ファクタリングという資金調達方法には複数の種類が存在し、企業の経営課題によって最適な選択肢が異なります。特に、リバースファクタリングと一般的なファクタリングは名称が似ていながら、実は全く異なるサービスです。
この記事では、両者の違いを詳しく解説し、あなたの企業に最適なサービスを選択するための判断基準をお伝えします。
監修者プロフィール
税理士法人浅野会計事務所は、愛知県清須市にあり、創業40年以上、経営・金融・税務・会計・労務のスペシャリストとして各種サポートを行っています。代表の浅野芳郎をはじめ、税理士4名、行政書士1名、社会保険労務士1名ほかファイナンシャルプランナー、宅建資格の資格保持者などもおり、長く経営するためのサポート体制を整えています。
リバースファクタリングとは
リバースファクタリングとは、発注企業(商品やサービスを購入する側)が主導して、外注先企業(商品やサービスを売る側)への買掛金をファクタリング会社に一時的に立て替えてもらうサービスです。発注企業が買掛金の支払期日を先延ばしにすることで、資金繰りを改善することを目的としています。
リバースファクタリングの最大の特徴は、買掛金(支払う義務)を対象とする点です。これにより、通常のファクタリングとは利用者の立場が「逆向き」になるため、「リバース」という名称がついているのです。
具体例で理解するリバースファクタリング
具体的なシーンで考えてみましょう。製造業のA社は月商1000万円ですが、売掛金の回収に60日かかります。一方、部品仕入先のB社への支払いは30日以内の場合300万円の資金ショートが発生しています。このような場合、A社がリバースファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社がB社への支払いを一時的に肩代わりしてくれるため、A社は資金繰りを改善できるわけです。
この仕組みにより、入金サイト(売掛金の受け取り期間)が支払いサイト(買掛金の支払い期間)より長い企業の資金繰り課題を解決することができるのです。
リバースファクタリングと一般的なファクタリングとの違い
リバースファクタリングと一般的なファクタリング(買取型ファクタリング)は、同じ「ファクタリング」という名称がついていても、実は大きく異なるサービスです。以下の表で、5つの重要な違いを整理します。
| 比較項目 | 一般的なファクタリング | リバースファクタリング |
| 利用者 | 売掛金を持つ企業(受け取り側) | 買掛金を持つ発注企業(支払い側) |
| 対象債権 | 売掛金(商品・サービスを売った側の受け取り権) | 買掛金(商品・サービスを買った側の支払い義務) |
| 利用目的 | 売掛金の早期現金化 | 支払期日の先延ばし |
| 関係者の構成 | 2者間または3者間を選択可 | 必ず3社(発注企業・受注企業・ファクタリング会社) |
| 審査対象 | 売掛先企業(お金を支払う側) | 利用企業(お金を支払う側) |
違い①:利用者が異なる
一般的なファクタリングは、商品やサービスを売った側(外注先企業)が利用者です。
売掛金を持っている企業が、その売掛金をファクタリング会社に売却して現金を得るという仕組みになっています。
一方、リバースファクタリングは、商品やサービスを買った側(発注企業)が利用者です。発注企業が支払い期日を先延ばししたいという要望に基づいて、サービスが提供されるのです。この点が、最も根本的な違いといえます。
違い②:対象とする債権が異なる
一般的なファクタリングの対象は売掛金です。売掛金とは、商品やサービスを売却した企業が、買い手企業から後で受け取る予定のお金を指します。例えば、A社がB社に商品を売却し、30日後に代金を受け取ることになっている場合、A社はA社の売掛金として計上されます。
リバースファクタリングの対象は買掛金です。買掛金とは、商品やサービスを購入した企業が、売り手企業に後で支払う予定のお金を指します。上記の例で言えば、B社はB社の買掛金として計上されます。
つまり、同じ取引でも、見る視点を変えると売掛金にも買掛金にもなるのです。リバースファクタリングは、この買掛金に焦点を当てたサービスなのです。
違い③:利用目的が異なる
一般的なファクタリングの目的は、売掛金を早期に現金化することです。通常、売掛金は支払期日に初めて現金になります。しかし、一般的なファクタリングを利用すれば、支払期日前に現金を手にすることができます。これにより、企業の資金繰りを改善し、急な支払いや新規投資に対応することができるのです。
リバースファクタリングの目的は、買掛金の支払期日を先延ばしすることです。
