スタートアップは短期間で急成長を目指すため、円滑かつ規模の大きな資金調達が欠かせません。
しかし資金調達の中には一定の信用度や実績が求められるものも多く、思うように現金を得られないスタートアップもあります。
この記事では、スタートアップでも利用できる資金調達方法について解説します。
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スタートアップが利用しやすい資金調達方法
資金調達方法は、特徴別に大きく分けるとアセットファイナンス、デッドファイナンス、エクティファイナンスの3グループがあります。
ここでは、各グループについて特徴や代表的な資金調達方法を解説します。
アセットファイナンス
アセットファイナンスは、自社がもともと保有している資産を元手にして資金調達する方法です。
資産を活用するため借入をする必要がなく、負債率を上げたくないときに適しています。
代表的な方法は知的財産権の活用、資産の売却、ファクタリングなどがあげられます。
知的財産権の活用
人間が創造したアイデアや情報は、知的財産権として資金調達に活用できます。
知的財産権を利用した資金調達方法は、下記の2つです。
- 資産流動化
- 資産担保融資
基本的には、知的財産権を売却したり証券化したりして現金化するか、担保にして融資を受けるかのいずれかです。
たとえば知的財産権の証券化は、特許権や商標権、著作権などの権利が将来生み出すキャッシュフローを裏付けに、投資家から出資してもらう方法です。
2001年のSPC法の改正も影響して、近年は知的財産権の流動化が容易な環境が整っています。
知的財産は、単一よりも複数で効力を発揮することがほとんどです。
関連する知的財産権を多く保有するほど、価値が高くなります。
複数あれば、一部の効力が無効化されたとしてもほかの知的財産権が残り、権利をすべて失う心配がありません。
資産の売却
自社が保有している不動産や機械設備を売却して、現金化する方法です。
上記の知的財産権のように、商標権などの無形資産を売却することもあります。
不動産は社屋や工場のみならず、保養所や社員寮なども含まれます。
使い道のない不動産をいつまでも保有していると、固定資産税などの維持費を調達し続けなくてはなりません。
思い切って売却すると、まとまった現金を得られるうえ固定資産税もかからなくなります。
ファクタリング
自社が保有する売掛債権を売却して、現金化する方法です。
もともともっている売掛債権をファクタリング会社に売却するだけなので、借金を作らずに資金調達できます。
不動産や株式を手放す必要もありません。
回収サイトが長い売掛金の場合、ファクタリングを利用すると予定よりも早く現金化できることも大きなメリットです。
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デッドファイナンス
デッドファイナンスは、負債を増やして資金調達する方法です。
利用するサービスやプランによっては、多額の資金調達が期待できます。
一方で、審査が厳しかったり元本に加えて利息を支払う必要があったりするので、利用には慎重な判断が必要です。
デッドファイナンスの代表的な方法は銀行融資、公的融資、投資家からの出資などがあげられます。
銀行融資
銀行から融資してもらう方法です。
一般的な資金調達方法のひとつであるものの、審査が厳しい点には注意が必要です。
スタートアップも、必ずしも借入できるとは限りません。
銀行融資の審査に通過するためには、財務状況が健全であることや、返済能力がきちんとあることを示す必要があります。
また、金額によっては支店ではなく本店で融資の可否が決定するため、審査に時間がかかります。
公的融資
日本政策金融公庫など、公的機関から融資してもらう方法です。
融資の流れは、一般的な銀行融資と大きな違いはありません。
公的機関の特徴は、中小企業や個人事業主の資金調達サポートを目的としたプランが多いことです。
銀行融資などの民間融資に比べると、幅広い事業主が申し込みやすい傾向です。
個人事業主やスタートアップも利用しやすいうえ、相手が国の機関という安心感もあります。
投資家からの出資
社債を発行して、投資家から出資してもらう方法です。
投資家には、社債発行時に設定した利率にもとづいて、利息を定期的に支払う必要があります。
まとまった金額を調達できる一方で、発行時にいくつかの名目で費用が発生する点には注意が必要です。
社債を発行する方法は、投資家から資金を借り入れる状態です。
満期時は、社債の元本を投資家へ返済しなくてはなりません。
エクイティファイナンス
エクイティファイナンスは、投資家や投資会社から出資してもらう資金調達方法です。
調達した資金は自己資本にでき、財務状況の改善に活用できます。
