コラム
2019年05月10日

つなぎ融資をうまく活用して事業資金を確保しよう

資金の管理というのは、事業継続のためにはとても重要です。しかし、どれだけしっかり資金を確保していても、何らかのトラブルによって資金不足が起こる可能性は否定できません。「すぐにでも資金を用意したい」という場面で、頼りになるのが「つなぎ融資」です。つなぎ融資を活用することで、一時的な資金不足を解消し、経営状況を改善することができるでしょう。今回は、つなぎ融資として利用できる融資制度や金融機関と、つなぎ融資の代わりに利用できる資金調達の方法を紹介します。

 

事業資金とは?7つの調達方法!メリットとデメリットを知って円滑な企業運営を!


 

つなぎ融資を活用する3つのメリット

つなぎ融資とは、一時的な資金不足を解消するために短期的に受ける融資のことです。たとえきちんと利益が出ている会社であっても、「売掛金の振込が遅れる」「買掛金の支払い日が早まる」など、急な予定の変更によって資金繰りが苦しくなる場合があります。そうしたときの選択肢の一つが、短期間だけ資金を借り入れるつなぎ融資です。短期融資は長期的な融資と比較して、審査が通りやすいと言われています。返済原資や計画がハッキリしていれば、融資を断られる可能性は低いのです。

 

また、つなぎ融資をうまく利用することで事業の立て直しにつなげることも可能でしょう。資金的な余裕が生まれれば、事業の見直しなどの時間も作れるはずです。つなぎ融資は、あくまで一時的な資金調達ですから、そのままの経営状況を守るだけでは同じような苦境が訪れる可能性は充分にあります。発生した資金不足が、時期によって生まれるものなのか、あるいはもっと別の原因があるのかという点から探っていくと良いでしょう。そして、原因が判明したならば、余裕のあるうちに改善することが大切です。

 

さらに、つなぎ融資によって金融機関との関係が良好になる場合もあります。資金繰りが苦しい状況では、銀行などの金融機関に長期融資を申請しても、なかなか審査に通らないでしょう。しかし、つなぎ融資を有効に活用して資金繰りを改善できれば、審査を通過できる可能性は高まります。ただし、短期的な融資を受けて、見かけだけの資金を用意するだけでは銀行から信用を得ることはできません。重要なのは、つなぎ融資を利用して資金繰りや経営状況を改善することだからです。つなぎ融資を受ける場合、「どうやって資金繰りが改善されるか」をしっかりと計画しておかなければなりません。単純に現状が苦しいからと融資を受けてしまうと、それが余計に資金繰りを悪化させる危険性もあります。どれだけ急いでいたとしても、返済の見通しも含めて検討したうえで活用方法を探ることが大切です。

 

 

最短1週間~10日程度で融資の可能性もあるビジネスローン

ビジネスローンは、さまざまな金融機関が事業者向けに提供しているローン商品であり、「事業者ローン」などと呼ばれる場合もあります。銀行やノンバンク、事業者向けの金融機関などで利用可能です。なかでも、ノンバンクのビジネスローンは審査が通りやすいと言われています。1週間~10日程度で融資に対応している会社もあり、すぐにでも資金を用意しなければならない状況では頼りになるでしょう。ただし、ビジネスローンはあくまで短期かつ少額の融資しか受けられません。ノンバンクは銀行などと比較すると資金力に乏しいため、一つの会社に高額の融資を行うことはできないのです。

 

事業者向けのローンを提供している金融機関のなかには、「ローンカード型ビジネスローン」を利用できるところもあります。ローンカード型は、あらかじめローンカードを作っておくことで、いつでも限度額までの融資を受けられるようにしておく契約です。経営が安定しているタイミングでローンカードを作っておくと、資金繰りに困ったときにすぐ資金を調達することができます。資金不足になってから契約しようとしても、審査に通らない可能性があるため、あらかじめ契約を結んでおくと良いでしょう。会社の資金繰りは経営にとって生命線になりますから、トラブルが起こる前に備えておくことも大切です。

 

 

