事業を展開するなかで売上が増加して売掛金が増えても、実際に代金を回収できるまでは安心できない面もあります。特に建設業では1件あたりの工事代金も大きく、工事代金が支払われるまでのサイクルが長いといった事情もあり、工事が完了するまでの間、人件費や資材調達費をまかなわなければならないので、事業資金は不足してしまいがちです。だからといって、銀行融資を受けるにしても審査に時間がかかってしまう場合が多いため、今回は建設業が抱える事業資金の問題をファクタリングで解決する方法について解説します。
ファクタリングについては詳しく後述しますが、企業が保有している売掛金などの売掛債権を現金化するサービスのことであり、負債を増やすことなく資金を調達できる点がメリットです。もし急ぎでかつ連帯保証人を立てずに事業資金の調達を行いた場合は、「ファクタリング」の実績が豊富なJTCに相談してみると良いでしょう。
ファクタリングについての詳細はこちら
http://j-t-c.info/news/archives/813
◆中小建設業の資金調達に潜む問題
建設業は一般的に複数の業者が協力して、工事を進めていく仕組みとなっています。元請企業が中小の建設業者に仕事を割り振る形で進められるため、自ずと力関係が生まれてくることも多いでしょう。元請企業の力が強いほど、中小の建設業者は資金繰りに悩まされてしまうこともめずらしくありません。たとえば、工事代金の値引きを要求されたり、現金ではなく手形での支払いを頼まれたりもします。手形は現金よりも支払いまでの期間が長くなる傾向にあるので、資本力の弱い中小企業にとっては苦しい対応も迫られるでしょう。
また、工事代金が支払われるまでの期間が長くなりがちであり、下請企業ほど支払いを待たされてしまう傾向にあります。代金の支払いは工事が完了してから行われるのが一般的であるため、その間の人件費や資材調達費は自己資金でまかなう必要もあるでしょう。そして、元請企業が倒産などによって支払い不能に陥ってしまうと、連鎖倒産を引き起こしてしまう恐れもあります。安定的な経営を行っていくには、あらかじめ資金調達方法を確保しておく必要があるのです。
◆事業資金は計画性が大事
建設業は売掛金が支払われるまでの期間が長くなってしまいがちな業種であるため、キャッシュフローには常に意識を向けておく必要があります。工事を受注してから1年後までの期間を見通したうえで、事業資金の計画を立てておく事が重要で、建設作業は天候などにも左右されてしまうものなので、ある程度余裕を持って資金繰りを考えておくことも大切です。
また、1件あたりの工事代金が大きくなりがちであるので、万が一の事態に備えて資金調達先の候補をできる限りあげておくと良いでしょう。
業績が悪化してからでは資金を調達できる先は限られてくる面もあるので、余裕のある時期に対策を練っておくことが大切です。
無駄な経費を削減したり、入出金のサイクルを見直したりすることも中長期的には大切であるものの、短期的には思うように成果を出しにくい面もあります。まずは、事業資金に問題がない状態を作ったうえで、健全な経営が行える仕組みを作っていきましょう。
◆事業資金に困ったら助成金・補助金に頼る
事業資金を確保する方法としては、助成金や補助金をうまく活用するのも一つの手段です。国や地方自治体が設けている制度にはさまざまなものがあり、返済義務がない点が特徴だといえるでしょう。助成金については建設業に当てはまるものとして、雇用関係の助成金があります。申請に必要な要件を満たしていれば、原則としてどの会社でも受けられる仕組みです。ただ、申請のためには多くの書類を準備しなければならないので、必要に応じて社会保険労務士などの専門家に相談してみましょう。また、実際に助成金が振り込まれるまでには時間がかかるため、その間の資金繰りに問題がないかも確認しておく必要があります。
