企業の資金調達方法として、最もポピュラーなものとして銀行融資があります。
しかし、融資は審査が厳しく、時間がかかります。場合によっては担保や保証人が必要です。
担保や保証人がない事業主であれば、資金調達が難しいのかといえば、そうではありません。
事業主の資産を利用した資金調達方法があります。それがファクタリングです。
本記事では、ファクタリングについて解説します。
ファクタリングの種類や、事業資金の調達にファクタリングがおすすめなのかについて説明します。
ファクタリングの利用に際しての注意点なども紹介しますので、はじめてファクタリングを利用したいと考える事業主の皆さんはぜひ最後までお読みいただき、理解してください。
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監修者プロフィール
税理士法人 浅野会計事務所
税理士法人浅野会計事務所は、愛知県清須市にあり、創業40年以上、経営・金融・税務・会計・労務のスペシャリストとして各種サポートを行っています。代表の浅野芳郎をはじめ、税理士4名、行政書士1名、社会保険労務士1名ほかファイナンシャルプランナー、宅建資格の資格保持者などもおり、長く経営するためのサポート体制を整えています。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、融資ではない資金調達方法のひとつです。
企業が保有する売掛金を、手数料を支払ってファクタリング会社に買い取ってもらうことで、早期の現金化が可能なしくみがファクタリングです。
早期の現金化が可能なため、ファクタリングを利用することで、資金繰りが安定します。ファクタリングには2つの手法があります。
「2者間取引」、「3者間取引」の2つです。
ファクタリングは一般的に利用されているのは「買取型」ですが、「保証型」のファクタリングもあります。
保証型ファクタリングとは、企業のもつ売掛債権を倒産等により回収不能となった場合に備えて、あらかじめファクタリング会社に、売掛債権を保証してもらうサービスです。
一般的に、事業資金調達として利用されるのは「買取型」であるので、本記事において、買取型のファクタリングサービスについて解説していきます。
2者間取引と3者間取引の違い
買取型と呼ばれるファクタリングには、「2者間取引」および「3者間取引」の2種類があります。
それぞれの違いについて、以下で解説します。
2者間取引とは
2者間取引とは、利用者とファクタリング会社との間で契約するファクタリングサービスです。
2者間取引の利用の流れは次のようになります。
- 売掛金が発生により利用者は売掛先に請求書を発行する
- 利用者がファクタリング会社へ売掛金の買い取りの申し込みをする
- ファクタリング会社が申し込みに対して審査および見積書の提示がある
- 利用者が条件に合意し、契約。手数料を差し引いた金額を受け取る
- 売掛先より売掛金が入金されると、速やかにファクタリング会社へ支払う
2者間取引のメリット・デメリットには以下の点があります。
【2者間取引のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
・売掛金の早期現金化が可能 ・売掛先に知られずに利用 |
・手数料が高め ・債権譲渡登記が必要な場合がある |
2者間取引は、3者間取引と比べ、審査に時間がかからないため、早期の現金化が可能です。
急な出費が発生した場合、2者間取引は重宝するでしょう。
売掛先に知られずにファクタリングを利用できるため、売掛先との関係にヒビが入ったり、信頼関係が崩れたりするリスクから回避できます。
一方で、手数料が3者間取引に対して高めとなっています。理由として、未回収リスクが3者間取引より高いからです。
ファクタリング会社によっては、第三者に債権が譲渡したことを証明するための債権譲渡登記が必要な場合があります。
その場合、登記費用に関しては、利用者が負担するのが一般的です。
3者間取引とは
3者間取引とは、利用者とファクタリング会社、および売掛先の3者でのやりとりを行うファクタリングサービスです。
3者間取引の利用の流れは次のようになります。
- 売掛金の発生により利用者は売掛先に請求書を発行する
- 利用者がファクタリング会社へ売掛金の買い取りの申し込みをする
- ファクタリング会社が申し込みに対して審査および見積書の提示がある
- 利用者は、売掛先にファクタリングを行うことの承諾を得る
- 売掛先から了承を得られると、利用者が条件に合意し、契約する。手数料を差し引いた金額を利用者が受け取る
- 売掛先は直接ファクタリング会社に売掛金を入金する
3者間取引のメリット・デメリットには以下の点があります。
【3者間取引のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
