コラム
2019年05月08日

事業資金を緊急で調達したいときの対処方法

経営を続けていくなかでは、さまざまな経営課題に直面することもあります。取引先の倒産や売上の低迷などによって、緊急で事業資金が必要な場面も出てくるでしょう。目先の資金繰りを改善していく一方で、悪化してしまった要因を探ることも大切です。また、資金の調達先によってメリットとデメリットが異なるため、それぞれの違いについても押さえておく必要があるでしょう。事業資金を緊急で調達したいときに、どのような手段があるのかを解説していきます。

 

 

資金繰りが悪化してしまう要因

経営において資金繰りが悪化する主な要因としては、「赤字経営」「過剰投資・投資失敗」「回収期間と支払期間のバランス悪化」「借入返済額の増加」などがあげられます。赤字経営に陥るのにはまず、過剰な在庫を抱えてしまうケースがあるでしょう。在庫を処理し切れない状態が続けば入金サイクルが長くなり、結果的に資金繰りが悪化してしまうのです。また、過剰投資や投資失敗の特徴としては、本業以外でビルの経営に乗り出したり、需要を確かめないまま過剰な設備投資を行ったりして失敗するケースがあげられます。本業がいくら好調であっても、その利益を上回るほどの損失を出してしまえば、資金繰りに影響が出る場合もあるでしょう。

 

回収期間と支払期間のバランスが悪化してしまうのは、入金のサイクルが長くなり、支払いのサイクルが短くなるためです。資金の回収よりも、経費の支払いを早めに行わなければならない場合は、やがて事業資金に不足が生じるでしょう。そして、借入返済額の増加とは、売上や利益の規模と比べて、過剰な借入金を行っている場合です。生み出す利益よりも月々の返済額が大きければ、資金繰りに行き詰ってしまう恐れもあります。何らかの方法で資金調達を行って、当面の資金繰りが改善できたとしても、経営そのものに問題がある場合には早めに対処する必要があるでしょう。事業資金を借りる際に、今後の事業の見通しについても把握しておくことが大切です。

 

 

手形割引を利用するメリットとデメリット

手形を保有している場合には、手形割引によってすぐに資金調達を行うことが可能です。そもそも手形とは、所定の支払期日に手形額面の支払いを相手方と約束する有価証券のことを指します。そして、手形割引は銀行などの金融機関に受取手形を担保に融資を受けることで、支払期日を待たずに資金調達が行える仕組みのことです。ポイントとしては利用者ではなく、手形の振出先の信用力によって判断が下される点だと言えます。ただ、所定の手形割引料が発生するので、手形割引を行うことによってどの程度の現金が手元に残るのかを試算しておきましょう。

 

また、手形割引では買戻しの請求があるため、手形の振出先の信用力に注意しておく必要があります。万が一、振出先が倒産などの理由によって支払不能の状態に陥ってしまった場合には、利用者は手形を買い戻す義務を負うのです。そのため、事業資金を調達した後も返済リスクを抱えてしまうというデメリットがあります。

 

 

無担保無保証で融資が受けられるビジネスローン

ビジネスローンは、無担保・無保証で融資が受けられるため、銀行融資を断られてしまった場合でも利用ができます。概ね1週間~10日で融資が受けられるので、急に資金繰りが悪化してしまったときに、有効な資金調達方法となるでしょう。銀行のビジネスローンのほかにも、ノンバンクのビジネスローンもあるので、複数の会社を比較したうえで利用を考えてみましょう。会社によってはカードを発行してくれるところもあるので、ATMで借入や返済を行うことができます。あらかじめカードを作っておけば、すぐに事業資金が必要になったときにも、スムーズに対応できるでしょう。

 

ただし、「一度にまとまった金額の資金調達が行えない」「返済期間が短い」といったデメリットもあります。また、経営状況や財務内容が悪いと、審査を通過しない可能性もあるので注意が必要です。
 

 

不動産担保融資の基本的な仕組み

不動産担保融資とは土地や建物、ビルや工場などの不動産を担保として融資を受ける方法のことを指します。担保となる不動産の査定が必要になるため、即日融資は難しい面があるでしょう。審査には2~3営業日はかかってしまうため、その間の資金繰りに問題がないかを確かめておくことが重要です。不動産の価値にもよるものの、不動産担保融資では一度にまとまった金額の融資を受けることも可能です。

