コラム
2018年10月31日

中小企業が利用できる5つの事業資金調達方法

事業を安定させたり、新たな設備投資を行ったりするときには、資金繰りをしっかりとチェックしておく必要があります。中小企業において経営を安定化させるためには、できるだけ多くの資金調達方法を検討することが大切だといえるでしょう。銀行融資によって資金調達をするのもひとつの方法ではあるものの、ベンチャーキャピタルからの投資やクラウドファンディング、ファクタリングなどの方法も有効な手段です。ここでは、事業資金のさまざまな調達方法とそれぞれの特徴について詳しく解説します。

 

事業資金とは?7つの調達方法!メリットとデメリットを知って円滑な企業運営を!

 

1.公的融資による資金調達は金利が安くておすすめ!

銀行からの融資を受けようとする場合であっても、初めて借り入れを行うときには政府系金融機関の利用を検討してみましょう。公的融資による借り入れは金利が低いため、中小企業にとっては大きなメリットです。政府系金融機関としては日本政策金融公庫や商工組合中央金庫、地方自治体による事業資金の制度融資があげられます。また、信用保証協会を通じた保証融資も中小企業が活用するべき、資金調達方法だといえるでしょう。公的融資を利用するメリットは、民間の金融機関よりも審査のハードルが低く、第三者を保証人として立てる必要がない点です。金利も低めに設定されているので、長期で事業資金を借り入れることに向いています。公的融資では創業時の会社にも積極的に融資を行っているため、一定の要件を満たせば融資を受けられる可能性は高くなるでしょう。
地方自治体からの融資は、都道府県によるものと市区町村によるものに区分されています。各自治体によって、さまざまな融資制度が設けられており、貸し付け条件や申請条件も異なっているのが特徴です。事業を展開する地域の自治体が公表している情報をホームページなどで細かくチェックしてみましょう。自治体のなかには、金利の一部を負担してくれる場合もあるのでメリットもあります。信用保証協会の保証融資とは、信用力の低い中小企業に肩代わりして返済を保証してくれる仕組みであり、銀行融資のハードルを下げてくれるものです。利用者は一定の保証料を信用保証協会に支払うことになるものの、銀行融資をスムーズに進めるためには必要な手段だといえるでしょう。

 

 

2.銀行や金融業者からの融資による資金調達

銀行融資といっても、最初から大手都市銀行の融資を考えるのは得策ではありません。借り入れ実績がない状態で資金の調達を行おうとしても、断られてしまう可能性のほうが高いでしょう。そのため、都市銀行よりも、地域金融機関である信用金庫や信用組合のほうが、融資を受けやすい環境が整っています。また、地域に根差した経営を行っているところも多いため、経営のアドバイスを受けることも可能です。地方自治体と連携して、中小企業のサポートを行っているところも多いので、まずは気軽に相談をしてみましょう。
もし、信用金庫や信用組合の融資審査に通らなかった場合には、消費者金融のビジネスローンを利用することも可能です。ビジネスローンとは、法人向けの無担保ローンのことを指しており、資金繰りを改善するためのひとつの方法だといえます。ただ、銀行融資に比べ金利が高いのが特徴なので、「利用する際にはきちんと返済が行えるのか」についてしっかい見極めることが必要です。銀行の審査と比較すればハードルは下がるものの、赤字決算や税金未納などの状態では審査に通る可能性は低くなってしまいます。

 

 

3.ベンチャーキャピタルから投資を受ける!

ベンチャーキャピタルとは、将来的に株式上場を考えるベンチャー企業向けに、株式を引き受けることで投資をする集団のことを指しています。特徴としては必要な資金を返済不要の形で集められる点です。また、ベンチャーキャピタルから投資を受けることによって、「成長性のある会社」として評価が高まり、金融機関などからの融資も受けやすい環境が整うでしょう。
デメリットとしては、契約によって資金の用途が限定されてしまう点と一定数の株式を持たれることで自由な経営を行いにくくなる点があげられます。単に資金調達を行うといった意味合いだけではなく、将来的な経営のあり方も含めて慎重に検討していく必要があるでしょう。

 

 

