中小企業が利用できる5つの事業資金調達方法

資金調達
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事業を運営するためには、企業は資金が必要です。そのためには資金繰りの安定を図らなければなりません。資金繰りの安定には、資金調達方法の把握が必要です。できるだけ多くの資金調達方法を検討することが大切でしょう。

本記事では、中小企業が利用できる5つの事業資金調達方法について解説します。それぞれの資金調達方法内容やメリット・デメリットについても紹介しますので、資金繰りのお役に立てていただければ幸いです。

中小企業が利用できる事業資金調達方法とは

中小企業が利用できる事業資金調達方法は以下の5つです。

    • 公的融資
    • 銀行や金融業者からの融資
    • ベンチャーキャピタルからの投資
    • クラウドファンディング
    • ファクタリング

それぞれについて詳しく解説します。

公的融資

公的融資とは、国や地方自治体が貸主となって行う融資です。
企業は、公的な金融機関が提供している融資制度を利用することで資金調達ができます。
具体的な公的機関は、政府100%出資の日本政策金融公庫(日本公庫)や商工組合中央金庫(商工中金)です。

公的機関は、国民の暮らしが豊かになることを目指すために設けられています。公的融資によって事業が拡大し、雇用が生まれることで経済が活性化し国民が豊かになるためにサポートしています。公的融資には、スタートアップした企業にも比較的負担が軽く利用することが可能です。

公的融資を利用するメリット

公的融資を利用するメリットとして、以下の3点があります。

  • 長期的な融資計画で無理なく返済できる
  • 幅広い用途に対応している
  • 金利が安い

銀行融資の場合、事業資金の返済期間は10年以内が一般的です。公的融資の場合、10年を超える返済期間の融資にも対応可能です。公的融資は、国民一般、中小企業者の資金調達を支援するための金融の機能を担っています。経済情勢・社会動向を勘案した融資を取り扱っており、企業は業況に応じた融資を受けることが可能です。

公的融資は、銀行融資より金利が安いのが一般的です。銀行は民間企業であるため、利益を確保しなければなりません。公的機関での融資は、経済の活性化が目的であるので安く利用することが可能となっています。

公的融資で資金調達するデメリット

一方で、公的融資で資金調達を行うにあたってのデメリットとして、次の点があります。

    • 審査が厳しい
    • 準備する書類が多い
    • 融資条件の交渉が難しい

公的な資金を調達するので、審査が厳しくなります。準備する書類が多いため、面倒に思えるかもしれません。書類がそろっていないと受け付けてもらえないので、きっちり準備しましょう。公的融資は、広く平等に利用できる反面、経営状況が良好な企業については優遇が受けられない点があります。

銀行や金融業者からの融資

銀行や金融業者からの融資は、日本公庫や商工中金といった公的融資に対して、民間融資と呼ばれます。民間融資を担っているのは、銀行や信用金庫、信用組合といった市中金融機関、および消費者金融などノンバンクです。

銀行や金融業者を利用するメリット

民間金融機関で事業資金を調達するメリットとして、以下の点があるので、解説します。

  • 審査が厳しい分、融資が通ると対外的な信用・信頼を得られる
  • メガバンクなど地方にも支店が多いところなら、相談や返済がしやすい
  • 自社に合ったサービスを選べる

銀行の融資審査は厳しいです。厳しい審査をクリアして融資を受けられていることは、経営状況が健全である証拠です。他の企業は、銀行融資を受けている会社と安心して取引ができます。

大都市だけでなく、支店が多い地方であれば、メガバンクをはじめとする金融機関は、高い利便性を生かして融資の相談に乗ってもらいやすくなります。

民間の金融機関を選ぶ場合、金利で選ぶのか、資金調達のスピードを重視するのかは自社の方針によりさまざまです。自社に合った金融機関を選択できます。

銀行や金融業者で資金調達するデメリット

一方で、デメリットも民間金融機関にはあるので紹介します。

  • 融資を受ける相手によって金利や条件が大きく変わる
  • 銀行融資は審査などが厳しい為、融資まで時間がかかる
  • 信用金庫なら先に出資して会員になる必要がある

