コラム
2019年03月07日

事業資金の融資を考える際に意識しておきたい審査基準

銀行融資における審査基準と判断材料

銀行融資の場合は、提出された書類と面談をもとに審査を行っていくのが一般的です。決算書や事業計画書、資金繰り表などを判断材料として過去の業績や事業の将来性、返済能力などが厳格に審査されます。経営者自身が担当者とやりとりする場面もあるため、提出する書類については内容を正確に把握しておくことが大切です。面談においては経営者の管理能力や財務的な面での知識も問われるので、事前に準備を行っておきましょう。必要に応じて、税理士や経理担当者を同席させることもできるので、担当者に良い印象を与えられるように意識をしておく必要があります。

 

基本的に返済能力が高いと判断されれば、銀行側も融資に積極的になってくれるので、自社のアピールポイントを整理しておくことも重要です。そして、都市銀行よりも地方銀行や信用金庫のほうが審査のハードルも下がるため、会社の実績にあわせて調達先を選ぶようにしましょう。

 
 

日本政策金融公庫から融資を受ける際のポイント

民間の銀行からの融資が難しい場合には、日本政策金融公庫からの融資を検討してみるのも一つの方法です。日本政策金融公庫は政府系の金融機関であり、中小企業の支援などを目的としています。そのため、金利の設定が比較的低い融資制度も多く、事業規模などに応じて柔軟に対応してもらえるのです。日本政策金融公庫から融資を受ける場合、まずは数百万円程度の小口融資から審査を受けるほうが良いと言われています。初めて融資を申請した企業に対する審査は、通常よりも厳しい結果になりやすいためです。最初は小口での融資を受けたうえで、きちんと返済することができれば、会社に対する信用力が増します。返済実績を積んでいくことによって、さらに大きな融資の申請も審査が通りやすくなるでしょう。

 

日本政策金融公庫の融資審査では、申請者に対する面談もあります。事業計画書の内容について、きちんと答えられるように準備をしておく必要があるでしょう。また、面談においては経営者自身の人柄も判断材料となるため、誠実な姿勢を見せるように心がけることが大切です。

 
 

融資を受けるときに必要となる書類

融資の申請を行うと、提出を求められる書類があります。しっかりと書類を用意できないと、審査を受けることさえできません。必要となる書類でも、特に重要となるのは「決算書」です。過去2~3期分の決算書の提出を求められるでしょう。決算書がないと、会社の状況が把握できないため、審査の対象外になってしまいます。さらに、「事業計画書」も重要な書類です。決算書が企業の現状を知るための書類だとすれば、事業計画書は企業の将来性を判断する材料になります。金融機関にとって、融資した企業が滞りなく返済をしてくれるかが重要です。「しっかりと事業を進められるか」「利益を出すことができるか」を判断できなければ、審査を通ることもできません。ただし、事業計画書が立派でも、実現できないような内容では審査に落ちてしまいます。必要に応じて専門家の力を借りるなどしながら、実現性の高い事業計画書を作成するようにしましょう。

 

また、企業の状況を理解してもらうという意味では、損益計算書や貸借対照表についても根拠に基づいた数値で用意する必要があります。損益計算書では「単年度の利益」を知ることができ、貸借対照表では「企業の資産状況」を把握できるからです。これまでの事業を通じてどのように利益を出し、どのような資産を保有しているのかは金融機関の審査にも大きな影響を与えます。ほかにも、自社のパンフレットや商品に関する資料なども、企業の現状を把握してもらううえで有効な書類です。

 
 

運転資金や設備資金として融資を受ける際の審査基準

運転資金は事業を継続していくうえで必要な資金です。仕入代金や人件費といった必要経費が含まれます。運転資金の調達を目的として融資を受ける場合、数字に対してしっかりとした根拠を示すことが重要です。たとえば、仕入に関する領収書などが不足していたり、人件費の計算が曖昧だったりすれば、資金調達の必要性自体を疑われてしまいます。また、仮に数字がしっかりとしていても、「事業を継続することで利益が生まれるか」という点を説明できなければ審査は通らないでしょう。将来的に業績が向上して、返済してもらう必要がある以上、今後の見通しについても審査の対象となるからです。

