ファクタリングは、すでに保有している売掛債権を専門会社に売却して、現金化する方法です。
さまざまな業種に適しているファクタリングは、製造業においても資金調達の手段として注目を集めています。
この記事では、製造業におけるファクタリングの利用頻度や、契約するときのポイントを解説します。
製造業でファクタリングの利用頻度は高い?
ファクタリングを利用している企業の業種は、さまざまです。
利用頻度が高い傾向にある業者には、いくつかの共通した事業があげられます。
各業者が共通して抱えているおもな事業は、下記のとおりです。
- 売掛金の回収サイトが長い
- 運転資金が不足しやすい
- 納品までの期間が長い
製造業も、上記の3つに当てはまりやすい業種です。
製品を取引先へ納品しても、売掛金が実際に入金されるまでの回収サイトは長い傾向にあります。
前回の売上を回収できていない状態で新たな案件を受けなくてはならない場合もあり、売掛金が入金されるまでは手元にある現金で材料を購入する必要があります。
しかし、売掛金が回収できなければ、新たに材料を買うための現金がないという業者も珍しくありません。
材料を買えたとしても、実際に製造して納品するまでの期間が長いため、「材料を購入して翌日には納品、現金の回収」とスムーズに入金まで進むケースは少ないでしょう。
準備から製造までの期間に売掛金の回収サイトの日数も加えると、手元に売上が入ってくるまでの期間は数週間や1か月単位で長くなります。
受注は多いものの手元に現金がない状態が続き、資金繰りに困ってしまう製造業は多いと言えます。
資金繰りの悪化は、次の受注用の材料が購入できないだけではありません。
資金繰りが悪い状態が続くと、受注があっても手元の現金がなくなり、黒字倒産のおそれも出てきます。
回収サイトの長期化による現金不足を解消するためには、手元にある売掛債権を現金化するファクタリングが効果的です。
製造業も、従業員への給料支払いや材料購入費に充てる資金の調達方法として、ファクタリングを利用することがあります。
実際、JTCをご利用いただいているお客様の中にも、製造業の方は少なくありません。
製造業とファクタリングの相性がよい理由
資金調達する方法は、融資を受けたり不動産や設備を売却したりと、さまざまな方法があります。
ここでは、ほかの手段ではなくファクタリングが製造業の資金調達方法として適している理由を紹介します。
審査に通りやすい
ファクタリングを選ぶ理由として、審査に通りやすいことがあげられます。
資金調達の代表的な方法といえば、銀行融資などの借入金です。
一度にまとまった現金を借入れできる可能性がある一方で、銀行融資は審査が厳しく、経営状況によっては借入れ自体を断られる場合もあります。
銀行ごとに審査基準は多少異なると言っても、ファクタリングに比べると厳しい傾向にある点は変わりません。
A銀行で融資を断られた企業がB銀行やC銀行でも断られるなど、審査に通過できない状態では他行からの融資も期待できないことがほとんどです。
ファクタリングは、自社の経営状況に関係なく資金調達できる方法です。
審査はあるものの、銀行融資よりもゆるい傾向にあります。
ファクタリングの審査で重視されるのは売掛先(取引先)の経営状況であり、融資のように自社の返済能力は求められません。
仮に自社が赤字経営の状態であっても、売掛先が信頼性の高い企業なら問題なく資金調達できます。
早急な資金調達が必要となっている状況は、経営が安定しているとは言えないでしょう。
しかし、自社が資金繰りに困っているからといって売掛先も同様とは限りません。
ファクタリングなら、売掛先の信用力を活用して審査に通過できます。
売上の回収サイトを短縮できる
製造業は掛取引が多いため、売上金を回収できるまでに時間がかかるのが一般的です。
主な業種で回収サイト(売上債権回転日数)の平均日数を見ると、約10日~約64日と業種ごとに大きな開きがありました。(出典:フリー株式会社「売上債権回転期間とは?業績アップのために知っておきたい基礎知識」)
上記の資料によると、製造業の平均的な回収サイトは約64日(売上債権回転日数63.66日)です。
多くの製造業が、約2か月後にようやく売上の入金を受けている状況です。
納品を終えても手元に現金がくるまでに時間がかかっており、案件の規模が大きければ大きいほど、新しい注文が入っても材料を購入できないリスクが高くなります。
注文品を製造するためには材料費のみならず、製品によっては外注費も必要です。
納品や売掛金の回収前に支払期日が来れば、先に持ち出し分として自社の資金で材料費や外注費などを支払わざるを得ません。
ファクタリングを利用すれば、売掛債権の本来の回収サイトよりも現金化するタイミングを早められます。
早急に現金化できるので、「大口注文の材料を買う現金がない」「給料支払いに充てる現金がない」という事態を避けられます。
ランニングコストの支払いに充てられる
ファクタリングは銀行融資や補助金・助成金などのように、調達した資金の用途が限定される心配はありません。
調達した資金は、ランニングコストの支払いにも充てられます。