前述の社債を発行して投資家から借り入れる方法とは異なり、基本的に返済義務は生じません。
ただし調達方法によってはリターンを支払ったり、株式の一部を渡したりする必要があります。
代表的な方法はエンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、株式投資型クラウドファンディングなどです。
エンジェル投資家
個人の投資家から出資してもらう方法です。
おもに創業間もない企業に対して出資しています。
単独で投資する人もいれば、グループを作って共同出資するタイプもいます。
エンジェル投資家の特徴は、理念や経営方針、商品・サービスなどに共感したり将来性を感じたりした場合、実績が少なくても出資してくれる可能性があることです。
銀行融資やベンチャーキャピタルなど法人や機関から借りる場合と比べると、調達できる金額は多くないと言えます。
ただし業界経験者が出資しているケースもあり、経営に役立つノウハウを伝授してもらったりアドバイスを受けたりできる点は大きなメリットです。
一方で、投資の見返りとして株式や転換社債を渡すよう求められることもあるので、注意が必要です。
投資家によっては積極的に経営関与する人もおり、経営に対する自由度が低くなるリスクがあります。
ベンチャーキャピタル
VCとも表記される、スタートアップなどに投資する機関から資金調達する方法です。
複数の投資家から資金を調達したり、運営母体の資金をあてたりしてファンドを形成し、資金提供してくれます。
VCは、投資先がIPOやM&Aするタイミングで売却益を得ています。
特徴は、個人投資家よりもまとまった金額を調達しやすいことです。
経営に関するアドバイスやサポートを受けられる反面、経営の主導権を奪われるリスクもあるので、利用は慎重に判断する必要があります。
株式投資型クラウドファンディング
インターネット上で、不特定多数の出資者から資金調達する方法です。
一般的に行われている購入型のクラウドファンディングでは、リターンとして商品やサービスを提供しなくてはなりません。
株式投資型では、商品やサービスを提供しない代わりに非公開株を渡します。
非公開株を保有している出資者には、定期的に配当金を支払うこととなります。
利用しすぎると株主の人数が大幅に増え、株主総会の開催負担が大きくなりかねな点とにも注意しましょう。
その他の資金調達方法
上記で解説した方法以外にも、資金調達する方法はいくつかあります。
たとえば国や自治体などの補助金・助成金を活用するのもおすすめです。
採用活動に利用できるものもあれば、機械やソフトウェアの導入などDX推進にかかる費用を助成するものなど、さまざまな内容で補助金・助成金が設けられています。
業界団体が募集している補助金・助成金もあるので、うまく利用すれば業種特有の費用負担を軽減できます。
注意点は、補助金・助成金はすぐに資金調達したいときには向いていないことです。
後払いが基本のため、まずは自社で立て替える必要があります。
全額ではなく、かかった金額の一部のみ補助・助成してくれる場合が多いので、まとまった金額が必要なときは支給額に注意しましょう。
条件や対象者、支給される金額も年度ごとに変わります。
年度によっては募集されなかったり早期に募集枠が埋まる場合もあるので、補助金・助成金を希望する方は詳細を毎回確認することが大切です。
スタートアップが資金調達で失敗しないためのコツ
スタートアップが利用できる資金調達方法は複数あるものの、短期間での実績を求められるケースが多いため、必ずしも借入や出資につながるとは限りません。
資金調達方法の選択肢を間違えると、持ち株率の低下や投資家からの経営に対する干渉など、デメリットばかりが目立つようになります。
ここでは、少しでも成功率をアップさせるために知っておきたい、スタートアップが資金調達するときのコツを解説します。
自社の段階に合った資金調達方法を選ぶ
資金調達で失敗しないためには、まず自社がどの段階にいるのかを把握することが大切です。
段階に応じた選択肢のみに絞り込んでから、自社に適した資金調達方法を選びましょう。
スタートアップに対する投資の段階は、シード期とシリーズA~Dの5つに分けられます。
段階に合わせた資金調達方法を理解しておくと、失敗のリスクを軽減できます。
各段階の特徴は、下記のとおりです。
シード期 |
事業のアイデアや大枠のみが決まっている状態です。事業自体はまだ開始しておらず、資金調達の選択肢は多くありません。会社の立ち上げ段階で大きな金額を必要としないため、適切な資金調達方法さえ選べば目標額は調達しやすいと言えます。 シード期に利用しやすい資金調達方法は、クラウドファンディング、日本政策金融金庫などです。成長性が期待できると判断されれば、ベンチャーキャピタルから出資してもらえる可能性もあります。 |
シリーズA |