通常、買掛金は支払期日に現金で支払う必要があります。しかし、リバースファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社が一時的に支払いを肩代わりしてくれるため、企業は支払い期日を長くすることができます。これにより、資金繰りの改善と、手元資金の確保が実現できるのです。
違い④:手数料の相場が異なる
一般的なファクタリングの手数料相場は、2者間で8~18%、3者間で1~9%程です。
2者間ファクタリングでは高めの手数料がかかる傾向があります。
リバースファクタリングの手数料相場は、5~10%程度です。
これは一般的なファクタリング(特に2者間)よりも低い傾向があります。
発注企業の信用力が審査対象となるため、相対的に手数料が抑えられるのです。
違い⑤:必要な関係者の数が異なる
一般的なファクタリングは、2者間ファクタリング(利用企業とファクタリング会社の2者)と、3者間ファクタリング(利用企業、売掛先企業、ファクタリング会社の3者)のいずれかを選択できます。企業の事情に応じて、柔軟に対応することが可能です。
一方、リバースファクタリングは、必ず3社が関与する形になります。発注企業、受注企業、ファクタリング会社の3者が契約に基づいて取引を進める必要があります。受注企業の同意が不可欠であり、選択の余地がない点が特徴です。
【発注企業側】リバースファクタリングを利用するメリット
リバースファクタリングの利用を検討する発注企業にとって、具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのかを、詳しく解説します。
資金繰りの改善が期待できる
リバースファクタリングを利用する最大のメリットは、買掛金の支払期日を先延ばしできることです。通常、商品やサービスを仕入れたときから支払い期日までの期間を「支払いサイト」といいますが、リバースファクタリングを利用することでこの支払いサイトを伸ばせます。
例えば、支払いサイトが30日から60日に延びれば、その30日間分の資金が手元に残ります。月商1000万円の企業であれば、約300万円の資金が新たに利用可能になるわけです。この手元資金を、運転資金や他の支払いに充てることで、企業全体の資金繰りが大幅に改善されるのです。
特に、入金サイト(売掛金の受け取り日数)よりも支払いサイト(買掛金の支払い日数)が短い企業では、黒字倒産のリスクが高まります。リバースファクタリングはこのような資金の時間的なズレを調整し、経営を安定させるために極めて有効なツールなのです。
支払いサイトを伸ばせる
リバースファクタリングを利用すると、発注企業の都合だけで支払いサイトを伸ばすことができるという点も重要です。従来であれば、支払いサイトを伸ばすには受注企業との難しい交渉が必要でしたし、関係悪化のリスクもありました。
しかし、リバースファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社が受注企業への支払いを代行するため、受注企業との交渉を避けながら支払期日を調整できます。この柔軟性により、企業は経営資源をより効率的に配分することができるようになります。
緊急の支払いが生じた場合や、季節変動による資金不足に対応する際に、リバースファクタリングは非常に有用なツールとなるのです。
優秀な外注先を確保できる
リバースファクタリングは、発注企業が優秀な外注先企業と取引しやすくなるメリットも備えています。外注先企業の視点から考えると、支払いサイトが短い発注企業との取引は非常に魅力的です。なぜなら、より早く売掛金を回収できるため、自社の資金繰りが改善されるからです。
リバースファクタリングを利用していることを知れば、外注先企業は「この発注企業は資金面で信頼でき、確実に支払いを行う企業だ」と判断します。その結果、優先的に仕事を受注する可能性が高まり、発注企業は品質の高いサービスや製品を提供できる優秀な企業との取引を実現することができるのです。
これにより、企業全体の競争力が向上し、長期的な事業成長につながるのです。
【発注企業側】リバースファクタリングを利用するデメリット
自社の信用力が確認される
リバースファクタリングと一般的なファクタリングの大きな違いの一つが、審査対象です。一般的なファクタリングでは売掛先企業(お金を支払う側)が審査対象となるのに対し、リバースファクタリングでは発注企業(サービスの利用者)が審査対象となります。
これは、リバースファクタリングでは発注企業がファクタリング会社に立て替えてもらった買掛金を、後日支払う必要があるからです。そのため、ファクタリング会社は発注企業の支払い能力を厳格に審査します。経営状況が悪い、赤字が続いている、税金を滞納しているなどの理由で信用力が低いと判断されると、利用を承認してもらえない可能性があります。
