報機関に記録が残る
借入先を一本化したからといって、自己資金等、スポットで返済しない限り、借入総額は減らせない点に注意が必要です。
一本化することで返済総額が増える場合がある点もデメリットとしてあります。
毎月の返済負担を軽減するため、一本化することにより、より長い返済期間にしてしまうと、最終的な返済金額が増える恐れがある点に留意しましょう。
他に、手数料が借換元・借換先の両方に発生することで、トータルでの返済金額が増加することにも注意が必要です。
借入先を一本化するには、金融機関の審査を受けなければなりません。
ただし、一本化を検討している金融機関に同時に申し込む場合、審査に通らない恐れがあるのも一本化するデメリットです。
金融機関は、融資審査に個人信用情報を参考にします。延滞の有無等、事故情報だけでなく、融資の申込状況も確認可能です。
同時に申し込んだ場合、同日の申込履歴も記録されます。
申込みを受けた金融機関は、資金繰りに関して懸念があると判断するかもしれません。
借入先の一本化を検討する場合、同時の申込みを避けるのが無難でしょう。
事業資金の借入を一本化する方法
事業資金の借入を一本化する方法として、「金融機関で借り入れる方法」および「自己資金で一度返済する方法」があります。
また、企業の流動資産である「受取手形」「売掛金」を利用して資金を調達する方法の「手形割引」「ファクタリング」についても解説します。
金融機関で借り入れる
事業資金を一本化する方法として考えられるのは、金融機関で借入する方法です。
金融機関で借り入れする場合、主に下記の4つの方法があります。
おまとめローン |
おまとめローンは、銀行または貸金業者(クレジットカード会社・消費者金融等)が取り扱っている、借入金を一本化する最もポピュラーな商品です。
銀行系のおまとめローンは、資金業者より審査は厳しいものの、低金利での利用が可能です。一本化することがメインであるため、追加の借入は原則できないしくみとなっています。 |
高額カードローン |
極度額が高額なカードローンを利用することで、複数の借入金を一本化することが可能です。 |
有担保・無担保ローン |
土地・建物や証券等を担保として金融機関に差し出すことで、融資を受けるのが有担保ローンです。不動産を担保とするため、根抵当権設定等登記費用がかかり、債務不履行となった場合、差し押さえられる恐れがあります。 |
ビジネスローン |
ビジネスローンは、事業者向けのローンです。おまとめローンのように、ビジネスローンは借入金の一本化が目的のローンではありません。申込時には、決算書等の準備が必要です。 |
なお、これらのローンには、金融機関や貸金業者の審査があります。審査によっては利用できないケースもある点を付け加えておきます。
自己資金で一度返済して新たに借入する
自己資金がある場合、借入金を一度すべて返済することも選択肢として考えられます。
複数の借入金を整理して、新たに新規の借り入れを行うことも有効な手段です。
既存借入を完済した実績が残るため、企業価値を損なうことはありません。
一方で、新たな借入金を調達する際、金融機関は審査時において、自己資金がどれだけあるのかを審査します。
自己資金が少ない場合、審査によっては不利になりかねないので留意しておくことが重要です。
自己資金がない場合に一本化する方法
自己資金がないとき、借入金の一本化は不可能でしょうか。
実は、企業の流動資産を使って借入金を返済することは可能です。
企業の流動資産の「受取手形」「売掛金」を期日前に現金化して資金調達を行い、借入金を一本化する方法です。
受取手形を早期に現金化する方法を「手形割引」、売掛金の早期現金化を「ファクタリング」といいます。
手形割引を利用する
手形割引とは、企業が保有する受取手形を、銀行や手形割引専門業者等に買い取ってもらうことで、資金調達する方法です。
【手形割引のメリット】
・期日前に現金化ができる ・資金調達が容易 ・割引料が低い |
期日前に現金化が可能な点は、手形割引のメリットといえます。
手形の支払いサイトはさまざまで、長いものなら3~4ヶ月といった場合もあります。
その間も、仕入資金や人件費や光熱費等、支払いが発生するため、手形割引を利用することでスムーズな資金繰りが可能です。
手形割引は振出人の信用力が重視されるため、通常の融資に比べて審査に通りやすく、そのため、資金調達が容易である点も手形割引のメリットといえます。
手形割引の割引料は、手形期日まで日数計算により割引料を計算します。長期資金の借入利息に比べて、期間が短いため、割引料が低いのが一般的です。
【手形割引のデメリット】
・割引料が掛かる ・不渡の場合の買戻し義務 ・手形金額でないと割引できない |
銀行や手形割引業者に手形を割ってもらう場合、割引料が必要です。
現金化するときに割引料が差し引かれて現金化されます。
割引手形の頻度が高いと、割引料負担が大きくなることも考えられ、収益の圧迫につながりかねません。
割引いた手形が不渡となった場合、申込人は不渡手形を買い戻す必要があります。
