事業資金の調達に最適!日本政策金融公庫の融資制度

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経営者が資金調達を考える場合、まず銀行融資を思い浮かべる人が多いようです。しかし、資金を調達する方法は、銀行からの融資に限りません。むしろ、銀行融資は中小企業の経営者やこれから起業しようとする人にとっては、審査基準の高さが障害になる場合もあります。だからこそ、銀行以外の資金調達先についても知っておくことが重要だと言えるでしょう。日本政策金融公庫は、国が100%出資している金融機関であり、中小企業支援や創業支援にも積極的です。今回は、日本政策金融公庫による中小企業や個人事業主への融資制度について紹介します。

 

事業資金の調達方法とは?事業資金の融資方法について解説 | 事業資金・資金繰り対策の情報コラム | 事業資金・資金繰り対策の情報サイト|[公式] 事業資金の調達ならJTC
企業経営を行っていくためには人件費や仕入代金、家賃などさまざまな経費が必要になるものです。円滑に事業活動を進めていくには、十分な事業資金を確保しておくことが大切だと言えます。ただ、どこから資金調達を行うべきかで悩んでしまうことも多いでしょう

 

日本政策金融公庫の国民生活事業とは?

日本政策金融公庫が実施している「国民生活事業」とは、小規模事業者や創業企業への事業資金融資などを行うものです。小規模事業者への小口融資を積極的に行い、融資先は87万件にも及んでいます。1件あたりの平均融資残高が703万円であることからも、小口融資を主体とした融資事業を進めていると言えるでしょう。小規模事業者や個人企業が融資先の9割を占めるのは、銀行融資などを受けにくい事業者に向けた融資を積極的に行っているからです。また、経営環境の変化などにより、小規模事業者が資金繰りに影響を受けた場合には「セーフティネット貸付」による支援も行っています。

 

さらに、創業企業への融資も年間2万8000件を超えるなど、起業を目指す人への支援にも力を入れているのでしょう。銀行からの融資を受けるのが難しい中小企業や創業企業にとって、日本政策金融公庫は頼れる資金調達先になっているのです。

 

 

日本政策金融公庫の中小企業事業とは?

日本政策金融公庫による「中小企業事業」では、融資や信用保険などの機能を通じて、中小企業・小規模事業者の成長や発展を金融面から支援しています。融資業務においては、中小企業向けに長期固定金利による事業資金の安定供給を目指しているのです。融資による事業資金の供給は、民間金融機関でも行われていますが、それだけでは支えきれない部分を補完することを目的として掲げています。具体的には、中小企業に対する貸付や発行された社債の取得などを行うことで、資金繰りの改善が図れるようにしているのです。

 

 

日本政策金融公庫の農林水産事業とは?

日本政策金融公庫では「農林水産事業」によって、国内の農林水産業や食品産業の関連企業への融資を行っています。国内農林水産業の体質改善や安全で良質な食料の安定供給に貢献することが目的です。農林水産業には「天候などの影響を受けやすく収入が不安定」「投資回収に長期間が必要になる」といった特性があるため、長期の資金供給を前提とした融資を実施しています。また、食品産業を支援することで、国産農林水産物の安定供給と付加価値の向上につなげることを目指しているのです。単純に融資するというだけではなく、農林水産業や食品産業関連企業の経営をサポートするため、アドバイザーによる相談窓口を設けたりビジネスマッチングの支援をしたりしています。販路や取引の拡大に向けた支援にも積極的であり、金融面以外のサポート体制も充実しているという点が特徴です。

 

 

国民生活事業の融資制度

国民生活事業は、個人企業や小規模事業者向けの小口融資を主に取り扱っています。融資額の平均はおよそ700万円です。また、短期の運転資金を目的とした融資についても対応しています。国民生活事業による貸付はいくつかの種類に分かれています。もっとも利用者が多い「普通融資」は、事業を営む人ならほとんどが利用可能であり、融資限度額は4800万円(特定設備資金なら7200万円)です。融資期間は資金の使途で異なり、設備資金であれば融資期間は10年以内(うち据置期間は2年以内)となり、特定設備資金なら融資期間は20年以内(うち据置期間は2年以内)となります。運転資金として融資を受ける場合には、融資期間は7年以内(うち据置期間は1年以内)です。

 

「セーフティネット貸付」の場合、「経営環境変化対応資金」として融資を受ける場合は融資限度額4800万円です。設備資金なら融資期間15年以内(うち据置期間は3年以内)、運転資金なら融資期間8年以内(うち据置期間は8年以内)となります。このほかにも、さまざまな条件や要件ごとに融資制度があり、たとえば「企業再生貸付」「企業活力強化貸付」などがあるのです。

