コラム
2019年03月04日

事業資金の調達方法と意識しておきたい注意点

事業資金の3つの種類と用途の違い

事業資金は新たに事業を展開するときや経営を続けていくために必要な資金のことを指します。人件費や仕入代金、設備投資の費用などさまざまな用途で使われるものです。経営を安定的に行い、ビジネスの成長につなげていくためには一定の事業資金を常に確保しておく必要があるでしょう。事業資金は大きく分けて、開業資金・設備資金・運転資金の3つがあり、それぞれ資金の用途が異なっています。事業資金の名目を細かく分類するのは融資を受ける際にきちんと説明できるようにするためであり、財務状況を的確に判断するためでもあるのです。

 

「開業資金」は名前の通り、開業するために必要な資金であり、業種によってはある程度まとまった資金が必要になります。何も実績がない状態で資金を集めなければならないため、資金集めに苦労してしまうケースもめずらしくありません。開業資金として必要なもののうち、どれくらい自己資金でまかなえるかは融資を受ける際も重要なポイントとなります。「設備資金」は事業を行うための設備を整えるために使われる資金のことを指すものです。事務所を構えたり、パソコンなどを購入したりする費用が該当します。製造業などでは大がかりな初期投資も必要になってくるので、事前にしっかりと計画を立てておく必要があるでしょう。

 

そして、「運転資金」は経営を続けていくための資金のことを指します。毎月の人件費や仕入代金、家賃や水道光熱費などです。会社が軌道に乗るまでに必要となる資金も、運転資金に含まれるのが一般的です。売上が向上していても運転資金が足りなくなってしまうと黒字倒産の可能性も出てくるため、常に気を配っておく必要があります。

 

事業資金の調達方法はさまざまなものがある

借入による資金調達手段としては、日本政策金融公庫などの政府系金融機関をはじめとして、民間の銀行やビジネスローンなどがあります。担保を設定したり保証人を立てたりしなければならないものから、無担保・無保証で借入が行えるものなどたくさんの手段があるのです。借入の場合、審査を通過すればまとまった資金を一度に調達できる反面で、審査にあたっては過去の業績や返済能力が細かくチェックされるでしょう。融資を申請したからといって、必ずしも融資が受けられるわけではないため注意も必要です。

 

国や地方公共団体が行っている助成金や補助金の制度を活用するのも1つの方法だと言えます。いずれも返済が不要なものであるため、財務的な負担を抱えることなく資金調達が行えるというメリットがあるのです。ただ、助成金や補助金を受けるためには一定の要件をクリアする必要があり、応募期間も限られているケースもあります。ほかには、ベンチャーキャピタルから出資を受けることで資金を調達する手段もあるでしょう。返済の必要がない資金を調達できるだけでなく、経営上のアドバイスや異業種とのマッチングなどにも協力してもらえる可能性があるのです。しかし、出資の割合に応じて一定数の株式を譲渡しなければならないので、経営が不安定になってしまう点には注意が必要だと言えます。

 

また、ファクタリングならば会社の負債を増やすことなく、手元の事業資金を調達できるので、短期的な資金繰りの改善に役立てられるでしょう。経営状況や資金繰りなどを考慮したうえで、柔軟な姿勢で資金調達を行っていくことが大切でもあります。

 

資金調達を行うために必要な書類

資金調達を行うために必要となる書類は調達先によって異なるので、あらかじめどのような書類が必要になるのかをきちんと確認しておく必要があるでしょう。基本的にすべての書類がそろってから審査が行われるため、書類に不備があると資金を調達するまでに時間を要してしまいます。銀行融資では一般的に、3期分の決算書や事業計画書、資金繰り表などが必要です。商業登記簿謄本や本人確認書類も必要となるので、早めに取得できる書類からそろえて準備を整えていきましょう。

 