製造業は、製品を作るための工場・土地にかかる家賃、機械などの設備を稼働させるための電気など、毎月のランニングコストが多くなりやすい業種です。
工場の規模が大きければ、発生する人件費も大きくなります。
生産する製品の量が増減したとしても、家賃や機械のリース代などの固定費は毎月一定額が発生します。
仮に今月の受注が0になったからといって、経費が0になるわけではありません。
人件費や電気代も多少の増減があっても、毎月支払いが必要です。
ランニングコストは、基本的に現金での支払いがほとんどです。
クレジットカードによる支払いに対応している場合も、最終的には現金が口座から引き落とされます。
一時的に売上が少なく手元に現金がない状態でも、先月分の売上で得た売掛債権をファクタリングで現金化すれば、ランニングコストの支払いに充てられます。
ファクタリングは単発契約なので、必要なときのみ利用できるのも魅力です。
一度契約したからといって、毎月手数料や利息を支払う必要はなく、ランニングコストを増やさずに現金を用意できます。
急な出費に対応できる
ファクタリングは、急な出費で現金が必要となったときにも便利です。
製造業の売上を支えるのは、工場や設備機械です。
しかし建物・機械は、経年劣化や自然災害によって急に壊れることがあります。
生産を維持して納品日に間に合わせるためには、早急に壊れた工場や設備を修理しなくてはなりません。
業務用の建物・機械となれば修理費は高額となりやすく、手持ちの現金のみでは足りなくなる可能性があります。
しかし、まとまった額の売掛債権があれば、ファクタリングで修理費に充てる現金をスピーディーに確保できます。
ファクタリングの特長は、一度に複数社分の売掛債権を売却できることです。
1社分では修理費に足りなくても、複数社分なら高額な修理費を用意できる場合があります。
また、工場の停止が長期化する場合はランニングコストの支払い、外注を依頼する費用など、運転資金の調達にもおすすめです。
製品そのものに問題が生じて賠償請求されたときも、ファクタリングを利用すればまとまった現金を用意できます。
製造業のファクタリング利用時の注意点
ファクタリングにも、ほかの資金調達方法と同じくいくつかの注意点があります。
ここでは、製造業がファクタリングを利用するときの注意点を解説します。
取引方法によっては売掛先からの承諾が必要
売掛債権を売却するとき、選んだ取引方法によっては売掛先からの承諾が必要です。
ファクタリングの取引方法には、2者間取引と3者間取引の2種類があります。
2者間取引 |
ファクタリング会社と申込者の2者のみで行われる取引。 売掛先は債権が譲渡されたことを知らないため、支払期日には申込者の口座へ入金する。 申込者は売掛先から受け取ったお金を、早急にファクタリング会社へ入金する必要がある。 |
3者間取引 |
ファクタリング会社、申込者、売掛先の3者で行われる取引。 申込者は事前に売掛先へ債権譲渡する旨を承諾してもらう必要がある。 売掛先は、支払期日にはファクタリング会社へ直接売掛金を入金する。 |
2者間取引なら、ファクタリング会社と自社のみの契約で終わるため、スピーディーな入金が期待できます。
一方で、後日売掛先から入金を受けたとき、申込者がファクタリング会社へ入金しなくてはならない手間が生じます。
売掛債権はすでにファクタリングで売却しているため、支払期日に売掛先から入金されるお金は、申込者が一時的に預かっている状態です。
契約時に取り決めた期日までに、ファクタリング会社へ入金しなくてはなりません。
3者間取引の場合、売掛先(取引先)にファクタリングを利用することを承諾してもらう必要があります。
取引先の承諾を得たり必要な手続きをしたりするのに時間がかかるおそれがあり、入金までの時間が長期化するかもしれません。
売掛先によっては、「ファクタリングの利用=経営が危うい会社」と受け取って、今後の取引を避けられるリスクも考えられます。
ただし、売掛先がファクタリングの事実を知っているため、支払期日に申込者が売掛金を預からずに済むメリットがあります。
売掛金は、売掛先からファクタリング会社へ直接支払われます。
現金化のスピード感を求めるなら、2者間取引がおすすめです。
支払期日を迎えたときの手間を省きたい方や、手数料を抑えたい方、売掛先との信頼関係が築けている方は、3者間取引も検討しましょう。
ただし2者間取引に対応していないファクタリング会社もあるので、申し込み時は注意が必要です。
JTCは、2者間取引にも3者間取引にも対応しております。
どちらも豊富な取引実績がありますので、お客様のご都合の良い方法でファクタリングをご利用いただけます。
手数料が発生する
ファクタリングを利用するときは、手数料が発生します。
手数料はファクタリング会社ごとに独自の基準で設定されており、契約先を間違えると高額な金額となることがあります。
少しでも調達できる金額を増やしたいなら、手数料の料率にも注目しましょう。
加えて、取引方法の違いによっても手数料は変わります。
2者間取引よりも、3者間取引によるファクタリングのほうが安くなる傾向です。
各取引方法の平均的な手数料は、下記のとおりです。
2者間取引 | 約10% |
3者間取引 | 約1.2%~ |