4.クラウドファンディングによる資金調達

クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の個人や団体から事業資金を集める方法です。種類としては大きく分けて、「購入型」「寄付型」「融資型」「投資型」の4つがあります。実施しようとするプロジェクトを理解してもらうことによって資金調達できる可能性はあるものの、必ずしも必要な資金が集まるとは限りません。しかし、これまでは実現が難しかったプロジェクトの実施ができる点はメリットだといえるでしょう。
購入型のクラウドファンディングでは、特定のプロジェクトに対して支援者が出資をする仕組みであり、商品やサービスをお返しとして提供することになります。寄付型のものでは支援者は資金を寄付するものの、代わりに商品やサービスを受け取ることは原則としてありません。被災地の復興支援など、社会的な意義が強いプロジェクトに見られるものです。融資型のものは、資産運用を行いたい投資家から小口の資金を集めて、ひとまとめにして融資を受ける方法となります。ソーシャルレンディングとも呼ばれ、出資者は金銭的なリターンを得るのが目的です。そして、投資型のものは会社側が未公開株を提供する代わりに資金を集める仕組みとなっています。
クラウドファンディングを行うためには、運営元のWebサイトに登録を行い、プロジェクトの情報を入力して審査を受けることになります。審査が通過をすればWeb上に掲載されるので、支援者を募ることが可能です。運営元によって条件やテーマなどが異なるので、複数のクラウドファンディングプラットフォームを比較したうえで、自社に合ったものを選んでいく必要があるでしょう。

 

 

5.ファクタリングで売掛債権を事業資金にする方法

ファクタリングは、会社が保有する売掛金などの売掛債権を譲渡することによって、早期に現金化する方法です。最大の特徴は、急な資金繰りの悪化に対して迅速に対応できるという点があげられます。また、ファクタリングは資産の売却であって借り入れではないため、負債が増えてしまうこともありません。むしろ、資産をスリム化することによって自己資本比率が高まり、金融機関や取引先からの対外的な評価も高まるはずです。ほかの資金調達方法にも良い影響を与えてくれるというメリットがあります。
通常のファクタリング契約では、自社とファクタリング会社、取引先との間で契約が結ばれます。取引先からの承諾を得る必要があるため、取引関係が長い会社の売掛債権を手放すときに有効です。ファクタリング会社としても、売掛債権の信用力をチェックしやすいといった特徴があります。取引先の承諾がいらないファクタリング契約では、自社とファクタリング会社との間で進められます。取引先から入金があった時点で、ファクタリング会社に譲渡した売掛債権の金額を入金する仕組みです。一般的に、入金された資金を別の用途に使ってしまうことを防ぐために債権譲渡登記を設定したり、承諾を得るファクタリング契約と比べ手数料を高めに設定したりする傾向が見られます。
ファクタリングは銀行融資などと異なり、赤字決算や債務超過に陥っている場合であっても対応してもらえます。税金の未納などが生じているときであっても、税務署などの関係機関と話し合いが済んでいる場合には、審査に影響が出るわけではありません。そして、買戻し請求がない為売掛債権を譲渡した後の回収リスクを負担することもなくなるのです。
銀行融資や手形割引の場合は、取引先が倒産してしまって債権の回収ができなくなってしまうと、返済の義務が発生してしまいます。それらの点を含めて、ファクタリングのメリットを意識しておくことが大切なのです。売り上げが上がっていても、仕入などの支払いサイクルが短ければ、黒字倒産に陥ってしまうリスクもあります。そうした経営リスクを軽減させるためにも、急激な資金繰りの悪化に備えてファクタリングを検討してみると良いでしょう。

 

 

事業資金の調達方法は融資だけとは限らない!

事業資金の調達を考えるときには銀行融資ばかりを考えてしまいがちですが、ほかにもさまざまな手段があることを押さえておきましょう。融資という面だけ見ても、政府系金融機関や地方自治体の制度融資、ビジネスローンなどがあります。借り入れではなく出資の形をとるなら、ベンチャーキャピタルからの支援を受けたり、Webを通じてクラウドファンディングを行ってみたりするのも良いでしょう。
そして、多くの売掛債権を保有していて早期に資金繰りを改善する必要がある場合には、ファクタリングを活用してみることもおすすめです。取引先の倒産や売り上げの減少などの事態が起こってしまうと、経営に与える影響は大きなものがあります。いざというときの備えとして、ひとつでも多くの資金調達方法を考えておきましょう。