・手数料が安い ・入金の手間が省ける |
・売掛先の承諾が必要 ・現金化に時間がかかる ・売掛先にファクタリング利用が知られる |
手数料が安い点は、3者間取引の利点として考えられます。
2者間取引が8%~18%が相場であるのに対し、3者間取引は、2%~9%が相場として一般的です。
3者間取引場合、売掛債権がファクタリング利用者からファクタリング会社に譲渡されるため、売掛先は、期日にファクタリング会社に直接入金することになります。
そのため、ファクタリング利用者はファクタリング会社への入金の手間が省けます。
反面、3者間取引を行う場合、売掛先の承諾を得ることが必要です。
承諾のない場合、3者間取引が利用できませんので注意しましょう。
3者間取引では、売掛先の承諾が必要なため、現金化までに時間がかかります。急な出費が必要となった場合には適していないかもしれません。
その他のファクタリング
ファクタリングには、買取型、保証型のほかにも、いくつかの種類があるので紹介します。
一括ファクタリング |
一括ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権を、金融機関が一括で買い取るファクタリングです。
金融機関が行うファクタリングであるため、自社に信用がなければ利用できないのが一般的です。手数料は一般的な買取型ファクタリングよりも低く設定されています。 |
診療報酬医療ファクタリング |
診療報酬医療ファクタリングとは、診療報酬を債権譲渡することで早期に現金化が可能なファクタリングです。診療報酬債権に関しての売掛先は、社会保険診療報酬支払基金、または国民健康保険団体連合会です。信用度が高い売掛先であることから、通常3者間取引で行われます。 |
国際ファクタリング |
国際ファクタリングとは、海外の販売先の信用リスクを保証する手段として利用されるファクタリングです。主に銀行が取り扱っており、世界各国のファクター会社が相互に協力して輸出債権を保証するため、送金ベースによる安全・確実な代金回収が可能です。 |
ファクタリングが事業資金の調達におすすめな理由
ファクタリングについての種類や取引形態について解説しましたが、ここでは、ファクタリングが事業資金の調達におすすめな理由について紹介します。
事業資金の調達におすすめな理由として以下の5点があるので、順を追って解説します。
- 経済産業省が売掛債権の活用を推奨している
- 売掛金を早期に現金化できる
- 会社の信用情報に影響がない
- ブラックリスト入りしていても利用できることがある
- 融資を受けるまでのつなぎとしても活用できる
経済産業省が売掛債権の活用を推奨している
企業が高額の事業資金を調達する場合、自社の不動産を担保に入れて、融資を受けるのが一般的とされています。
そのため、担保となる不動産等を保有していない企業は、資金調達が難しいとされてきました。
そこで政府は、企業がもつ売掛債権の活用を推奨すべく、2001年に売掛債権担保融資保証制度を創設しました。
さらに、売掛債権を活用しやすくなるように、2020年4月に債権法が改正されます。
債権法改正により、譲渡制限特約が付された売掛債権であっても債権譲渡が原則有効となりました。
ファクタリングは売掛債権を活用した資金調達方法であるので、法改正のもと、事業資金の調達がいっそう活発になることが予想されます。
(出典:経済産業省「債権法改正を踏まえた解釈・取扱い-債権法改正により資金調達が円滑になります(令和元年6月)-」)
売掛金を早期に現金化できる
ファクタリングが事業資金の調達におすすめな理由として、売掛金を早期に現金化できる点があります。売掛金は、支払い期日が来るまで現金化ができません。
しかし、ファクタリングを利用することで、期日を待たずに短期間での現金化が可能です。
急な資金が必要となった場合、ファクタリングを利用することで、資金調達が可能となります
最短1日~数日で売掛金を調達できるので、早急に現金化が必要な事業主にとってはおすすめです。
JTCなら最短1日で売掛金を現金化できるので、急な資金ニーズの発生にも、安心して利用できます。
会社の信用情報に影響がない
ファクタリング会社は、融資を行う金融機関でも貸金業者でもなく、売掛債権の買取を行っている会社です。そのため、会社の信用情報に影響を及ぼしません。
融資の審査を行う場合、自社の信用情報のチェックを行います。融資申込履歴があれば、信用情報に登録されます。
申し込みが頻繁に行われていると、資金繰りに不安があると判断され、審査に通りにくくなるかもしれません。
ファクタリングの場合、融資でないので、信用情報をチェックしません。
同時にファクタリングを行ったことも、信用情報には登録されないので安心です。
ブラックリスト入りしていても利用できることがある