 

しかし、そもそも担保となる不動産がなければ利用ができませんし、返済が滞れば不動産を失ってしまうリスクもあるので注意しておきましょう。不動産は会社にとって大切な資産であり、失ってしまうと事業の継続が困難になってしまう場合もあります。資金調達を急ぐ際であっても、慎重に判断していくことが大切です。

 

 

法人保険を解約は慎重に行おう

事業資金の不足を補うために、法人保険を解約して資金調達を行う方法もあります。契約内容にもよるものの、法人保険を解約することによって解約返戻金が受け取れる場合もあるのです。借入を行わずに事業資金を調達できるため、会社の負債が増えないというメリットがあります。つまり、解約返戻金は借入ではないため、金利の負担や返済の必要がないのです。加えて、審査も行われないのが一般的であるので、スピーディに資金調達が行えるでしょう。

 

その一方でデメリットには、加入していた保険の保障が受けられなくなる点があげられます。何らかの目的で保険に加入しているのであれば、解約後の事業計画や資金計画に支障が出ないかを確かめておきましょう。解約返戻金の額は保険料の支払期間によるため、加入期間が短ければ必要な資金額を調達できないこともあります。また、多額の解約返戻金が入ってくる場合には、税金の負担にも気をつけておきましょう。解約返戻金は事業収入の利益と合算して計算されるため、解約のタイミングによっては多額の税負担が発生する可能性もあります。事業資金を調達した後に、資金繰りが悪化してしまわないためにも、事前によく検討しておくことが大切です。

 

 

審査に不安があるときはファクタリングを活用してみる

融資の審査に不安がある場合には、ファクタリングを活用するのも一つの方法です。ファクタリングとは、会社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、資金調達を行う方法のことを指します。売掛金などの資産を売却するだけなので、審査にもそれほど時間がかかりません。また、審査でもっとも重視される点は売掛先の信用力であるため、利用者の経営状況や財務内容はあまり問題にならないのです。そのため、赤字決算や債務超過、税金の滞納などの状態に陥っていたとしても、審査に応じてもらえる可能性があります。

 

通常のファクタリング契約では、利用者とファクタリング会社とに売掛先も交えて進められます。売掛先の承諾が必要となるため、即日での現金化は難しいと考えておいたほうが良いでしょう。また、売掛先にファクタリングを行う事実が知られてしまうため、場合によっては信用力の低下につながってしまう可能性もあります。これらの点が気になるときには、承諾のいらないファクタリング契約もあるので、状況に応じて利用を検討してみましょう。利用者とファクタリング会社の間での契約となるので、売掛先に知られてしまうことはありません。売掛債権の信用力が高ければ審査もスムーズに行われるので、即日での現金化にも対応してもらえることもあります。

 

また、ファクタリングでは買戻しの請求が発生しない契約であれば、事業資金を調達した後に返済を迫られてしまうこともありません。手形割引の場合であれば、手形の振出先が倒産して支払不能に陥ると、手形の買戻しを求められます。買戻しの請求が発生しないファクタリング契約であれば、そのようなリスクがないため、安心して利用できるサービスでもあるのです。そして、ファクタリングにより調達した資金で税金、社会保険の未納分を納付したり、ノンバンクからの借入を完済することで資産のスリム化が図れるため、財務内容も健全化するでしょう。金融機関に対する信用力も高まるので、融資などを受けやすい環境が整う点もメリットだと言えます。

 

 

緊急で資金が必要なときでも落ち着いて対処しよう

早急に資金繰りを改善する必要がある場合には、すぐに資金調達が行えそうなところから当たっていくことが大切です。しかし、資金調達を急ぎすぎるあまり、不利な条件で契約を結んで財務的な負担が大きくなる場合もあります。融資の場合であれば、資金調達が済んだ後には毎月返済していく義務を負う点を忘れないようにしましょう。資金計画や事業計画などと照らし合わせたうえで、無理のない返済計画を立てていく必要があります。返済や審査に不安があるときには、ファクタリングを利用してみるのも一つの方法です。事業資金を調達する方法は複数あるので、きちんと比較することを心がけてみましょう。