この審査の厳しさは、銀行の融資に近いレベルといえます。発注企業は事前に自社の財務状況を整理し、審査に備える必要があるのです。
電子記録債権の導入が求められる
リバースファクタリングを利用するには、発注企業と受注企業の両方が電子記録債権(でんさい)導入を推奨するファクタリング会社が多くあります。電子記録債権とは、手形や振込に代わる新たな電子決済手段で、株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が取り扱っています。
でんさいの導入には審査を通過する必要があり、その過程で企業の経営状況が確認されます。また、でんさいのシステム利用方法を習得する必要があるため、人的リソースも消費します。さらに、でんさいの普及率はまだ低く、中小企業の多くが導入していないのが現状です。
そのため、リバースファクタリングを利用したくても、受注企業がでんさいに対応していないために利用できないというケースが多く発生しているのです。これは、実務上の大きな障壁となっています。
対応しているファクタリング会社が限られている
リバースファクタリングは、通常のファクタリングに比べてサービス提供企業が極めて少ないというデメリットがあります。一般的なファクタリング会社は数十社以上存在するのに対し、リバースファクタリングに対応している企業は、2026年3月現在でも数社に過ぎません。
具体的には、Tranzax株式会社、Kyriba、MSFJ(みずほファクター)などが対応していますが、選択肢が限定的です。この限定された選択肢の中から、自社のニーズに最も合う企業を選ぶことは困難です。手数料や対応金額、サービス内容など、企業によって条件が大きく異なるため、比較検討の余地が限られています。
【発注企業側】リバースファクタリングを利用するメリット
リバースファクタリングの利用には、受注企業(外注先企業)の同意が不可欠です。
受注企業にとってのメリットとデメリットを理解することで、より円滑な取引が実現できます。
売掛金の貸し倒れリスクを回避できる
受注企業にとって最大のメリットは、売掛金の貸し倒れリスクを大幅に軽減できることです。通常の取引では、受注企業が発注企業に納めた商品やサービスの代金を支払期日に受け取ります。しかし、その期間に発注企業の経営が悪化したり倒産したりした場合、売掛金を回収できないリスクがあります。
リバースファクタリングを利用すると、ファクタリング会社が発注企業に代わって支払いを行うため、受注企業はファクタリング会社から確実に代金を受け取ることができます。
つまり、発注企業の経営状況に関わらず、貸し倒れのリスクを大幅に低減できるわけです。
特に、取引先の経営状況に不安がある中小企業や下請け企業にとって、この安心感は極めて大きいのです。
売掛金を早期に現金化できる
リバースファクタリングを利用すれば、受注企業は売掛金を支払期日よりも早く現金化することができます。通常であれば、請求書を発行してから30日後、60日後といった支払期日を待つ必要があります。しかし、リバースファクタリング利用時は、その期間を短縮できるのです。
早期に現金化できることで、受注企業の資金繰りが大きく改善されます。特に中小企業や下請け企業では、仕入資金の調達や給与支払いなど、日々の運転資金の確保が経営課題となることが多いため、この早期現金化のメリットは極めて重要です。
さらに、2社間ファクタリングのように手数料が10~18%かかるサービスと比べると、リバースファクタリングの手数料(5~10%程度)は相対的に低いため、資金調達コストの削減にもつながるのです。
【発注企業側】リバースファクタリングを利用するデメリット
手数料がかかる
リバースファクタリングを利用する際、受注企業は手数料を負担することになります。
ファクタリング会社から支払われる際に、買掛金から手数料が差し引かれるため、本来の売掛金額よりも少ない金額を受け取ることになります。
手数料の具体例: 買掛金が100万円、手数料率が10%の場合、受注企業が実際に受け取る金額は90万円となります。
※手数料の負担については発注者側が負担する契約形態もあります。
手数料の相場は買掛金の1~10%程度とされており、金額が大きい場合は相当な経済的負担になる可能性があります。手数料の具体的な金額は、信用力、買掛金の額面、支払いサイトの長さなどの要因によって決まり、支払いサイトが長いほど手数料は高くなる傾向にあります。
受注企業側から見ると、このコスト負担は利用をためらわせる要因になる可能性があるので、確認する事をおすすめします。
