コラム
2019年04月26日

法人が融資を受ける際の注意点と事業資金の調達方法

法人として金融機関から資金調達を行う際には、融資の基本的な仕組みを正しく把握しておく必要があります。融資の申請を行ったからといって、必ずしも借入が行えるわけではないのでポイントを押さえておくことが大切です。銀行融資とノンバンクの違いをしっかりと理解したうえで、自社にとって最適な資金調達方法を選んでみましょう。また、融資ではなくファクタリングの利用を検討してみることも大切です。今回は、融資を受ける際の注意点と事業資金の調達方法について解説します。
 

 

融資の審査では返済能力が重視される

銀行に限らず、金融機関の融資審査においては「返済能力の有無」が最大のポイントとなります。審査にあたって会社の財務内容がチェックされるため、損益計算書や貸借対照表などの書類の提出を求められるのです。そして、書類は単に提出すれば良いというものではなく、事業計画書や財務諸表に記載されている数字や根拠については、経営者自らがきちんと説明する必要があります。曖昧な返答を繰り返してしまっては、審査を通過する可能性は低くなってしまうでしょう。融資担当者に対する説明に不安がある場合には、顧問税理士や経理担当者に同席してもらうのも一つの方法です。事前の準備をしっかりと整えたうえで、審査を受けるように心がけましょう。

 

返済能力がきちんとあることを証明するのは、審査を通過することだけが目的ではなく、自社の経営状況や今後の見通しを正確に把握する意味でも重要です。融資を受けられたとしても、その後の経営が苦しくなりそうであれば、融資という手段そのものを考え直す必要も出てくるでしょう。資金を得ることによって自社の経営が改善し、事業の成長につなげられるかといった視点を持つことが何よりも重要なのです。

 

 

資金用途と融資希望額の妥当性

融資を受ける際には、融資希望額の妥当性と資金用途が実態に合ったものかも審査されます。また、資金用途が事業の成長につながるような前向きなものであるかも、重要な基準となるのです。筋道を立ててきちんと融資担当者に説明を行うためにも、事業計画書とともに資金繰り表や試算表を提出しましょう。設備投資を行うのであれば見積書を提出したうえで、「なぜ、この設備が必要なのか」を明確に説明する必要があります。融資希望額や資金用途が重要となるのは、経営能力の有無を判断されている面もあるからです。計画性を持って経営にあたっているかを見ることが、融資を行う側にとっても大事なポイントとなるでしょう。
 

運転資金の確保を目的として融資の申請を行うことはできるものの、単に赤字の補てん目的で申請を行っても審査を通過する可能性は低いと言えます。これまでの業績と照らし合わせたうえで、融資希望額や資金用途を充分に練っておきましょう。

 

 

信用情報についても意識を向けておく

融資の審査においては、個人信用情報機関の情報も参照される点に注意が必要です。クレジットカードや消費者金融のこれまでの利用状況や返済状況も、融資の判断材料として取り扱われるのです。個人利用や法人での利用を問わず、普段からカードの利用や返済について気を配っておくことが大切だと言えます。滞りなく返済を行っていれば信用度が増す一方で、返済状況が悪ければマイナスの評価につながってしまうでしょう。個人信用情報機関の情報はどの金融機関にも参照できるものであるため、隠そうとしても隠せるものではありません。また、経営者自身が確認することも可能なので、必要に応じてあらかじめ調べておくと良いでしょう。

 

 

銀行融資とノンバンク融資の違い

預金業務を行わず、貸付業務だけを行う金融機関のことをノンバンクと言います。ノンバンクにはさまざまなものがあり、主なものとしては消費者金融・信販会社・リース会社・不動産担保ローン・ビジネスローンなどがあげられるでしょう。金利や貸付条件はそれぞれ異なるので、利用する際には基本的な仕組みを理解しておく必要があります。一般的に、銀行は資金力があるため、長期的な借入やまとまった金額の資金調達に向いていると言われているのです。ただ、審査のハードルが高く、実際に融資が実行されるまで時間がかかる面もあります。その一方で、ノンバンクのビジネスローンなどは審査基準が銀行と比べて低く、融資までにかかる時間が短いといった特徴があるのです。一時的な資金繰りの改善に向いている仕組みだと言えます。