 

設備資金の審査では、予定されている設備投資が本当に必要なものかを審査されることになります。不必要な投資をしようとしていると判断されれば、融資を受けることはできないでしょう。そのため、新しい設備投資によって、会社の業績がどのように向上するのかを説明する必要があります。単に言葉で説明するだけではなく、具体的なデータや計画書などを通して、しっかりと根拠を示すことが重要です。融資において何よりも重視されるのは、貸出先の返済能力だと言えます。融資をした結果として、業績や利益が上がり、返済する能力を得られるかどうかが融資審査の一番の基準になるのです。それらを証明するために、データに基づいた説明を求められるでしょう。「この企業は必ず返済してくれる」と信じてもらえるように、書類を用意したり面接での受け答えをしたりすることが重要です。

 
 

新規での融資の場合は審査に時間がかかる

日本政策金融公庫でも民間の金融機関でも、初めて融資を申請した場合には審査に時間がかかります。これまで取引がなかった企業の審査をするためには、一から情報を集める必要があるからです。また、審査に時間がかかるというだけではなく、審査基準そのものが厳しくなるケースもあります。取引実績がない以上、融資する金融機関も審査に対して慎重になるからです。しかし、融資を申請している企業としては、できるだけ早く資金調達をしたいと考えているでしょう。審査に時間がかかると、それだけ資金繰りが悪化する可能性が高まります。審査結果を待っている間に、資金不足で身動きがとれなくなる危険もあるでしょう。さらに、時間のかかる審査の結果を待つことができたとしても、必ず融資を受けられるとは限りません。審査に時間がかかるケースや審査に落ちた場合を想定し、別の資金調達方法も検討しておく必要があるのです。

 
 

スピーディーに資金を調達するならファクタリング

スピード感を持って資金調達を行いたいときには、ファクタリングを活用してみるのも一つの方法です。ファクタリングとは、会社が保有している売掛債権をファクタリング会社に譲渡することによって現金化する手法を指します。売掛先の信用力や取引の内容をもとに審査が行われるため、赤字決算や債務超過に陥っている会社であっても利用可能です。売上が向上しているにもかかわらず、資金繰りが悪化している会社にとってファクタリングは大きな役割を発揮します。

 

銀行融資などを検討している場合であっても、ファクタリングによって資産のオフバランス化を図ることはメリットでもあるでしょう。会社の負債を増やすことなく、手元の事業資金を確保できるため財務体質も強くなるからです。会社の財務が健全化することによって、金融機関からの評価も高まり、ファクタリング以外の方法でも資金調達が行いやすくなります。定期的に売掛債権が発生しているような状況であれば、ファクタリングを活用して資金繰りを改善してみましょう。

 

ファクタリングは単に資金を調達するだけでなく、将来的な経営リスクを引き下げることにも役立ちます。買戻し請求権が無い契約であれば、仮に売掛先が倒産して支払い不能の状態に陥ったとしても、そのリスクを背負うのはファクタリング会社です。そのため、利用者側としては売掛債権を現金化して資金調達を行うとともに、債権の未回収リスクを軽減することができます。

 
 

審査基準を把握したうえで準備を整えよう

事業資金をしっかりと確保していくためには、調達先の審査基準を正しく把握しておくことが重要です。審査を受けるために必要な書類をただ提出するだけでなく、事業の見通しや決算書の内容について根拠を示しながら説明していきましょう。調達先の立場で考えていくことで必要な資金を確保できる可能性も高められますし、何よりもスピード感を持って対処することができます。そして、銀行からの融資が難しい場合にはファクタリングの活用を検討してみることも大切です。一つの手段だけに縛られてしまうのではなく、幅広い視点で資金調達を行ってみましょう。
 

事業資金とは?7つの調達方法!メリットとデメリットを知って円滑な企業運営を!