コラム
2019年04月12日

経営者のための事業資金の調達方法を徹底比較

事業資金をしっかりと確保することは、経営を安定して維持するために欠かせません。しかし、どれだけ堅実に事業を進めていても、資金繰りが苦しくなるタイミングが訪れることはあります。そのとき、事業資金を調達する方法を知っているかどうかは、経営において大きな分かれ目となるでしょう。また、資金の調達方法もさまざまなものがあるので、経営状況に合った選択肢を見つけることが重要です。今回は金融機関別の金利など、それぞれの特徴を含めて解説しつつ、企業の状況に応じた融資の選び方を紹介します。

 

 

事業資金の融資を受けることができる金融機関

事業資金の融資を受けることができる金融機関の種類は多く、それぞれに提供する融資制度やサービスに違いがあります。金融機関の種類は大きく分けると3つの区分があり、「政府系金融機関」「預金を取り扱う金融機関」「ノンバンク系金融機関」です。「政府系金融機関」とは、国が100%を出資している日本政策金融公庫などを指します。中小企業の支援を目的としている日本政策金融公庫は、これから起業しようと考えている人の支援にも積極的です。2つ目の「預金を取り扱う金融機関」とは、都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合などです。預金者から預かった資金で融資を行うため、資金力があり高額の融資にも対応してくれるという特徴があります。信用金庫や信用組合は、都市銀行や地方銀行と比較して資金力は劣りますが、地域に根付いた企業や経営者に対して経営の相談なども含めた支援を行っている場合が多いのです。

 

3つ目の「ノンバンク系金融機関」は、消費者金融や信販会社、リース会社などを指します。銀行などと比べると資金力が低いため、大きな融資にはなかなか対応してもらえませんが、銀行融資に比べ審査が速いという特徴があります。また、銀行の融資審査はどこも似たような基準になっているのに対し、ノンバンク系金融機関はそれぞれが独自の基準で融資の審査を行っているのです。そのため、1つの金融機関で融資を断られたとしても、別の金融機関では融資を受けられるというケースも少なくありません。

 

 

事業者向け融資の金利による比較

それぞれの金融機関が事業者向け融資を行っており、資金調達の手段として利用している経営者は多いでしょう。しかし、同じ事業者向け融資ではありますが、利用する金融機関に応じて金利が大きく違います。また、同じ金融機関を利用していても、融資の条件によって金利に差が出てくるのです。ただ、それぞれの区分に応じて、金利の相場というものがあります。たとえば、政府系金融機関からの借入は、金利が0.30~2.85%ほどです。預金を取り扱う金融機関の場合は2.125~9.0%、ノンバンク金融機関なら6.0~18.0%程度になると言われています。金利だけを比較するなら、政府系金融機関がもっとも有利に借入ができるわけです。低金利というのは、融資を受ける経営者にとっては返済の負担が減るという点でとても助かるものでしょう。

 

 

金利が低い事業者向け融資の特徴

日本政策金融公庫や銀行などからの融資には、金利が低く設定されているものがあります。政府系金融機関である日本政策金融公庫の場合、国が100%出資していることもあり、営利目的での運営を行っていません。中小企業の支援や起業しようとする人の創業支援などを目的としているため、低金利での融資を行うことが可能になっています。しかし、いくら営利目的ではないとは言え、どんな企業にでも融資するわけではありません。むしろ、国からの出資を受けている以上、融資先に対する審査は厳しいものとなります。しっかりとした審査を行うため審査期間も長く、申請から融資実行まで時間がかかるのです。

 

銀行などの預金を取り扱う金融機関は、日本政策金融公庫ほど厳しくはないものの、やはり融資審査には時間を必要とします。また、銀行の融資には2種類あり、「信用保証協会の保証付き融資」と「プロパー融資」に分かれているのです。「信用保証協会の保証付き融資」は、融資を受けた企業が返済不可能になった場合、信用保証協会が代位弁済をしてくれるというものです。そのため、銀行側のリスクが低く、低金利で融資を受けられます。しかし、銀行の審査とは別に信用保証協会の審査を受けることが必要です。また、毎月の返済とは別に信用保証協会に対して保証料の支払いを行わなければなりません。プロパー融資は銀行が独自に行う融資ですが、保証人や担保を求められる場合も多く

 

 