 

銀行融資とノンバンクからの融資のどちらが良いというものではなく、資金用途や資金が必要になるタイミングによって使い分けることが大切なのです。事業資金を調達する方法はさまざまなものがあるので、一つの方法だけにこだわってしまうのではなく、幅広い選択肢を検討してみることが重要です。

 

 

融資を受ける際に必要となる書類

銀行融資であれ、ノンバンクの融資であれ借入を行う際には多くの書類を提出する必要があります。主なものとしても11種類があげられるので、事前にしっかりと準備を整えておくことが肝心です。まず、本人確認書類・印鑑証明書・登記簿謄本・借入申込書・借入状況の一覧表や納税証明書などがあります。また、会社の経営状況を示す損益計算書・貸借対照表・事業計画書・試算表・資金繰り表といった書類も必要です。これらの書類は、どのような融資であっても必要になってきます。書類に不備があったり、漏れがあったりすると審査に時間がかかってしまうので注意しておきましょう。書類の内容をきちんと融資担当者に説明できるか不安なときには、外部の専門家にアドバイスをもらうことも大切です。

 

融資を申請する際に心がけておきたいのは、「複数の金融機関に融資を申し込む」「担保や保証人を用意しておく」「事業以外の収入があれば積極的に担当者に伝える」点です。金融機関によっては融資の審査に時間がかかってしまうところもあるので、同時並行で複数の金融機関に申請を行いましょう。また、無担保・無保証で融資に応じてもらえるところであっても、担保として設定できるものがあるなら積極的に活用していくほうが金利負担を下げることにつながります。そして、事業以外の収入があるなら融資担当者に伝えておくほうが、返済能力の高さをアピールできるでしょう。いずれにしても、必要な書類をしっかりと準備したうえで審査に臨むことが大切です。

 

 

ファクタリングと銀行融資の異なる点

融資以外の方法で資金調達を行うのであれば、ファクタリングを活用してみるのも一つの方法です。ファクタリングは銀行融資と異なり、借入による資金調達ではありません。会社が保有する売掛金などの売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、現金化する手法なのです。そもそも、融資ではないため保証人や担保の設定が必要ありません。借入でもないため、金利の負担や返済といったことも必要ないのです。また、調達した資金の用途に制限が設けられているわけでもないため、さまざまなシーンで活用することができます。

 

銀行融資であれば、経営状況の悪化などによって返済が苦しくなる場合もあるでしょう。仮に、返済が滞ると担保を売却されてしまう可能性など、経営に与える影響が大きい面もあります。その一方で、ファクタリングでは買戻しの請求が発生しない契約であれば、仮に売掛先が倒産して支払い不能の状態に陥ってしまったとしても、利用者側は返済をする義務を負う必要はありません。ファクタリングは急に事業資金が必要になったときに役立つだけでなく、経営上のリスクを減らすことにもつながるのです。

 

ファクタリングの審査においては、売掛債権の信用力がもっとも重視されます。上場企業や政府系機関に対する売掛債権であれば評価も高いため、スムーズな審査を行ってもらえるはずです。銀行融資の場合であれば、赤字決算や債務超過、税金を滞納している状態では融資を受けることが難しいでしょう。しかし、ファクタリングの場合であれば業績が悪化していたり、資金繰りが苦しかったりする状態でも資金調達を行える可能性があります。担保を入れたり、保証人を立てたりすることが難しい場合には、銀行融資ではなくファクタリングの活用を検討してみると良いでしょう。会社が置かれている状況にあわせて、最適な資金調達の手段をとることが大切です。

 

 

融資以外の方法も検討してみよう

融資を受ける際にはさまざまな書類の提出が必要になるため、準備に時間を取られてしまうこともあるでしょう。また、返済能力の有無や業績の見通しなど多くの面から審査が行われるのに合わせ、それらの一つ一つに根拠のあるデータを示していく必要があります。そうでありながら、融資の場合では申請を行ったからといって、必ずしも借入が行えるとは限りません。いざというときに備えて、融資以外の資金調達方法についてもしっかりと検討しておきましょう。特に、ファクタリングの利用であれば会社の負債を増やすことなく、資金調達が行えます。会社経営を安定化させるためにも、資金計画を綿密に立てておくことが大切なのです。