契約するファクタリング会社によっては、上記以上の手数料が設定されている可能性もあります。
調達できるのは売掛金の額面まで
ファクタリングは、あくまで売掛債権の買取サービスです。
売却できる売掛債権がなければ、社会的信用力の高い企業であってもファクタリングを利用できません。
調達できる金額も、売却する売掛債権の額面が上限となります。
手数料も加わるので、実際に調達できるのは売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額です。
より多くの資金を調達したいときは、別の売掛債権もあわせて売却できないか相談しましょう。
債権譲渡登記が必要な場合がある
2者間取引を利用するとき、ファクタリング会社によっては債権譲渡登記を求められることがあります。
【債権譲渡登記とは】
法人が債権譲渡を行ったことを公に知らせるための制度。 債権の二重譲渡を防ぎ、譲受人(ファクタリング会社)は第三者への対抗要件を備えられる。 |
債権譲渡登記は、手続き1件につき7,500円〜15,000円(債権の個数による)の費用がかかります。
さらに司法書士へ依頼する場合、報酬も数万円程度支払う必要があります。
債権譲渡登記が必要となるファクタリング会社を利用する場合は、売却時の手数料のみならず、手続きに必要となる費用も考慮しましょう。
ただし、2者間取引を利用したからといって、必ずしも債権譲渡登記が必要なわけではありません。
手数料以外の費用が気になる場合は、債権譲渡登記を必須としていないファクタリング会社がおすすめです。
製造業のファクタリング会社選びのポイント
ここでは、製造業がファクタリング会社を探すとき、どのような点に注意して選べば良いのかを解説します。
適切な手数料の会社を選ぶ
ファクタリング会社ごとに手数料は異なります。
少しでも調達できる現金を増やしたいなら、手数料が安いところを選ぶことが大切です。
ただし、あまりにも安すぎるところは悪徳業者か、事務手数料など別の名目で追加費用を請求している可能性が考えられます。
怪しい会社を避けるコツは、手数料の安さを重視しすぎないことです。
契約前に、怪しい名目の費用が加算されていないか、明細を隅々まで確認することもトラブルを避けるポイントです。
JTCは、無料スピード診断で事前にいくら調達できるのか知ることができます。
どなたでも無料で手軽に調達可能額を診断できるので、手数料が不安でファクタリング会社を決められずにいる方もぜひお試しください。
スピーディーに現金化できる会社を選ぶ
急な出費でファクタリングを利用する場合は、現金化までのスピードが何よりも重要です。
ファクタリング会社すべてが即日対応してくれるわけではありません。
中には審査や振込み対応に時間がかかり、最短で数日というファクタリング会社もあります。
「明日までにほしい」というときに間違いなく資金調達できるように、ファクタリング会社の現金化までのスピードは必ず確認しましょう。
JTCは、最短で翌即日で入金可能です。
平日は時間がとれないというお客様のために、希望者には土日祝日も対応しておりますので、ぜひご相談ください。
LINEを使用したオンラインによる書類提出にも対応しており、電子化済みの資料もプリントアウトせずに提出できます。
製造業の取引実績が多い会社を選ぶ
ファクタリング会社は、それぞれ買い取れる売掛債権に下限・上限が設けられています。
保有している売掛債権の額面が少額の場合、下限がないファクタリング会社や、下限が低いところがおすすめです。
額面が大きい場合、上限がないファクタリング会社を利用したほうが現金化はスムーズです。
中でも製造業の取引実績が多いファクタリング会社なら、まとまった金額に何度も対応している経験があるため、急ぎの用件でも安心して利用できます。
ファクタリング会社のほとんどは、利用の多いお客様の業種や金額などの実績を公開しています。
契約先を選ぶときの参考にしてみましょう。
JTCは、幅広い業種のお客様に対応しております。
下限100万円から、上限なし(売掛金の額面まで)としているので、製造業ならではの額面が大きい売掛債権の買取もお任せいただけます。
創業から10年以上、ファクタリングを取り扱っており、すでに製造業のお客様からのご利用実績も多数あります。
製造業におけるJTCの実績
JTCは、幅広い業種のお客様とファクタリング契約を結んでおります。
製造業のお客様によるご利用金額は、下記のとおりです。
過去取引実績 |
最低契約金額:130万円 最高契約金額:1億2500万円 |
上記以上の金額でも、売掛金の額面の範囲内でご利用いただけます。
まずは一度、お気軽にご相談ください。
まとめ
製造業は、前回の注文分の売上が入金される前に、新たな注文を受けることが珍しくありません。
手元の現金がなく材料を購入できない、ランニングコストを支払えないというときは、ファクタリングの活用がおすすめです。
JTCは、売掛金の額面の範囲までなら、上限なしで買取が可能です。
製造業のお客様からも多数ご利用いただいておりますので、安心してご相談いただけます。
まずはいくら調達可能なのか、相談前にチェックできる無料スピード診断からお試しください。