コラム
2019年04月11日

事業資金のための借金は企業の成長に欠かせない!

企業経営を行ううえで、充分な事業資金を確保しておくことが重要です。すべてを自己資金でまかなえれば理想的ではあるものの、実際は借入によって調達するのが一般的でもあります。企業経営者のなかには「借金は悪い」と捉えている人も多いと言えるでしょう。しかし、事業を成長させるためにはどうしても借入が必要な場面もあるのです。今回は、経営を行うにあたって必要なる借金や削減すべき借金、借入が行えなくなったときの資金調達方法について解説します。

 

事業資金とは?7つの調達方法!メリットとデメリットを知って円滑な企業運営を!


 

中小企業の平均的な借金

経営を行うにあたって、他社がどれくらいの借金を負っているのかを把握することは、自社の財務状況をチェックするうえでも大切です。一般的に中小企業の長期借入金は、平均で総資産の40~45%程度と言われています。金額に換算すると、おおむね月商の4.5倍ほどです。業種によって違いはあるものの、借入金が月商の3カ月分を超えてくると資金繰りが苦しくなる企業が増えてきます。売上や利益率と照らし合わせて、借入の割合が多くなってくれば、返済額が膨らんでしまうため資金繰りが悪化するのです。

 

事業のために必要な借金であれば問題がないものの、経営者や経理担当者は常に自社にとっての借入の適正水準を把握しておく必要があるでしょう。無計画な借入を行ってしまえば財務的な負担が大きくなってしまい、将来的な経営リスクを高めてしまうことにつながるでしょう。

 

 

収益を増やすための事業資金の借金

企業にとっての借金は、基本的に収益を増やすことを目的としています。上場している優良企業の決算書を見れば、ほとんどの企業が何らかの形で借入を行っているのです。借入を行っていない企業はほとんどないことからも、借金が悪いことではないことがわかります。収益を伸ばしている企業は、積極的に運転資金や設備資金を投入しているため、借金が増えるのは自然な流れでもあるのです。収益を順調に伸ばしている企業にとっては、借金は必ずしも経営リスクではないと言えます。

 

その一方で収益の伸びが鈍化していたり、収益が低下していたりする企業においては、借金は経営リスクを高める要因となるでしょう。金融機関は赤字の補てん目的で融資は行わないため、資金繰りが悪化してしまえば倒産のリスクも高まります。借金そのものが問題ではなく、無駄な資金が使われていることに問題があるのです。借金が多くできるということは、それだけ資金調達力があるということでもあります。自社の経営状況や財務内容を踏まえたうえで、適正な水準で借入を行っていくことが大切です。

 

 

事業資金の調達などによる借金を減らす方法

経営状況が悪く、資金繰りが悪化しているならば、借金を減らすための具体的な方法を検討する必要があります。「活動別原価計算」を行えば、借金を圧縮するための方向性が見えてくるでしょう。どのような業種であれ、経費のなかでもっとも幅を占めるのが人件費だと言えます。ただ、無計画に給与をカットすれば、人材の流出を招いてしまうでしょう。従業員の給料を減らすのではなく、売上高人件費比率を減らしていくことが肝心です。収益が伸びていない企業の特徴として、従業員が売上につながらない作業に多くの時間を割いているケースがあります。生産性の低い作業ばかりに人員を充てていれば、おのずと収益は低下するものです。

 

生産性を高めていくためには、「タイムシート」を積極的に導入してみましょう。タイムシートとは、従業員ごとに業務内容に対する労働時間を報告してもらう集計表のことを指します。労働効率を可視化することによって無駄な経費が圧縮でき、借金を減らすことにつなげられるでしょう。経費を削減できれば、事業資金の借入額も少なくて済むため、財務内容も健全化するはずです。

 

 

事業資金のために必要な借金の判断方法

企業にとって借金は悪いものではないものの、必要な借金と不必要な借金の違いはあります。企業の成長につながらない借金ばかりが増えていけば、倒産の危険性も高まるでしょう。企業経営における必要な借金として、たとえば「つなぎ資金」があげられます。売上が確定しているにもかかわらず、仕入代金が不足している場合には一時的に資金を調達する必要があるでしょう。また、銀行融資を受けるまでに時間がかかってしまうため、当面の運転資金として調達する場合もあります。これらのケースでは、企業経営にとって必要な借金であるため問題ありません。

 