手形割引には償還請求権があります。償還請求権とは、振出人が不渡等により回収不能となった場合、銀行や手形割引業者は、申込人に対して返済を求めることが可能な権利です。
申込人は、割引手形が不渡になった場合を想定して利用する必要があるといえるでしょう。
割引手形を利用する場合、手形の額面を割引くので、少額しか必要ない場合であっても、手形額面を割引くことに注意しなければなりません。
例えば、30万円を資金調達したい場合であっても、手形の額面が100万円の場合、100万円すべてを割引きます。
必要以上の資金が現金化され、割引料も100万円に対してかかるので割引料負担も大きくなります。
ファクタリングに申し込む
ファクタリングとは、企業が保有する売掛金を、ファクタリング会社に債権譲渡することで、資金調達する方法です。
ファクタリングには、申込人とファクタリング会社との間でのやりとりの「2社間ファクタリング」、申込人とファクタリング会社、および売掛先との「3社間ファクタリング」の2種類の契約方法があります。
【ファクタリングのメリット】
・スムーズな現金化が見込まれる ・償還請求権がない ・信用情報に影響しない |
銀行融資と違って、ファクタリングは融資でないので審査が早く、スムーズな現金化が可能です。
融資の場合、審査に3週間から1ヶ月かかりますが、ファクタリングの場合、審査が即日や翌日に終了するため、早期に現金化が見込まれます。
急な出費が発生した場合、ファクタリングであれば対応可能です。
手形割引の場合、償還請求間がありますが、ファクタリングの場合、償還請求権のない契約であるのが一般的です。
売掛先が倒産等により、回収不能となった場合、ファクタリングの場合、申込人がファクタリング会社は売掛先に代わって入金する必要がありません。
ファクタリングは融資でないので、信用情報に影響しない点もメリットとして考えられます。
融資を申し込むと申込履歴まで登録されます。
しかし、ファクタリングの利用実績は信用情報に登録されずに資金調達が可能です。
また、申込人の決算状況が、赤字や債務超過等により芳しくなくても、ファクタリングの場合、利用できるケースがあります。
ファクタリングの審査は、売掛先の経営状況を主に審査するためです。
売掛金が問題なく回収できるのかが重要あるため、申込人の決算状況に不安があっても、審査に通ることが多いのは、そのためです。
【ファクタリングのデメリット】
・手数料が必要 ・売掛金以上の資金調達ができない ・契約内容によっては取引先に不安を与え今後の取引に影響がでる恐れがある。 |
ファクタリングも、手形割引同様、手数料がかかります。
2社間ファクタリングの場合、10%前後、3社間ファクタリングでは1.2%~が相場です。
銀行融資に比べ割高となっている点に注意が必要です。
ファクタリングは、融資でなく、売掛金の債権譲渡なので、売掛金以上の金額を調達することはできません。
多額の資金調達を検討する場合は、ファクタリングでなく、銀行融資を利用しなければなりません。
3社間ファクタリングは、申込人、ファクタリング会社および売掛先とのやりとりにより成立する契約内容で、売掛先に承諾を得ることが必要です。
売掛先は、申込人がファクタリングを利用していることを知ることとなります。
売掛先の中には、ファクタリングを利用しないと資金繰りが厳しいのかといった、ネガティブな印象を持たれることで、信頼関係のヒビが入る恐れがあるかもしれません。
3社間ファクタリングを利用する場合、申込人は注意が必要です。
スピーディーなファクタリングはJTCにお任せください
ファクタリングを利用することで、資金調達でき、調達した資金を複数の借入先へ返済も可能です。
借入先を増やさず現金を早急に確保したい経営者は、JTCのファクタリングをおすすめします。
JTCのファクタリングでは、最短1日で現金化が可能です。
買取下限金額は100万円からで、上限については特に定めはありません。建設業等、売掛金の大きい業種では大変有用です。
土曜日、日曜日、祝日も対応しているので、平日忙しくて問い合わせのできない経営者もゆっくりと相談ができます。
また、相談前に調達額を知りたい方には、公式サイトの「無料スピード診断」を利用することで調達金額の目安が提示してくれます。
調達額がその場でわかる
まとめ
複数の借入先があると、企業は管理が煩雑で、返済金額や金利負担が大きくなるデメリットがあります。このデメリットを解消するのが、借入先の一本化です。
借入先の一本化の方法として、金融機関で借入したり、自己資金で完済したりする方法があります。
また、企業の流動資産である「受取手形」や「売掛金」を利用して現金化する方法、「割引手形」「ファクタリング」も有効な方法です。
割引手形の場合、手形が不渡りとなれば、企業は買い戻さなければなりません。
ファクタリングであれば、売掛先が債務不履行となっても、償還請求権のない契約を結んでいるため、企業は売掛先に代わってファクタリング会社に入金する必要がありません。
JTCは、取扱金額500億円超、取扱件数10,000件もの実績のあるファクタリング会社です。
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