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ファクタリングで将来債権を譲渡しても問題ない?利用の流れや成功のポイントを解説

ファクタリング
ファクタリング

ファクタリングは、企業が売掛債権を早期に現金化する資金調達手法として、多くの経営者に活用されています。その中でも「将来発生する債権もファクタリングの対象になるのか」「譲渡しても法的に問題がないのか」という疑問を持つ経営者は非常に多いです。

結論から申し上げると、将来債権ファクタリングは2020年の民法改正により完全に合法化されており、適切に活用すれば企業の資金繰りを大幅に改善できる有効な資金調達手法です。

本記事では、将来債権とは何か、一般的なファクタリングとの違い、法的根拠、具体的なメリット・デメリット、利用フロー、そして成功のポイントについて詳しく解説します。

これを読むことで、将来債権ファクタリングについての正確な理解が得られ、自社の資金調達戦略を適切に立案できるようになります。

監修者プロフィール

税理士法人 浅野会計事務所
税理士法人浅野会計事務所は、愛知県清須市にあり、創業40年以上、経営・金融・税務・会計・労務のスペシャリストとして各種サポートを行っています。代表の浅野芳郎をはじめ、税理士4名、行政書士1名、社会保険労務士1名ほかファイナンシャルプランナー、宅建資格の資格保持者などもおり、長く経営するためのサポート体制を整えています。

将来債権とは

将来債権についてのご理解を深めるため、まずは基本的な定義から説明いたします。

将来債権とは、現在はまだ発生していないものの、今後確実に発生すると見込まれる債権のことです。例えば、既存の取引先と「毎月100万円の商品を6か月間供給する契約」を締結している場合、2か月目以降の売掛金はすべて将来債権に該当します。契約により支払い義務が確定しているため、その発生前であっても債権として認識されるのです。

このような将来債権の特性を理解することは、ファクタリングの活用を考える上で非常に重要です。なぜなら、確定債権と将来債権では、ファクタリング会社の審査基準や手数料率が大きく異なるからです。以下では、将来債権と他の種類の債権との違いについて詳しく説明していきます。

将来債権以外の債権

企業が保有する債権にはさまざまな種類があり、将来債権はそのうちの一種です。

他の主要な債権の種類を正確に理解することで、自社の資金調達戦略をより効果的に立案できます。以下では、将来債権以外の主要な債権について、その特徴と定義をご説明します。

確定債権

確定債権は、ファクタリングの中で最も一般的に取り扱われる債権の種類です。

確定債権とは、既に商品またはサービスが納品済みであり、請求書が発行され、支払期日が確定している債権のことを指します。具体的には、先月に納品した商品の代金で、来月末の入金予定となっているものが該当します。

確定債権の特徴としては、次の点が挙げられます。実際の取引実績に基づいており、請求書という物理的な証拠が存在すること、支払い義務が既に確定していることから、ファクタリング会社のリスク判断が比較的容易であることです。そのため、ファクタリング手数料

は1,2~10%程度と比較的低めに設定されることが多いです。また、ほぼすべてのファクタリング会社が確定債権を取り扱っており、市場で最も流動性の高い債権となっています。

仕掛債権

仕掛債権とは、商品またはサービスが一部納品されている状態の債権です。例えば、大規模なシステム開発案件を複数回に分けて納品する場合、既に納品した部分については仕掛債権となります。システム全体の納期が3か月後であっても、既に納品された部分に対する支払い請求は可能なのです。

仕掛債権の特徴は、将来の納品予定があることから、完全には確定していないという点にあります。しかし既に一部が納品されているため、将来債権よりはリスクが低いと判断されます。そのため、多くのファクタリング会社では仕掛債権の買取に対応しており、手数料率は確定債権と将来債権の中間程度となるのが一般的です。

給与債権

給与債権とは、従業員に対して企業が支払う義務を負う給与・賃金に関する債権のことです。一般的には、従業員が業務を行った月の給与が、翌月に支払われるという形式が採られています。このため、現在の段階では給与は未払いですが、支払い義務は確定しているため債権として成立するのです。