民間金融機関は、企業の経営状況等を鑑みて金利を決定します。
リスクが高いと民間金融機関が判断した場合、金利が高めに設定されるのが一般的です。
場合によっては、担保を求められる場合もあるかもしれません。企業が重視するのが融資金額であるのか、または調達日数であるのかで、銀行か消費者金融かの選択が分かれます。

信用金庫や信用組合等、協同組織の地域金融機関は、会員でなければ一定金額以上の融資が受けられません。そのため、企業は出資する必要があることを覚えておくのがいいでしょう。

ベンチャーキャピタルからの投資

ベンチャーキャピタルから出資されることでも資金調達ができます。ベンチャーキャピタル(VC)とは、新興企業や成長企業に投資する投資会社・ファンドのことです。

ベンチャーキャピタルの目的は、新興企業や成長企業に投資することで、高いリターンを得ることです。ベンチャーキャピタルは、将来的に高い成長が見込まれる未上場企業に投資を行うのが一般的とされています。

ベンチャーキャピタルを利用するメリット

ベンチャーキャピタルを利用するメリットとして、以下の点があります。

  • 出資の対価に自社株を渡すため、返済義務がない
  • 無担保で資金調達できる
  • 経営に関する助言がもらえる

出資による資金調達は、自社の株式の保有でもあるので、返済義務がありません。
また、ベンチャーキャピタルの利用は、銀行融資のように担保も必要ないため、資金繰りや担保への不安が軽減されます。

ベンチャーキャピタルは、経営のノウハウについても持ち合わせているため、経営に関するアドバイスをもらえることが期待できます。株主資本が増加することで、企業の安全性の指標である自己資本比率も上昇し、対外的に信用度が増し、銀行融資も受けやすくなるでしょう。

ベンチャーキャピタルで資金調達するデメリット

ベンチャーキャピタルを使って資金調達する場合、デメリットとして以下の点があるので、紹介します。

  • 事業の成長性によっては早期回収されるおそれがある
  • 経営者自身の持株比率が下がる
  • 経営に干渉されることがある

ベンチャーキャピタルは、出資した企業に対してリターンを求めます。出資を受けた企業は、期待に応えるべく利益をあげなければなりません。企業の成長が、ベンチャーキャピタルの想像より遅い場合、出資不適格企業と判断され、資金を早期に回収される恐れがあります。

また、出資を受けることで、経営者の持株比率が下がります。持株比率によっては、出資者であるベンチャーキャピタルの比率が大きくなり、経営に関して干渉されることがあるかもしれません。
持株比率が過半数となれば、経営権がはく奪されることとなりますので、出資を資金調達として考える場合、経営者自身の持株比率がどのようになるのかを検討して出資を行う必要があるでしょう。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを使って個人や団体が行いたいことをプレゼンして、共感した不特定多数の人から資金調達を行う方法です。

クラウドファンディングの仕組みは欧米では古くからありますが、日本では2011年ごろにいくつかのクラウドファンディング専用サイトが開設されたのがきっかけで広く浸透していきました。

クラウドファンディングの種類として、寄付型や融資型などがあります。その一つに、出資の代わりに、非上場企業の未公開株をリターンとして渡す株式投資型があります。

クラウドファンディングを利用するメリット

資金調達としてクラウドファンディングを利用するメリットとして、次の点があります。

  • 誰でも挑戦できる
  • 目標金額を自由に設定できるので、高額の資金調達ができるチャンスもある
  • 返済する義務がない

クラウドファンディングを利用する制限がないので、開業間もなく、売上がない法人・個人や、これから開業を目指す人なども挑戦が可能です。企業がプレゼンしたプロジェクトが多くの不特定多数の人に共感を得られると、銀行融資では得られない大きな資金の調達が見込めます。

