ファクタリングを利用した際の会計処理をどのようにすればいいか、頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、ノンリコースファクタリングとリコース(ウィズリコース)ファクタリングでその方法は異なってきます。
当記事では、その両方のファクタリングにおける会計処理について解説していきます。
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◆ノンリコースファクタリングの会計処理について
ノンリコースファクタリングは、ファクタリングのうちのほとんどを占めており、現在主流のものとなっています。
一般的には、売掛債権が生じた際には、借方には売掛金を、貸方には売上として計上します。
そして、売掛先から入金があった際には、借方には普通預金、貸方には売掛金として計上していくことが通常です。
ただ、ノンリコースファクタリングを用いた際には、科目自体が異なってきます。
売掛債権が生じた際には、貸方には売上として計上する点は通常時と異なるところはないのですが、借方へは売掛金として計上する必要があります。
そして、ファクタリングにより売掛債権を譲渡した際には、貸方は通常の手続の際と同様に売掛金ではあるものの、借方へは未収入金として計上していきます。
この未収入金が何を意味しているのかというと、一般的な取引を除いた取引によって生じた売掛金を除外した金銭債権を処理する旨の勘定科目のことを指します。
売掛金も未収入金のいずれも、これから金銭を受け取る可能性があることを示唆するものですが、会計処理する上では大雑把にいえば通常時に生じたものか、それ以外で生じたものかによって分類されるのです。
ファクタリングにより売掛債権の譲渡を行うことは一般的な取引とはいえないことから、実際にファクタリング業者から金銭を得るまでは、未収入金として計上する必要があります。
ファクタリング業者から入金があった際の勘定科目への記載方法は、借方へ普通預金としてその入金額を、その下方へ売掛債権譲渡損として手数料などを記載します。
貸方へは、未収入金として入金額と売掛債権譲渡損とを併せた金額を記載します。
この売掛債権譲渡損ですが、ファクタリングを用いた際に手数料などの損失額を表したものです。
売掛債権譲渡損のうち、売掛は売上・譲渡は売却とも表すことが可能ですが、いずれも同じ意味となっています。
会計ソフトにこれらの文言がなければ、雑所得として計上します。
◆リコースファクタリングの会計処理について
ファクタリングの大部分はノンリコースファクタリングに該当するものですが、償還請求権を有するリコースファクタリングも存在しています。
別名買戻特約とも呼ばれる償還請求権ですが、売掛先企業に倒産など何らかの問題が生じた際に、利用会社が代わりに負担しなければならないことになります。
このような特約が存在するために、リコースファクタリングはノンリコースファクタリングのような債権譲渡ではなく融資として扱われます。
会計上は、売掛債権担保融資と同様です。
融資の会計処理は、借方科目へ支払利息として、貸方へは普通預金として記載するのですが、リコースファクタリングでも同様に行うもので、通常の融資と異なるところはありません。
リコースファクタリングによって生じた手数料は支払利息として計上しましょう。
◆「割引料」はファクタリングにも適用可能
手形割引では「割引料」という勘定科目が用いられていますが、ファクタリングでも売掛債権譲渡損でなく、割引料として勘定科目へ適用することもできます。
単に、本来売掛債権譲渡損とするところを割引料と記載するだけですので、営業外費用として扱われるからには、さほど影響を及ぼすものではありません。
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