書類を提出するうえで大事なのは、決算書や事業計画書に記載されている数字や業績の見通しなどについて、経営者自身がしっかりと説明できる点です。希望的な観測ではなく、確かな根拠にもとづいた内容を盛り込むようにしましょう。審査にあたって担当者とのやりとりに不安を感じてしまう場合は、税理士や経理担当者を同席させることも可能です。いずれにしても、会社の財務状況や事業の見通しについて正しい認識を持っておくことが資金調達を成功させる鍵となります。

 

インターネットを活用した資金調達

事業資金を集める方法の1つに、インターネットを活用するという手段もあります。具体的には、クラウドファンディングと呼ばれるものであり、インターネットを通じて不特定の人たちから資金を集める方法です。クラウドファンディングは大きく分けて、購入型・投資型・寄付型の3つがあり、自社の事業内容に合わせて最適なものを選んでみましょう。ただ、多くの資金を集めるためにはビジネスそのものが魅力的である必要があります。募集をかける前の準備を入念に行うことが大切なので、事業計画書を練りこんでいくことが重要です。必要に応じて、税理士や経営コンサルタントなどの専門家からアドバイスを受けて、魅力的なビジネスプランを立ててみましょう。

 

審査において重視されるポイント

会社にとって必要な事業資金を着実に確保するためには、審査において重視されるポイントを把握しておくことが大切です。銀行融資など一般的な借入において重視される点は、会社の経営状況や将来性、今後の返済能力だと言えます。決算書や事業計画書など提出した書類をもとに総合的に審査が行われるので、書類の内容については入念にチェックしておく必要があるでしょう。会社の業績が好調であり、今後の事業にも期待が寄せられる内容であれば、融資をしても貸し倒れてしまうリスクは少ないと判断されます。優良な会社に対しては金融機関も積極的に融資を行いたいものなので、自社の魅力をしっかりとアピールしていくことが重要です。

 

また、審査にあたっては経営者の人柄そのものも審査対象となります。特に、実績が浅い会社であれば、経営者の人物像で融資の可否が判断されることも少なくありません。担当者と面談をする際には、誠実さをアピールして信頼を勝ち取っていきましょう。面談のときの服装は基本的にスーツが良く、清潔感のある印象を出すことも大切です。

 

経営状態が悪くても活用できるファクタリング

融資や出資以外での資金調達を考えるのであれば、売掛債権を活用したファクタリングが良いでしょう。ファクタリングは会社が保有している売掛金などの売掛債権を専門業者が買い取ってくれる仕組みです。売掛債権を譲渡することによって、早期に資金調達が行えるメリットがあります。融資の場合とは異なり、借入ではないため会社の負債が増えることもありません。また、融資よりも審査がスピーディーであり、最短即日で売掛債権を現金化できる可能性もあります。ファクタリング会社に支払う手数料は、買取金額から差し引かれる形となるので、あらかじめ現金を用意しておく必要もないのです。

 

ファクタリングの審査では会社の経営状況よりも、売掛先の信用力や売掛債権の内容がもっとも重視されます。そのため、赤字決算や債務超過に陥っていたとしても審査に応じてもらえる可能性があるのです。税金や社会保険料を滞納していても、税務署や社会保険事務所に対して必要な手続きを行っていれば、基本的に問題になることはありません。そして、ファクタリングでは買戻し請求権がない契約もあるため、仮に売掛先が倒産してしまったとしても返済の義務を負うことはないのです。資金調達を行うだけでなく、将来的な経営リスクも軽減できるので、利用者にとってメリットが大きいと言えるでしょう。

 

あらゆる資金調達方法を検討しておこう

事業資金が不足してしまう要因はさまざまなものがあるので、すぐに資金調達が必要でなかったとしても、あらかじめ調達方法を検討しておく必要があります。突発的な要因で急速に資金繰りが悪化してしまう場合も想定して、可能な限り経営リスクを軽減していくようにしましょう。必要となる金額や負担できる金利の水準などは、会社の事業計画や資金繰り表などと照らし合わせて慎重に判断していくことが大切です。返済に不安が残る場合には、会社にとって負債とならないファクタリングの利用も、選択肢として意識しておきましょう。

 

 

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