給与債権の特徴としては、支払い義務が非常に確実であること、支払期日が法律で定められていることが挙げられます。こうした確実性と法的保護性の高さから、給与債権はファクタリングの対象として適切であると考えられます。

しかし、給与債権のファクタリングには労働基準法による厳格な規制があります。

労働基準法第24条は「給与の直接払いの原則」を定めており、雇用主は労働者に対して直接給与を支払う義務を負っています。このため、労働者が給与債権を第三者に直接譲渡し、その第三者が雇用主に対して支払いを求める方式は法的に認められません。

これが、給与ファクタリング(労働者が直接業者と契約する方式)が違法とされる理由です。

一方、給与前払いサービスという合法的な仕組みが存在します。これは、雇用主がサービス会社と契約を締結し、サービス会社が従業員の給与債権に基づいて資金を立て替え、後日雇用主から回収するという方式です。このモデルでは、雇用主が従業員に直接給与を支払うという労働基準法の原則が守られるため、合法的に給与債権のファクタリング的機能を実現することができます。CRIA、即給byGMO、Airワーク給与支払などの給与前払いサービスは、この仕組みに基づいて運営されており、多くの企業に導入されています。

給与債権は法的保護が強く、支払い確実性が高いため、ファクタリング対象としての価値は高いのです。ただし、その取り扱いには労働基準法の厳格なルールを遵守する必要があり、適切な仕組みの構築が重要となります。

不良債権

不良債権とは、支払期日を大幅に超過している債権、または支払われない可能性が高い債権のことです。例えば、支払期日から3か月以上経過しても入金がない場合、または売掛先企業が経営危機に陥っているような場合が該当します。不良債権は、企業の帳簿では「貸倒引当金」として処理されることになります。

不良債権の特徴は、回収可能性が極めて低いという点にあります。そのため、ほぼすべてのファクタリング会社は不良債権の買取を断ります。不良債権を回収する必要がある場合は、ファクタリングではなく、債権回収専門のサービサーや弁護士に相談するのが適切です。

将来債権ファクタリングの基本情報

将来債権ファクタリングについて、より深く理解していただくために、その特徴と一般的なファクタリングとの違いについて詳しく説明いたします。

将来債権ファクタリングの特徴

将来債権ファクタリングは、2020年の民法改正により合法化された比較的新しいファクタリング手法です。その特徴をご理解いただくことで、自社にとって適切な資金調達手段であるかを判断することができます。

未発生の債権を現在時点で現金化できることが最大の特徴です。

例えば、既存の顧客との間で「今後6か月間、毎月500万円の商品を納品する」という契約が締結されている場合、この6か月分の売掛金(合計3,000万円)を、現在の段階で現金化することが可能なのです。銀行融資であれば1か月の審査期間を要しますが、将来債権ファクタリングであれば最短2営業日での入金が可能となります。

また、将来債権ファクタリングは、ファクタリング会社が「売掛先企業の信用力」を中心に審査することが特徴です。つまり、自社が赤字決算や税金滞納中であっても、売掛先企業の信用が良好であれば利用が可能なのです。これは銀行融資では通常ありえない柔軟性であり、資金調達の選択肢が限定されている企業にとって大変有効です。

さらに、将来債権ファクタリングは、複数月分の債権を一括で現金化できることも重要な特徴です。確定債権ファクタリングであれば、その月ごとに売掛金が発生するため、分割での現金化となりますが、将来債権ファクタリングであれば、複数月分をまとめて一度に大口資金として調達することが可能なのです。

将来債権ファクタリングと一般的なファクタリングの違い

将来債権ファクタリングと一般的なファクタリング(確定債権ファクタリング)の違いを理解することは、正しい資金調達戦略を立案する上で必須です。以下の表に主要な違いをまとめましたので、ご参照ください。

比較項目 将来債権ファクタリング 確定債権ファクタリング(一般的なファクタリング)
債権の発生状況 未発生(将来発生予定) 既に発生済み(請求書が存在)
契約の根拠 売掛先との継続取引契約 実際の納品実績と請求書
審査期間 通常2~10営業日 最短翌営業日(即日対応も可)
手数料率 通常10~20% 通常1.2~10%
査定可能な期間 契約期間内で複数月分が可能 1か月分の売掛金が基本
審査基準 売掛先の信用力重視 売掛先の信用力と取引実績
対応可能な会社 限定的(専門会社のみ) ほぼすべてのファクタリング会社
利用できる企業 継続的な取引先がある企業向け すべての企業向け

