コラム
2018年11月26日

運送業の事業資金は無担保・無保証で借入!開業に必要な金額は?

運送業を開業するためには、事務所の設置費用や人件費、車両費などさまざまな資金が必要です。すべてを自己資金でまかなうことができれば問題がないものの、実際には何らかの資金調達を行わなければならないこともあるでしょう。開業後のことを考えるならば、経営の負担にならない形で事業資金を集めることが大切です。必要な資金を集めるだけでなく、金利や返済の部分についても検討しなければなりません。ここでは、事業資金を無担保・無保証で借入できる方法を詳しく解説します。

 

 

◆運送業開業に必要な資金はいくらくらい?

運送業を始めるためには、事務所費や車両費、人件費などの開業資金が必要になります。必要となる資金の目安は、売り上げがなくても事業を継続できる2~6カ月程度の資金です。事業資金が用意できなければ、運送業の認可申請が行えないため、まずは資金を確保することが最優先なのです。たとえば、営業所を開設して駐車場を借り、中古で4tのトラックを5台購入した場合には、2000万円ほどの資金がかかります。
事務所の家賃や人件費などによって、開業資金には変動があるものの、ひとつの目安として押さえておくことが大切です。

 

 

◆運送業許可に必要な資金とは?

運送業の認可を得るために必要な資金として、人件費や社会保険料、福利厚生費などがあります。最低でも給与や手当の2カ月分が必要であり、社会保険料などについても事業主負担の2カ月分が必要です。ほかにも、燃料費・油脂費(オイル代)・修繕費など車両を維持するための費用もかかるでしょう。営業を始めるための車両購入費を用意しておかなければならず、自動車税・自動車重量税・自動車取得税といった税金は1年分が必要です。
トラックを使って運送業を行うには、各種保険にも加入をしておかなければなりません。自賠責保険や任意保険の1年分に相当する保険料も、あらかじめ用意しておきましょう。事務所や駐車場を賃貸する場合は、賃料の6カ月分が目安となります。そのほかにも、什器や備品の購入費や水道光熱費なども考慮しておくことが大切です。これらの資金を準備したうえで、運送業の認可申請に必要な登録免許税は12万円となっています。あらかじめ、開業資金の内訳をチェックしたうえで、「自社の事業活動にどれくらいの資金がいるのか」を把握しておきましょう。

 

 

◆事業資金を無担保・無保証で借りられる方法

新たに運送業を始めるならば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用するのもひとつの方法です。無担保・無保証で最大3000万円までの資金が借りられる点が大きな魅力であり、起業をする人にとっては心強い仕組みとなっています。新創業融資制度を利用するにはいくつかの条件をクリアする必要があります。まず、「新規事業である点」と「新たに雇用を創出する点」です。また、新規に事業を始める人や税務申告の1期目を迎えていない人は、「創業時に創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意すること」が条件です。運送会社に現在勤めていたり、過去に勤めていたりした場合には自己資金要件を満たしたものとして取り扱われます。
資金の使用用途としては、事業資金でのみ使えるものであり、ほかの目的で融資された資金を使うことはできません。返済期間は設備投資資金であれば15年以内、運転資金であれば5年以内となっています。金利は年によって変動があるものの、無担保・無保証なら年利2~3%程度で借り入れが行えます。担保や保証人を提供することによって金利を下げることもできるので、日本政策金融公庫の担当者に相談してみると良いでしょう。融資を受ける手順としては、最寄りの窓口に直接出向くか、ホームページから必要書類をダウンロードします。資金調達するためには、さまざまな書類を提出する必要があるものの、借入申込書・創業計画書・見積書・登記簿謄本・預金通帳の写しなどです。
特に、創業計画書は重要な書類であるため、時間をかけてじっくりと作成することが大切だといえます。記入する内容としては、創業の動機・代表者の略歴・サービス内容・事業の見通し・取引先の状況などです。また、必要な資金と調達方法についても記入する欄があります。開業資金と運転資金を合算した金額を記入する欄であり、不必要と思われる費用は書かないほうが無難です。そして、調達方法の欄には自己資金や日本政策金融公庫からの借入額、銀行などの金融機関や親族などから借り入れる金額を書きます。ポイントとしては、必要となる資金と調達方法で記載した金額が同額になるように意識する点です。審査では数字の部分については説明を求められるので、きちんと根拠を示しておくことが大切だといえます。

 

 

◆自己資金はどのくらい必要なのか?

運送業を始めるには事業規模によっても異なるものの、最低でも1000万円程度の資金が必要となります。なぜなら、開業のために必要な資金だけではなく、その後しばらくは安定的な経営が行える運転資金も確保しておかなければならないからです。認可申請にあたっての審査では、自己資金は基本的に預貯金額によって判断されます。運送業許可申請日と申請後に、2回にわけて運輸局から指定された日に残高確認が行われるのです。銀行口座は複数にわけていても問題ないものの、口座の残高証明書を用意しなければならないので注意しておきましょう。
運輸局による残高確認が行われる間に、預金の出し入れは可能ですが基準となる水準を割り込まないように気をつけておくことが大切です。また、預貯金だけでは資金が不足してしまう場合には、売掛金などの流動資産も含めることができます。ただ、運輸局ごとに流動資産の取り扱われ方が異なるため、事前に相談をしておくことが重要です。

 

 

◆開業後に事業資金に困ったらファクタリングも検討!

運送業は掛取引が日常的に行われる業種だといえます。ただ、入金のタイミングにかかわらず、会社として支払うべき費用は必要となるものです。人件費や車両費などを支払っていくうちに、資金繰りが悪化してしまうこともめずらしくありません。燃料費の高騰や有料道路料金の値上げなども、資金繰りを圧迫させる要因となるでしょう。掛取引が多い運送業だからこそ、独自の手法で資金調達することも可能です。「ファクタリング」を行うことで、早期に資金繰りを改善する道筋をつけることができます。
ファクタリングとは、会社が保有する売掛金を譲渡することによって、手元の現金を増やす方法です。資産の売却であるため、会社の財務状況を悪化させるものではありません。むしろ、資産を現金化することによって財務状況が改善され、金融機関などからの評価も高まります。銀行融資を考える場合であっても、先にファクタリングを行って資産を現金化しておくことで、融資を受けやすい環境を整えられるのです。また、買戻し請求のないファクタリング契約であれば、売掛債権を譲渡した後の回収リスクを軽減できます。銀行融資や手形割引などでは、取引先が倒産して債権の回収が不可能になると、借り入れた側が返済する義務があるのです。その一方で、ファクタリングでは返済を行う義務がありません。資金繰りの改善だけではなく、経営リスクを少しでも減らすという意味でも、前向きに検討することが大切だといえるでしょう。
通常のファクタリング契約では、取引先も交えた形で進められるため、コストも抑えられることもできます。取引先の承諾がいらないファクタリング契約では、売掛債権の内容などをファクタリング会社も精査しなければならないので、承諾の得るファクタリングと比べコストは割高となるのです。取引先に対する影響をよく考えたうえで、自社に合った最適な方法を選んでみると良いでしょう。