電子記録債権が必要になる
受注企業も、リバースファクタリング利用のために電子記録債権(でんさい)の導入が必須となるファクタリングが多いです。でんさいを初めて導入する企業にとっては、システムの仕組みや利用方法の習得に時間がかかります。また、でんさいを導入するには金融機関での審査に通過する必要があり、審査落ちのリスクもあります。
さらに、でんさいはまだ普及率が低く、導入に関する情報が限定的であるため、導入や運用に関する問い合わせや相談先を見つけるのが難しいという課題があります。小規模な企業では、システム導入に関する技術的な負担が大きいと感じられることも多いでしょう。
リバースファクタリングを利用する際の流れ
リバースファクタリングの利用プロセスを理解することで、スムーズな導入が可能になります。以下では、5つのステップで説明します。
ステップ①:受注企業が発注業者に請求書を発行する
リバースファクタリングの利用は、受注企業が発注企業に請求書を発行することから始まります。掛け取引に基づいて、商品やサービスの代金が記載された請求書が交付されます。この請求書が、その後のリバースファクタリング契約の基礎となる重要な書類です。
ファクタリング会社によっては、掛け取引だけでなく現金取引にも対応しているケースもありますが、審査は厳しくなる傾向にあります。
ステップ②:発注業者がリバースファクタリングに申し込み、審査を受ける
請求書を受け取った発注企業は、リバースファクタリングの利用を希望する場合、ファクタリング会社に申し込みを行います。ただし、申し込み前に受注企業の承諾を得ることが重要です。受注企業がリバースファクタリングに同意しない場合は、利用できないため、事前の確認が必須となります。
申し込み後、発注企業に対する審査が行われます。この審査では、発注企業の信用力、経営状況、支払い能力などが詳細に確認されます。審査は一般的なファクタリングよりも厳しく、銀行の融資審査に近いレベルとされています。通常、1~3営業日で審査結果が出ます。
ステップ③:発注会社とファクタリング会社のあいだで契約を締結する
審査に通過した後、発注企業とファクタリング会社で契約を締結します。契約内容では、立て替えてもらう買掛金の金額、立て替え期日、手数料の率、返済期日など、重要な条件が定められます。
手数料は交渉の余地がある場合もあるため、複数社の見積もりを取得し、比較検討することをお勧めします。契約が締結されると、ファクタリング会社による具体的な支払い業務が開始されます。
ステップ④:ファクタリング会社が受注会社に買掛金を支払う
契約で定められた立て替え期日に、ファクタリング会社が受注企業に対して買掛金の支払いを実施します。この際、買掛金から手数料が差し引かれた金額が受注企業の銀行口座に振り込まれます。
例えば、買掛金500万円、手数料率2%の場合、受注企業が受け取る金額は490万円となります。発注企業側での対応はこの時点では発生しません。(契約形態によっては発注企業が手数料を負担する場合もあり)
支払いに関する業務はすべてファクタリング会社が担当するため、発注企業の事務作業は最小限に抑えられます。
ステップ⑤:支払期日に発注企業がファクタリング会社に入金する
最後に、契約で定められた返済期日に、発注企業がファクタリング会社に立て替えてもらった買掛金を返済します。これで、リバースファクタリングの一連の取引が完了します。
返済期日を守ることは契約上の義務であり、遅延した場合は遅延金が発生する可能性があるため、資金管理を厳密に行う必要があります。
リバースファクタリングの利用が向いている事業者の特徴
どのような企業がリバースファクタリングの利用に向いているのかを理解することで、自社にとって最適な資金繰り改善方法を判断できます。
入金サイトよりも支払いサイトが短い
リバースファクタリングの利用に最も適した企業は、入金サイト(売掛金の受け取り日数)よりも支払いサイト(買掛金の支払い日数)が短い企業です。このような企業では、商品やサービスを仕入れてから支払うまでの期間よりも、商品やサービスを販売してから代金を回収するまでの期間が長くなっています。
結果として、運転資金が足りなくなり、経営が悪化する可能性が高まります。黒字にもかかわらず倒産する「黒字倒産」のリスクが高いこのような企業にとって、リバースファクタリングは非常に有用な資金繰り改善ツールとなります。支払いサイトを先延ばしすることで、資金の時間的なズレを調整し、経営を安定させることができるのです。
買掛金の額が大きい
買掛金の金額が大きい企業も、リバースファクタリングの活用を検討すべき企業です。