出資を受けるには相応のリターンが必要ではあるものの、基本的に返済する必要がない点も、クラウドファンディングを資金調達として利用するメリットとして考えられます。

クラウドファンディングで資金調達するデメリット

一方、クラウドファンディングを使うデメリットは以下の3点です。

  • 目標金額に必ずしも届くとは限らない
  • 利用手数料が必要
  • 調達まで時間がかかる

クラウドファンディングは、目標金額や自社のプロジェクト等を公開しますが、賛同が得られなければ、目標金額に達成しないケースもあります。また、クラウドファンディングサイトを利用する場合、手数料を支払わなければなりません。

クラウドファンディングは、長期的なプロジェクトが一般的なので、すぐに資金を手にすることは難しいです。即日資金が必要な企業にとって、クラウドファンディングは不向きであるといえます。

ファクタリング

ファクタリングとは、企業が保有している売掛金債権をファクタリング会社に売却することで現金化する方法です。法的には、金銭貸借や出資ではなく、売掛債権の譲渡契約に該当します。

ファクタリングは、売掛先の信用力を基準に審査されるため、自社の経営状況が赤字や債務超過等で芳しくない状況であっても、現金化できる可能性があります。

ファクタリングの取引方法として、2者間取引および3者間取引があり、2者間取引を選択した場合、売掛先に知られることなく現金化が可能です。

ファクタリングを利用するメリット

ファクタリングを利用する場合、メリットとして下記の点があります。

  • 売掛債権の譲渡なので、担保を用意する必要がない
  • 最短1日で現金化できる場合がある
  • 自社の信用情報に悪影響を及ぼさない

ファクタリングは債権譲渡であり融資でないため、担保を用意する必要がありません。ファクタリング会社には、最短1日で現金化が可能なため、急な出費にも対応可能です。
融資でないので、信用情報に登録されることがないため、悪い影響を及ぼすことがありません。

ファクタリングで資金調達するデメリット

ファクタリングにより資金調達することで発生するデメリットに以下の点があります・

  • 手数料がかかる
  • 売掛債権の譲渡なので、売掛金以上の金額は得られない
  • 取引方法によっては売掛先の企業に債権譲渡が知られてしまう

他の資金調達方法と同様、ファクタリングも手数料がかかります。手数料を差し引かれて入金されるので注意が必要です。売掛金の譲渡による資金調達なので、売掛金以上の金額の調達はできません。

3者間取引を行うと、売掛先にファクタリングの利用が知られることになります。知られたくない場合、2者間取引を利用するのがいいでしょう。

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素早く現金化したいならファクタリングがおすすめ

事業資金の調達方法の代表として銀行融資があります。他にもさまざまな資金調達方法があることを押さえておくことが必要です。特にファクタリングは、即日現金化が必要な場合、頼りになります。

株式会社セイビーが2020年に行った調査によると、ファクタリングを利用した役職は、個人事業主が58.1%、代表取締役(社長)が18.4%となっています。

業種別の利用経験のある業種は、「複合サービス事業」「製造業」「建設業」です。利用割合は以下の通りです。

【業種別の利用経験】

業種 利用経験あり
複合サービス事業 11.9%
製造業 9.2%
建設業 6.2%
電気・ガス・熱供給・水道業 5.9%

ファクタリングの種類として利用されているものとして、以下の種類があります。

【ファクタリングの種類と推移】(複数回答)

種類 2019年 2020年
2社間ファクタリング 53.3% 62.0%
3社間ファクタリング 24.2% 29.4%
医療(介護)報酬債権ファクタリング 13.1% 222.2%

ファクタリングの利用回数において、1回のみ利用した人は25.3%と最も多く、10回以上利用した人が24.9%と続いています。

(出典:株式会社セイビー「ファクタリング(売掛債権譲渡)利用者への総合調査/2020年版リサーチ調査」)

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まとめ

資金調達する方法はたくさんあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、自社のニーズにあった資金調達方法を見つけて、円滑な資金繰りを目指しましょう。

JTCは取扱金額500億円超、取扱件数10,000件を誇る実績のあるファクタリング会社です。
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