 

 

中小企業事業の融資制度

中小企業事業は、中小企業向けの長期事業資金の融資を行っています。短期の運転資金は取り扱っていません。中小企業向けの長期事業資金の融資については、利用できる対象者が限定されている点に注意が必要です。対象者は、業種および企業規模によって制限されています。具体的には、「製造業・建設業・運輸業など」では資本金3億円以下または従業員300人以下の企業が対象です。「卸売業」では資本金1億円以下または従業員100人以下、「小売業」では資本金5000万円以下または従業員50人以下となっています。「サービス業(一部対象とならない業種あり)」では資本金5000万円以下または従業員100人以下の企業が対象です。

 

「新企業育成貸付」の新事業育成資金としての融資は、新規性や成長性のある事業を始めておおむね7年以内の経営者が利用できます。融資限度額は6億円であり、融資期間は設備資金なら20年以内(うち据置期間は5年以内)、運転資金なら7年以内(うち据置期間は2年以内)となっているのです。

 

 

農林水産事業の融資制度

農林水産事業は、農林漁業や国産農林水産物を取り扱う加工流通分野の事業者に対して、長期事業資金を融資する制度です。融資の対象になる事業者は、融資制度ごとに異なります。たとえば、「農業競争力強化支援資金」は、飲食料品の卸売事業者や小売事業者および製造事業者、配合飼料製造業者が利用できる融資制度です。「施設や機械の取得」「特許権の取得」「株式または持ち分の取得・出資」に関する資金を負担分の80%を上限として融資します。融資期間は10年超20年以内(うち据置期間は3年以内)です。このほかにも、認定農業者が利用できる「スーパーL資金」や認定新規就農者が対象の「青年等就農資金」などさまざまな融資制度が用意されています。

 

 

創業予定の人が融資を調達するときの手続き

これから創業しようとしている人が日本政策金融公庫から融資を受ける場合、まずは融資制度や申請手続きなどについて「事業資金相談ダイヤル」に相談してみると良いでしょう。支店窓口を直接訪れるなら、創業計画書を持参すると、より具体的な相談にも対応してくれます。融資の申請には、「借入申込書」を提出するだけではなく必要書類を添付しなければなりません。添付する書類は「創業計画書」「履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)」であり、設備資金の申請なら「設備資金の見積書」が必要です。担保を希望する場合は「不動産の登記簿謄本または登記事項証明書」も提出します。また、生活衛生関係の事業を営む場合は、都道府県知事の「推薦書」または生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」のどちらかを添付する必要があります。

 

 

個人小企業が融資を調達するときの手続き

個人小企業が融資を受ける場合も、まず「事業資金相談ダイヤル」あるいは支店窓口まで相談しましょう。また、商工会議所や商工会などでも相談することができます。融資申請の際は、直近2期分の決算書(個人営業の場合は申告決算書)や創業計画書を借入申込書と一緒に提出します。設備資金が必要な場合は見積書の添付も必要です。

 

 

中小企業が融資を調達するときの手続き

融資の申請を検討しているなら、日本政策金融公庫の窓口や電話で相談するか、最寄りの商工会議所が開催している定例相談に足を運んでみましょう。会社案内や決算書、事業計画書などの資料を持参すると、より具体的な内容で話を聞くことができます。融資の申請をする際には、複数の資料を提出する必要があります。主なものとしては、「会社案内・製品カタログなどの参考資料」「法人の登記事項証明書」「直近3期分の決算書・税務申告書」などです。「納税証明書」「直近の試算表(決算月から時間が経っている場合)」「担保の内容がわかる資料(登記事項証明書など)」といった書類も用意しておきましょう。設備投資を希望する場合には概要がわかる見積書の提出も求められます。書類に不備があると審査が長引いてしまうため、必要な書類をあらかじめ把握したうえで準備を整えておくことが大切です。

 

 

事業資金の調達には日本政策金融公庫を有効に活用しよう!

中小企業を経営していたり、これから創業を計画していたりする人にとって、事業資金を調達するというのは重要です。企業が健全に事業を継続するためには、事業資金を管理することは欠かせません。それでも、資金繰りに困ってしまうことはあります。いざというときには、日本政策金融公庫の融資制度が頼りになるケースも少なくないでしょう。金利が低く、返済期間も長い融資は中小企業や創業企業にとって、たくさんのメリットがあるからです。日本政策金融公庫の融資制度を有効的に活用することで、企業の成長や安定的な経営につなげていきましょう。

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