低金利で融資してもらえる日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が100%出資する公的な金融機関です。中小企業支援や創業支援を目的としており、そのための融資制度を用意しています。融資の内容にもよりますが、ノンバンクや銀行などと比べて、低利子での融資を受けられる場合が多いのです。また、資金力も大きいため、高額融資にも対応してくれます。起業前あるいは起業間もない人のための融資制度もあるため、新事業を計画している段階で融資を申請できる金融機関でもあります。ただし、政府が資金を提供しているため、審査が厳しいという点は注意が必要です。そのため審査期間が長く、申請する融資制度によっては、申請条件自体が厳しく制限されている場合があります。つなぎ融資の申請を検討するなら、どの融資制度なら利用可能なのかをしっかりと調べてから、時間的な余裕を持って申請しましょう。

 

 

手形割引には買戻し請求があるので注意しておく

短期的な資金繰りの悪化を改善する方法として、手形割引を利用することも可能でしょう。手形割引とは、ほかの会社が振り出した手形を金融機関に担保提供し融資を受けることを指します。本来、手形には「期日」と「額面」が記載されており、書かれた期日まで手形を保有していると額面の資金を支払ってもらえる仕組みです。しかし、支払期日よりも前に資金を調達したい場合には、期日前の手形を買い取ってもらえます。資金繰りに困っている状況で、他社が振り出した手形を保有しているなら、手形割引を利用して資金を調達することも手段のひとつです。

 

ただし、手形割引を利用した場合、振出先の会社が支払い不可能になると、買取を行った業者から「買戻し請求」を受けることになります。手形割引は手形の譲渡によって資金を調達する方法ですが、実質的には「手形を担保にした融資」になっている点は注意しておきましょう。

 

 

不動産を担保に融資を受ける方法もある

不動産担保融資を利用することで、資金調達を行うという方法もあります。担保となる不動産の審査が必要なため、即日融資は難しいでしょう。しかし、担保になる不動産に価値があれば、見合っただけの融資を受けられる可能性があります。資金繰りが悪化していたり経営状況が苦しかったりすると、銀行などで融資を受けようとしてもなかなか審査に通らないものです。不動産担保の融資は、会社の状況よりも担保となる不動産の価値が重要であるため、つなぎ融資が必要な場面でも借入を受けられるケースが少なくありません。ただし、不動産担保の融資では返済ができなくなると、不動産を売却して返済原資に充てる必要も出てきます。担保にする不動産を失うかもしれないという点を理解したうえで、利用を検討するようにしましょう。

 

 

買戻しの請求がないファクタリングの特徴

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで資金を調達する方法です。売掛債権を売却によって得る資金であるため、資金の使途に制限はありません。そのため、つなぎ融資と同じように、急な資金繰り悪化を改善するという目的で使用することが可能です。また、手形割引とは異なり、ファクタリングにおける債権譲渡では買戻しの請求が発生しない契約であれば、仮に譲渡した売掛債権が回収不可能になった場合でもあくまで債権の売却という形で契約を結ぶため、買戻す必要はなく心配はいりません。

 

こうした性質があるため、ファクタリング会社の審査では売掛先の信用力と取引内容がもっとも重視されます。債権の回収ができなくなると、ファクタリング会社が損害を受けることになるためです。逆に言えば、売掛先に信用力があるなら、利用者の経営状況や資金繰りが苦しくても資金調達ができる可能性があるわけです。ただし、「承諾のいらないファクタリング契約」の場合は少し事情が異なります。通常のファクタリング契約では、利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3社が合意をしたうえで売掛債権の譲渡が行われるのです。この場合、売掛先はファクタリング会社に直接売掛金を支払うことになります。

しかし、承諾のいらないファクタリング契約の場合は、利用者とファクタリング会社の合意だけで契約を結ぶのです。このケースでは、売掛先は売掛債権が譲渡された事実を知りません。そのため、まず利用者が売掛金の支払いを受けたうえで、ファクタリング会社に支払いを行うことになります。つなぎ融資の審査になかなか通らなかったり、審査を通る見込みが立たなかったりするなら、ファクタリングによって資金繰りを改善するという手段も考えてみましょう。

 

 

資金調達をスムーズに行っていこう

資金繰りがうまくいかないという状況は、経営を続けていくうえで大きな問題となります。どれだけ利益を出していても、資金がきちんと回らないせいで会社に危機が訪れるというケースは決して少なくないからです。しかし、突発的な出来事や一時的な経営環境の変化から、資金が足りなくなる可能性はあります。だからこそ、そうした状況を乗り越えられるように、資金調達の方法を理解しておくことが重要です。融資にだけこだわるのではなく、必要に応じてファクタリングの利用も検討してみましょう。