事業資金の調達のためにファクタリングを使ってみようかな…。
と考えている企業様にとって、「審査」というのは気になるポイントだと思います。
このコラムでは、ファクタリングの審査はどんなことを行うのか、また銀行融資などとの違いについて解説します。
◆ファクタリング会社が審査の前に考えていること
ファクタリング会社が審査の前に考えていることは次の4つです。
①回収予定の売掛金はどんな種類なのか
売掛金には「一時的な取引」と「継続的な取引」の2つのケースが存在します。当然ながら継続的な取引から発生する売掛金の方が取引の実績に信頼が置けるため、ファクタリング会社としては回収可能性が高いと判断する傾向があります。
②二重譲渡の可能性
二重譲渡とは「売掛金を使って複数のファクタリング会社のサービスを利用すること」を指し、二重譲渡は法律で禁止されています。
③資産の差し押さえが発生する可能性
税金の滞納をしている会社の場合、国から売掛金が担保として差し押さえられ、ファクタリング会社は売掛金の回収ができなくなります。
④架空/偽造の売掛金ではないか
ファクタリングを利用する企業は、その他の資金調達手段で審査が通らなかったり、会社の経営状況が悪化しており調達を急いでいるケースが考えられます。そのため、ファクタリング会社はそもそも売掛金が本当に存在しているかどうかは細かく調査します。
◆ファクタリングの審査はどこを重視するのか?
「ファクタリング」は企業が資金調達を行うための方法の一つで、未回収の売掛金をファクタリング会社に売却することで資金化することができます。
ファクタリングには審査がありますが、利用を考えられている方は何を重視するのかを知りたいことかと思います。以下にその要点をまとめました。
・取引先の承諾が必要な3社間でのファクタリングであれば、売掛先様から直接金額回収するので、売掛先様の信用が重視されます。
(利用する会社様の信用に自信がない場合でも、ほとんど問題になりません)
・取引先に知られずに行う2社間でのファクタリングの場合は、一旦売掛先様から利用会社様に振り込まれた後に支払われるため、利用会社様の信用はある程度必要となります。
ファクタリング会社にとっては、お申し込みされた会社様がその売上債権を二重譲渡していたり、売上入金に使用される口座が税務署に差し押さえられていたりすると、予定した金額の回収が難しくなります。
つまりファクタリングの審査は、そのような極端なケースを見分けるためのものだとお考えください。
また、ファクタリングを利用する際には手数料が必要ですが、その金額が固定ではないのも、このようなリスクを踏まえたものだということも、ご理解いただけると思います。
結論として、ファクタリングの審査は基本的には銀行やビジネスローンよりも審査は甘く、かかる期間も短くて済みますから、「資金繰りで困った」「早急に運転資金が欲しい」という時には非常に有効です。
◆ファクタリングの審査ポイント
ファクタリングの審査には様々な基準がありますが、主な審査基準は4つに集約されます。
・売掛先の信用力
ファクタリングの審査で信用度が重要になるのは、ファクタリングの申し込みをした取引先の会社(売掛先)です。カードローンや銀行融資と異なり、ファクタリングの申し込みをした会社ではありません。ファクタリングの場合は、ファクタリングを利用した会社の信用度が低くても売掛先の信用度が高ければ問題なく資金を回収できます。もちろん先程説明したようにファクタリングを利用する会社が二重譲渡をするリスクや社会保険や税金を滞納しているリスクはしっかり審査します。
・売掛金の支払い期日
売掛金の支払い期日が、短ければ短いほどファクタリングの手数料は安くなります。理由は売掛金の支払い期日が短いほど売掛金の回収成功確率が高まるからです。しかし、売掛金の入金までの期日が長いと資金回収することができる可能性が低くなってしまうためファクタリングの手数料は高くなります。このように売掛金の支払い期日がいつであるかもファクタリングの審査にとっては非常に重要な項目です。
・ファクタリング利用会社の信用力
ファクタリングは基本的に売掛先の信用力が高ければ利用できることが多い資金調達方法です。特に承諾不要のファクタリングの場合は、ファクタリング利用会社の信用力も重要になります。ファクタリングを利用する際は、自社の信用力もある程度関係してくるということは頭にいれておきましょう。
◆一般的な融資とファクタリングの審査の差
銀行融資やビジネスローンを使用して融資を受ける場合、当然ですが融資を希望される会社様の信用度が審査されます。その審査の対象となる内容を以下に記載します。
●事業内容
・その会社の業種や業態
・従業員数
・取引先
・事業年数
この中で特に重点が置かれていると言われるのは、「事業年数」です。長く続いているほど評価が高く、一年未満の企業様は実質的に融資を受けるのは困難です。
●決算書、税務申告書
・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書
・税務申告書
決算書は直近の3期分を要求される場合が多いようです。
●社長の信用状況
・他社からの借り入れ
・納税状況
●その他
・事業の将来性や先進性
・安定した収益が上げられそうか
・社長の経営に対する熱意
一方ファクタリングの審査に必要なのは、以下のような書類です。
●商業登記簿謄本
●印鑑証明
●決算書※勘定科目を含む
※主にこの上記3点が必要となりますが、客様の内容によってご用意いただく書類が変更する場合もございます。
これを見ただけでも、ファクタリングの審査が簡易なものであることはご理解いただけると思います。
◆ファクタリング審査で落ちてしまう主な理由
・売掛先の信用力が低い
売掛先の信用力は最も審査において重要です。売先の信用力が低いと、自社の信用力が高くてもファクタリングは利用することができません。
・売掛金が本当にあることが証明できない場合
ファクタリング利用会社の中にはファクタリング業者を騙す会社や売掛金の偽造などで虚偽報告を実施するケースも存在します。売掛金が本物か証明することができないとファクタリングを利用することができないで注意してください。
・売掛先が個人の場合
企業の場合はIR(上場企業の場合)や帝国データバンクなどで信用状況を調べることが可能ですが、売掛先が個人の場合、信用状況を調べることが難しいため審査はかなり厳しくなる可能性があります。
◆まとめ
いかがでしたか?「審査」という言葉を聞くと、たくさんの書類が必要なのではないか、時間がかかるのではないか、と思われる方が多いでしょうが、ファクタリングならこのように手早く資金を得ることができます。手軽で便利なファクタリングを上手に使い、ピンチを乗り切りましょう。すぐに資金調達をご希望の方はJTCの無料スピード診断をご利用ください。