特定の時期に大量の在庫を仕入れたり、大型プロジェクトのための設備や部品を購入したりする企業では、支払う買掛金の額が非常に大きくなります。
買掛金が大きいほど、その支払いに必要な資金の不足は経営に与える影響も大きくなります。リバースファクタリングを利用することで、この大きな買掛金の支払い期日を調整でき、企業の資金繰りを大幅に改善できるのです。
下請法の対象企業と取引をしている
下請法の対象企業との取引を行っている企業も、リバースファクタリングの利用を検討する価値があります。下請法では、親事業者が下請事業者に代金を支払う際は、商品やサービスの納品後から60日以内の短い期間で支払期日を設定する必要があると定められています。
万が一、資金繰りの悪化などの理由で60日以内の支払いが難しい場合でも、リバースファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社がその支払いを先に行ってくれるため、支払い期日が極端に遅くなることなく支払い期日を調整できます。下請法遵守は企業の社会的責任であり、リバースファクタリングはこの責任を果たしながら資金繰りを改善できる有効な手段です。
集中的に支払いが増加する
特定の時期に支払いが集中する企業も、リバースファクタリングの活用に適しています。
例えば、年末年始の需要増加に備えて在庫を集中的に購入する企業や、季節変動がある業種では、特定の時期の支払いが大幅に増加します。
このような時期には、資金繰りが大きく悪化するリスクがあります。
リバースファクタリングを利用すれば、支払いの一部を先延ばしにして、資金繰りの負担を分散することができるのです。一時的な資金不足を乗り越えることで、事業拡大のチャンスを逃さず、長期的な成長を実現できます。
リバースファクタリングと一般的なファクタリングはどちらを選べばよいか?
発注企業が売掛金と買掛金の両方を抱えている場合、どちらの資金繰り改善方法を選ぶべきか判断することが重要です。リバースファクタリングと一般的なファクタリング(買取型ファクタリング)は、それぞれ異なる課題に対する解決策です。
リバースファクタリングは、買掛金の支払い期日を先延ばしすることで、発注企業の資金繰りを改善します。 一方、一般的なファクタリングは、売掛金を早期に現金化することで、外注先企業の資金繰りを改善します。
売掛金に余裕があり、むしろ支払いに苦労している場合はリバースファクタリング、逆に売掛金の回収に苦労している場合は一般的なファクタリングの利用を検討するとよいでしょう。また、両方の課題を抱えている場合は、優先順位を決めた上で、最も急迫した課題から対応することをお勧めします。
さらに、一般的なファクタリングには2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの選択肢がありますが、リバースファクタリングには選択肢がなく、常に3者が関与する形になる点も異なります。
2者間ファクタリングは売掛先企業に知られずに利用でき、最短即日での現金化が可能ですが、手数料が高い傾向にあります。これに対し、3者間ファクタリングは売掛先企業の承諾が必要で、現金化に時間がかかりますが、手数料が低い傾向にあります。
リバースファクタリングは必ず3者間形式となるため、受注企業の同意が不可欠です。
この制約を理解した上で、サービス利用を検討する必要があります。
まとめ:リバースファクタリングと一般的なファクタリングの違いを理解して最適な選択を
リバースファクタリングと一般的なファクタリングは、名称は似ていますが、利用者、対象債権、利用目的、手数料、関係者の構成という5つの重要な点で大きく異なります。
最も根本的な違いは、一般的なファクタリングは「売る側」が利用するサービスであり、リバースファクタリングは「買う側」が利用するサービスという点です。
発注企業にとっては、リバースファクタリングは買掛金の支払期日を先延ばしでき、資金繰りの改善と経営安定化をもたらすメリットがあります。一方で、自社の信用力が審査対象となることや、電子記録債権の導入が必要となること、対応企業が限定的であることといったデメリットも存在します。
受注企業にとっても、貸し倒れリスクの回避と売掛金の早期現金化というメリットがある一方で、手数料負担と電子記録債権導入という課題があります。
リバースファクタリングの利用を検討する際は、これらのメリットとデメリットを総合的に判断し、自社と取引先双方にとって最適な選択肢であるかを慎重に検討することが重要です。特に、入金サイトより支払いサイトが短い企業や、下請法対象企業との取引を行う企業にとって、リバースファクタリングは有力な資金繰り改善手段となり得るのです。