事業を開始すると、シード期からシリーズAにステップアップします。アーリー期(アーリーステージ)とも呼ばれる段階です。事業開始にともない、リリースしたばかりの商品・サービスで多くの売上を得て、経営を軌道に乗せなくてはなりません。設備投資のほか、認知度向上につながるマーケティングなどの施策にもコストを割く必要があります。 シリーズAの段階で利用しやすい資金調達方法は、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資です。 |
シリーズB |
はじめたビジネスが軌道に乗ってきた段階です。シリーズAでの成長や資金調達により、認知度も向上しています。シリーズAとともにアーリー期と呼ばれることもあれば、ミドル期(ミドルステージ)と呼ばれることもあります。 シリーズBで利用しやすい資金調達方法は出資のほか、金融機関からの融資も選択肢に加わります。ビジネスの成長・黒字化が期待されている時期のため、引き続き認知拡大やビジネスの安定化にコストを割くことが大切です。 |
シリーズC |
ビジネスの黒字化に成功して、事業拡大を実現できた段階です。レイター期(レイターステージ)とも呼ばれます。十分な認知がある段階のため、今後はビジネスの多角化でさらなる成長を求める必要があります。企業によっては、事業拡大の一手としてM&Aも選択肢に加わります。 シリーズCで利用しやすい資金調達方法は、キャピタルゲインからの出資や金融機関からの融資などです。今後の事業展開に応じて大きな金額を調達できる方法が求められます。 |
シリーズD |
企業が成長し切っている段階です。新しい経営戦略を講じる必要があります。シリーズCとともにレイター期と呼ばれるほか、イグニット期(イグニットステージ)とも呼ばれる段階です。事業拡大のためのM&Aや、IPO(新規上場)も視野に入れた経営が求められます。 戦略によっては、資金調達する金額が大きくなります。M&AやIPOを成功させるためには、多額の資金調達のみならず企業価値そのものを磨いておきましょう。 シリーズDともなれば、ベンチャーキャピタルからの出資、公的機関や民間の金融機関からの融資など、さまざまな選択肢から資金調達方法を選べます。 |
スタートアップは、成長するごとに適した資金調達方法が増えていきます。自社の状況を見て、資金調達には銀行融資や出資のどちらが適しているのか判断しましょう。
償還期限に注意する
資金調達方法によっては、償還期限が設けられています。
ベンチャーキャピタルからの出資は、償還期限があり、通常10年で元本に利息を加えた金額を返還しなくてはなりません。
償還期限までに十分な利益を得ていない場合、保有する株式を処分して換金することとなります。
事業計画を立てるときは、償還期限を考慮した設計が必要です。
もしくは、償還期限のない資金調達方法を検討しましょう。
持株比率を下げすぎない
資金調達方法によっては、スタートアップ期に株式を大量発行するため、持株比率が下がりやすくなります。
持株比率が低い場合、経営権を出資者に奪われるおそれがあります。
行使する権限が少なくなり、経営判断にも影響するので、自社の特色を守りたい場合は持ち株比率を下げずに済む資金調達方法を優先的に検討しましょう。
最低でも、株主総会の特別決議を通せる3分の2以上の持株比率は維持しておきたいところです。
すでに持株比率が不安な場合は、ファクタリングなど株式の売買が生じない方法での資金調達方法がおすすめです。
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資金調達方法にお悩みのスタートアップの方には、JTCのファクタリングがおすすめです。
売掛債権を売却するだけのファクタリングなら、短期間での成長や斬新なアイデアを求められる心配はありません。
シード期は売掛債権そのものがないため利用できませんが、創業して成長し始めたばかりのシリーズAやシリーズBの段階からファクタリングを利用できます。
注意点は、ファクタリング会社ごとに買取可能な売掛金に上限・下限があることです。
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まとめ
スタートアップは、将来性が認められればベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資も期待できます。
一方で、出資を受けると短期間で結果を出さなければならなかったり、持株比率の低下につながったりと、デメリットもあります。
資金調達をするときは、自社の持株率や行使できる権限への影響も考慮することが大切です。
ファクタリングなら、持株比率を下げることなく早期に資金調達できます。
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