金利が高い事業者向け融資の特徴

ノンバンク金融機関の融資の特徴として、日本政策金融公庫や銀行などよりも、審査の基準が低く融資までの時間が短いという点があります。理由の一つとして、ノンバンク系金融機関の融資が、主に短期返済による少額の融資契約を行っているからです。もともと、ノンバンク系金融機関は銀行などと比較して資金力があまり強くありません。そのため、一社だけに多額の融資を行うことが難しいのです。少額かつ短期返済の融資であれば、融資先の企業の現状さえわかれば、返済能力を見極めることも難しくありません。そのため、審査が通りやすく融資までの時間も短くなります。

 

 

低金利で融資を受けたいなら有担保ローン

事業資金を融資によって調達する場合、無担保融資よりも有担保融資のほうが低金利で借入ができます。金融機関が融資の際に設定する金利は、貸倒れリスクが考慮されているからです。つまり、返済が不可能になる可能性が高い融資先には、金利を高く設定することで損失を抑えようとするわけです。無担保融資の場合、貸倒れが起こると金融機関は返済されていない融資がすべて損失になります。一方、有担保融資であれば、仮に貸倒れが起こっても担保分は回収が可能です。そのため、有担保融資には無担保融資よりも低い金利が設定されます。もちろん、担保にした資産を失うリスクはありますが、しっかりとした返済計画があるなら金利の低い有担保融資を利用することも検討してみましょう。

 

 

状況に合わせた金融機関の活用方法

金融機関によって、金利や審査の厳しさ、融資までの期間などが大きく異なります。そのため、融資を申請する企業の状況に合わせた金融機関の選び方を理解しておく必要があるでしょう。これから起業する際の創業資金の調達が目的なら、日本政策金融公庫や制度融資を利用するのが適しています。制度融資とは、地方自治体の窓口に相談し、融資してくれる金融機関を紹介してもらうというものです。自治体によって条件などが異なりますが、金利が低くなったり据置期間(金利のみの返済を行う期間)が長くなったりするため、事業を軌道に乗せるまでの時間を確保しやすいと言えるでしょう。

 

新規事業の展開や大規模な設備投資のために資金が必要な場合は、銀行の融資が向いています。長期的な利益拡大につながる投資であれば、銀行の審査も通りやすいでしょう。また、大規模な融資となれば、金融機関にも資金力が必要になります。そういう意味でも、まずは銀行に相談するのが良いでしょう。赤字決算などによって、一時的に資金繰りが悪化した場合には、ノンバンク系金融機関の融資の利用が適しています。一時的な資金不足は多くの場合、すぐに対応を迫られるものです。審査期間が銀行に比べて短いノンバンク系のビジネスローンであれば、「今すぐ資金を用意したい」という要望にも応じてもらえるでしょう。

 

 

融資とは違うファクタリングで資金調達

事業資金を調達する方法は、融資を受けるというものだけではありません。売掛債権の譲渡によって資金を得る「ファクタリング」を活用する方法もあります。ファクタリングは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、現金化するものです。あくまで、債権の売却であり融資ではないため、後から返済をする必要はありません。また、仮に売却した売掛債権が回収不能になっても、買戻しの請求が発生しない契約であれば、ファクタリング会社から買戻しの請求を受けることがない仕組みとなっています。そのため、キャッシュフローの改善にもつながるでしょう。さらに、ファクタリングの審査は利用者となる企業ではなく、売掛先の信用力と取引内容が対象です。

 

そのため、利用者となる企業の経営状況に関係なく利用できるというメリットもあります。ファクタリング会社や契約内容にもよりますが、即日現金化が可能な場合もあり、すぐに資金が必要というケースにも対応してくれる可能性があります。定期的に売掛金が発生している場合には、利用を検討してみると良いでしょう。

 

 

状況に応じて適切な事業資金の調達方法を選ぼう!

経営者にとって、事業資金を調達するというのは、会社を維持するために必要なことです。だからこそ、融資を申請する前に、経営状況に合った金融機関を選ぶことが重要になります。たとえば、資金が必要になるタイミングがすぐに訪れる場合には、銀行融資に比べ金利は高くても審査の早いビジネスローンを利用するといった判断をしなければなりません。それぞれの金融機関の特徴を理解したうえで、金利や融資までの期間などを考慮して、最適な金融機関を見つけましょう。