補助金は基本的に、設備投資などに使う費用を補うためのものです。所定の書類を用意したうえで審査を受ける必要があり、応募者が多くて予算がなくなってしまうと募集が終わってしまう点にも注意しておくことが大切です。審査に通らなければ支給されないものであり、補助金の種類によっては募集期間が短いといったデメリットもあります。助成金や補助金の制度は比較的経営が落ち着いているときに申請して、短期的な資金繰りの改善のためには別の資金調達方法も検討しておきましょう。
◆融資の申込先は日本政策金融公庫を優先
事業資金の調達を考えるときには、日本政策金融公庫からの融資を優先するのが良いでしょう。日本政策金融公庫は中小企業の支援に積極的であり、銀行に比べて審査が通りやすいといった特徴があり、金利も低めに設定されており、利用実績を増やしていけば、ある程度まとまった資金の借入も可能です。事業計画書の作成など、経営に関するアドバイスも受けられる点も中小企業にとってメリットだといえます。一般的な貸付制度だけでなく、利用目的に併せて多彩な融資制度で中小企業をバックアップしてくれるのも特徴です。
「セーフティネット貸付制度」では、経営環境や市場環境の変化、取引先の倒産などに備えた融資が受けられます。融資限度額も数千万円程度であり、運転資金は8年以内・設備資金は15年以内の返済期間が設けられています。また、「企業活力強化貸付制度」では店舗の増改築やIT化、海外進出などに取り組む企業に対して融資を行ってくれます。融資限度額は7200万円までとなっており、返済期間は運転資金で7年以内・設備資金で20年以内です。資金の用途が明確な場合には、各種融資制度を利用してみるのも一つの方法でしょう。ただ、融資が実際に実行されるまでの期間が長いので、制度を活用していくためには計画的な利用が必要となります。
◆ファクタリングなら資金調達が早い
ファクタリングのメリットを最大限に活かすことができます。
建設業では1件あたりの工事代金も高額になりがちであるため、元請企業が支払い不能に陥ってしまえば連鎖倒産をしてしまう可能性もあります。ファクタリングを利用すれば、業者に売掛債権を譲渡した段階で、そうしたリスクも解消できるのです。ファクタリングの契約によっては買戻し請求権が発生しない契約のもあるので、その場合には債権を譲渡した後に売掛先が倒産したとしても、利用者に返済の義務はありません。つまり、ファクタリングは早期に資金繰りを改善させるだけでなく、経営の安定化にもつなげていける資金調達方法なのです。
通常のファクタリング契約では売掛先の承諾が必要となるため、利用をためらってしまうこともあるでしょう。「売掛債権に手を付けなければならないほど、資金繰りが苦しいのか?」といった疑念を抱かれてしまうと、事業活動にも支障が出てしまうからです。ただ、承諾のいらないファクタリング契約もあるので心配はいりません。この場合では、契約は利用者とファクタリング会社との間で行われるため、売掛先にファクタリングの事実を知られてしまうこともありません。事業資金について悩みを抱えてしまったときには、信頼のおけるファクタリング会社に問い合わせてみると良いでしょう。
建設業に関わるファクタリングの事例も掲載しているため、是非御覧ください。
◆ファクタリングを活用してさらなる事業拡大を!
建設業では元請企業との関係が会社の資金繰りにも影響を与えるため、意識的にキャッシュフローを考えておく必要があり、各種助成金や補助金の活用や、日本政策金融公庫からの融資を検討してみるのも、資金調達方法としては有効です。しかし、補助金の申請や融資の審査にはある程度の時間が必要になるので、短期的に資金繰りを改善する方法もしっかりと考えておきましょう。早期に資金調達を行いたい場合は、ファクタリングサービスを利用すると良いでしょう。売掛債権を活用した資金調達方法であるため、会社の負債が増えることもありません。また、売掛先が支払い不能に陥ってしまったときのリスクも取り除けるので、中小企業にとって心強いサービスなのです。事業資金の不足に悩んでしまうときには、融資を申し込む前にJTCに相談をしてみましょう。