しかし、業績が悪化して事業資金が不足している場合の借金には注意が必要です。業績不振の改善が見込めない場合は、借金ばかりが増えてしまうことになるので、経営的に行き詰ってしまう可能性もあります。安易に借入を行うのではなく、不採算事業を整理・縮小するなどして、まずは経費を削減することが重要なのです。

 

 

現金預金残高は売上の1カ月分を確保

資金繰りに行き詰ってしまわないためには、現金預金残高を適切な水準に保っておく必要があります。企業の現金預金残高の適正水準は、一般的に月商の1カ月分と言われているのです。この水準を下回ってしまうと事業資金がショートしてしまう可能性があるので、早急に資金調達を行う必要があるでしょう。企業活動では、仕入代金・諸経費・借入金の返済などの支出を毎月の売上によってまかなう必要があります。売上よりも支出が上回ってしまえば、資金繰りが次第に悪化してしまうでしょう。現金預金残高は月商の2~3カ月分あれば安全と言われているものの、万が一の場合にも備えてできるだけ多くの現金を手元に残しておくことが大切です。

 

 

現金預金と借金の比率は30%以上を確保

現金預金残高と借金の比率のバランスをうまく保つことが、安定的な経営を行っていく重要なポイントになります。現金預金と借金の比率は、銀行などの金融機関からの借入金に対して、現金預金をいくら持っているのかを表すものです。一つの目安としては、借金残高に対して30%以上の現金預金残高を維持しておくと良いでしょう。手元の資金が少なくなれば、どうしても経営に焦りが出てしまうものです。借入余力があるのであれば、借金を行ってでも余裕資金を確保しておく必要があります。

 

どのようなビジネスを行うにしても、現金預金が手元になければ行き詰ってしまうものです。現金預金と借金のバランスを保ったうえで、資金繰りが円滑になるような仕組みを作っていきましょう。

 

 

 

企業の借金が多く返済が難しい場合の対処法

業績不振などの理由によって、借入金の返済が難しい状況になりそうなときは早急に対策を打つ必要があります。一つの方法としてあげられるのは、金融機関に対してリスケジュール(リスケ)を行うことです。リスケジュールとは、借入金の返済計画を見直すことであり、企業にとっては当面の資金繰りが楽になるメリットがあります。金融機関との信頼関係による部分が大きいものの、状況に応じて返済期間を延長したり、返済元金の据え置きを行ってもらえたりするのです。資金繰りの状況が悪い場合には、取引のある金融機関に対してすぐに相談することが重要だと言えます。

 

リスケジュールのメリットとデメリット

リスケジュールの実施によって資金繰りは改善するので、すぐに効果が表れる点がメリットです。ただ、ひとたびリスケジュールを行うとその状況が解消されるまで、追加融資や新規での融資は受けられなくなるので注意しましょう。資金繰りに目途が立った段階で、きちんと返済計画を実行していくことが大切なのです。

 

 

リスケジュール中でも利用できるファクタリング

リスケジュール中に資金調達が必要な場合には、ファクタリングの利用を検討してみるのも良いでしょう。ファクタリングとは、企業が保有する売掛金などの売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、事業資金を調達する方法です。ファクタリングは融資ではなく、売掛債権という資産を現金に換えることができ、また、企業の経営状況や財務内容はあまり問題となりません。したがって、リスケジュール中だけでなく、赤字決算に陥っていたり税金を滞納していたりしても審査に応じてもらえる可能性があります。ファクタリングの審査において重視される点は、売掛債権の内容や取引先の信用力である点を押さえておきましょう。

 

ファクタリングの審査はスピーディーに行われるため、急な資金繰りの悪化に対処する方法としては有効な手段です。リスケジュール中は、新たな融資を受けるのが難しい状況であるため、資金調達方法の一つとして念頭に置いておきましょう。ファクタリングによって調達した資金で税金や社会保険料の未納を納付したり、ノンバンクからの借入を完済すれば、負債のスリム化が図ることができ財務内容も健全化するため、銀行融資などを受ける環境も整いやすいのです。

 

 

経営者は企業の借金と現金預金残高を把握しておこう!

経営を安定させ、事業を成長させるためには資金管理を適切に行うことが大切です。企業が抱えている借金と現金預金の残高を定期的にチェックしておきましょう。キャッシュフローを正しく認識しておかなければ、最悪の場合は倒産してしまう危険性もあります。企業を成長させるためには、時として必要な借金もあるものです。経営者が常に借金と現金預金残高の数字を把握したうえで、無駄な経費を削減していけば、おのずと企業の成長につなげられるでしょう。