融資の場合、過去の融資取引で延滞などがあると、信用情報に登録されます。
いわゆるブラックリスト入りしている場合、融資を受けることは困難です。
ファクタリングの場合、審査対象が売掛先であるため、審査において売掛先の経営状況を重視します。
申込企業が、万が一ブラックリスト入りしていても申し込みが可能です。
ファクタリング会社は貸金業者でないため、信用情報を使って審査を行わないからです。
ただし、売掛先の経営状況が芳しくないとファクタリング会社が判断した場合、審査に通らない恐れがあるので信用力の高い売掛先を買い取ってもらうなど、注意が必要でしょう。
融資を受けるまでのつなぎとしても活用できる
融資を受けるまでのつなぎとして活用できる点もファクタリングが事業資金の調達におすすめです。金融機関の融資にかかる時間が長いからです。
通常、金融機関に融資を申し込むと、財務分析や信用情報など審査に日数がかかります。
入金されるまで少なくても1ヶ月あまり要するのが一般的です。プロパー融資ならば、場合によっては2ヶ月程度かかる場合もあります。
一方、ファクタリングは最短1日程度で審査結果が出るので、急な出費にも対応できます。
仕入代金の決済が間もなくなのだが、融資の審査が終わっていない場合、ファクタリングを利用することで、融資を受けるまでのつなぎ資金としての利用が可能です。
ファクタリングは、融資ではないので、併用も可能です。ファクタリングと融資を併用することで、企業は円滑な資金繰りが見込まれるでしょう。
ファクタリングを利用するときの注意点
一方で、ファクタリングを利用する場合、注意すべき点がいくつかあります。
主な注意点として、以下の3点があるので、それぞれ紹介しましょう。
- ファクタリング会社への送金は全額一括のみ
- ファクタリング会社によって入金スピードが異なる
- ファクタリング会社ごとに手数料も異なる
ファクタリング会社への送金は全額一括のみ
2者間取引でファクタリングを利用した場合、利用者は、売掛金が入金された後に、ファクタリング会社に支払う必要があります。
その際、売掛金を一括で支払う必要があります。
なぜなら、分割で支払いをすると、売買でなく、「貸付」となるためです。
繰り返しになりますが、ファクタリングは融資(貸付)ではありません。
ファクタリング会社は貸金業登録を行っていないため、融資業務を行えません。
利用者は、ファクタリング会社に支払う場合、全額一括の支払いを行うことに注意しましょう。
ファクタリング会社によって入金スピードが異なる
ファクタリング会社によって、入金スピードが異なる点にも利用者は注意する必要があります。
ファクタリング会社ごとに申込手順や必要書類、審査基準に違いがあるためです。
入金までのスピードがおのずと変わってきます。
必要書類が多いファクタリング会社なら、準備に手間がかかったり、審査に時間がかかったりするでしょう。
利用者の中には、スピーディな現金化を考えていることもあるかもしれません。
その場合、スピーディな現金化が評判のファクタリング会社を選ぶことを検討しましょう。
JTCなら、土日祝日も対応しているので、急ぎの資金調達にも対応可能です。
ファクタリング会社ごとに手数料も異なる
ファクタリングを利用する場合、利用者は手数料を支払わなければなりません。
手数料は、一律ではなく、ファクタリング会社ごとに手数料が異なる点にも注意が必要です。
ファクタリング会社が手数料を決めるにあたって、売掛先の経営状況や支払いサイト、および売掛金の未回収リスクなどを総合的に判断して手数料を決めます。
手数料を決定する判断基準は、ファクタリング会社ごとに違うため、手数料も異なるのが一般的です。
JTCなら無料スピード診断で事前に手数料を把握できる
複数社を相見積もりしたい、あるいは一度相談すると断るのに気が引けるという企業には、JTCの利用がおすすめです。
JTCは、業界最安値であるため、手数料を気にすることなく利用できます。
「無料スピード診断」をJTC公式サイト内に設置しているので、事前利用することで、すばやく資金調達金額がわかります。
JTCは、2013年創業のファクタリング会社です。最短1日で現金化が可能で、買取金額は最低100万円より、上限は定めておりません。
高額債権を取り扱っている企業様にとって、JTCは、安心してご利用いただける資金調達のパートナーです。
ファクタリングをおすすめする企業の特徴
企業の状況によってはファクタリングの利用を検討するのがおすすめです。
しかし具体的な状況がわからなければ検討ができないため、以下の特徴を参考にファクタリングを検討してみてください。
経済状況の悪化などで金融機関からの融資を受けられない
銀行からの融資が受けられない場合、ファクタリングを検討しましょう。
中小企業や個人事業主は、業績が不安定になりやすく、銀行の審査に確実に通るとはいえません。
さらに起業してすぐの会社も例外ではなく、会社の歴史が浅い、実績が少ないなどの理由から融資を受けられない可能性もあります。
一方でファクタリングの場合、ファクタリング利用者の業績ではなく売掛先の信用をチェックされるため、銀行の審査に通らなくてもファクタリングなら充分利用できるでしょう。
売上が急速に増えた
売上が伸びてくると運転資金が増加するため、まとまった資金が必要になります。
しかし、銀行融資では売上増加に伴う融資をすぐに受けるのは難しいため、一時的なつなぎ資金として、ファクタリングでの資金調達はおすすめです。
少額とはいえその都度銀行から融資を受けると、その後起こり得るまとまった融資を申込む際に前回の融資日から3~6か月は経過していないと融資が否決になる可能性もあります。
今後の資金繰りも鑑みてファクタリングで調達するか、銀行融資で調達するか判断しましょう。
入金サイクルが長い時にもおすすめ
入金サイクルが長い場合でも、ファクタリングが活躍してくれます。
取引先としては決まった日までに支払いをすればよいので、催促ができません。
仮に先払いをお願いした場合は今後の取引にも影響が出る可能性もあります。
ファクタリング会社を選ぶポイント
ここで、ファクタリング会社の選び方について解説します。
意識するポイントは4つですので、しっかりと把握してください。
入金や審査のスピードが早い
入金や審査のスピードもファクタリング会社を選ぶ上で重要なポイントとなります。
入金スピードは、「最短翌日入金」に対応するファクタリング会社もあれば、数日から数週間かかるファクタリング会社もあります。
また、審査にかかる時間も数時間で終わるファクタリング会社もあれば、数日かかるファクタリング会社もあります。
申し込み方法もオンラインや対面など、ファクタリング会社によって異なります。
他の資金調達方法に比べ、入金や審査のスピードが早いというメリットがあってファクタリング会社を利用しているため、入金や審査に時間がかかるファクタリング会社の利用はあまりおすすめできません。
手数料水準が低い
資金を可能な限り多く調達したいため、手数料水準が低いファクタリング会社を利用するようにしましょう。
手数料水準が低いほどメリットが大きいため、手数料水準については事前によく調べておきましょう。
手数料の相場として、2社間ファクタリングで10%前後、3社間ファクタリングであれば1.2%~です。
償還請求権の有無
「償還請求権の有無」でファクタリング会社を選びましょう。
償還請求権は、売掛先が倒産して売掛金が支払われなかった場合、ファクタリング会社から受取っていた代金を戻す必要がありません。
優良ではないファクタリング会社の場合、契約時に償還請求権を設定する方向で話しを進めてくるため注意が必要です。
ファクタリング会社の実績も確認
これまで多くの実績を得ているファクタリング会社であれば、安心して利用できる可能性は高くなります。
公式ホームページをチェックしてファクタリングの内容が詳しく記載されてあり、営業所数、取引事例など様々な情報が記載されている会社がおすすめです。
簡易的なホームページで実績が確認できないファクタリング会社は、特別な理由がない限り選択肢から外しおく方がベターです。
分割払いを認めていたり、保証人や担保が必要だったりする場合は要注意
ファクタリングは原則一括払いをしなければなりません。
貸付ではないため、分割払いに対応しているファクタリング会社はありません。
分割払いに対応している会社は偽装ファクタリングであり、貸金とみなさますのでファクタリングではありません。
また、ファクタリングは売掛金の買取であるため、保証人や担保が必要ありません。
貸金でもなければ融資でもないため、保証人や担保を要求される場合は確実に偽装ファクタリング会社と判断できるので、契約をしないようにしてください。
また、電話での連絡を希望する業者は、メールなどの文章を証拠として残しておきたくない背景があるかもしれません。
中には、契約書の控えを発行しない悪徳業者もあるので注意しましょう。
まとめ
ファクタリングは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、早期に現金化が可能な資金調達方法です。
ファクタリングには、「買取型」や「保証型」など、さまざまな種類がありますが、一般的には、「買取型」をさします。
買取型には「2者間取引」「3者間取引」があり、それぞれの特徴を理解して利用するようにしましょう。
JTCは、取扱金額500億円、取扱件数10,000件を誇るファクタリング会社です。
土日祝日も利用可能で、お客様のご相談にも専門知識を持ったスタッフが親身になってサポートしています。
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