この表から明らかなように、将来債権ファクタリングと確定債権ファクタリングは、同じファクタリングという仕組みでありながら、大きく異なる特性を持っています。将来債権ファクタリングは、確定債権よりも高いリスクを引き受けるため、手数料は高めになります。

しかし同時に、未来の売上を先行して現金化できるという大きなメリットがあるのです。

ファクタリングで資金調達できる仕組みをわかりやすく解説では、ファクタリング全般の基本的な仕組みが詳しく説明されており、将来債権と確定債権との違いについても、より実践的な理解を深めることができます。

将来債権ファクタリングは違法ではないのか

「将来債権をファクタリングで譲渡しても法的に問題ないのか」という疑問は、多くの経営者が持つ当然の質問です。この点について、法的根拠に基づいて明確に説明いたします。

第466条の6(将来債権の譲渡性)

第1項: 「債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。」

第2項: 「債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。」

法的意義

この条文により、従来は判例によってのみ認められていた将来債権の譲渡が、明文法として正式に規定されました。つまり、現時点ではまだ発生していない債権であっても、その譲渡契約を締結することが法律上有効であり、実際に債権が発生した時点で、譲受人がその債権を自動的に取得することが保障されるということです。

この改正により、ファクタリング会社による将来債権の買い取りは、完全な法的根拠を備えた合法的な取引として成立しました。企業が将来発生する見込みの売掛金(注文書段階の債権など)をファクタリング会社に譲渡し、早期に資金化することが可能になったのです

この民法改正前は、将来債権の法的地位があいまいであり、ファクタリングの利用に躊躇する企業も多くありました。しかし、改正により「将来の売掛金であっても、現在の段階で現金化することは合法である」ということが公式に確認されたのです。

重要な点として、この民法の規定には「現在発生している債権に限定する」という制限がないことが挙げられます。つまり、契約により発生が確実に見込まれる債権であれば、いくら先の時点の債権であっても、現在の段階で譲渡することは法的に有効なのです。

この点は、ファクタリング業界にとって大きな転機となり、多くの企業が将来債権ファクタリングを活用するようになりました。

最高裁判例による確認

民法改正前の平成11年1月29日、最高裁判所は「将来債権の譲渡は法的に有効である」という判例を示しました。この判例は、民法改正よりも前に、司法の観点から将来債権の有効性が認められていたことを示しています。つまり、民法改正は、既に司法で認められていた法理を、さらに明確に条文化したものなのです。

この最高裁判例は、将来債権ファクタリング業界の法的基盤となっており、現代のファクタリング会社が将来債権の買取を実施する際の根拠となっています。

経済産業省による推奨

法的な根拠だけでなく、経済産業省も企業の資金調達多様化の観点から、将来債権ファクタリングの利用を明確に推奨しています。経済産業省の「ABL(動産・債権担保融資)推進資料」の中では、将来債権を含む債権を活用した資金調達の有効性が詳しく説明されています。

これは、国が公式に企業に対して「将来債権ファクタリングの利用を推奨している」ことを意味します。つまり、将来債権ファクタリングは、法的根拠があるだけでなく、政府によっても推奨される正規の資金調達手法として認識されているのです。中小企業や小規模事業者の資金繰り改善のために、国が積極的に利用を促進しているという背景があります。

ファクタリングで将来債権を譲渡するメリットは?

将来債権ファクタリングを利用することで、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下では、5つの主要なメリットについて、具体的な事例を交えながら詳しく説明いたします。

メリット①早期の資金調達に役立つ

将来債権ファクタリングの最大のメリットは、未来の売上を現在の段階で現金化できるという点にあります。銀行融資では通常1~2か月の審査期間を要しますが、将来債権ファクタリングであれば、最短翌営業日での入金が可能です。

具体的な例を挙げます。今月、新規顧客から「今後6か月間、毎月500万円の商品を注文する」という契約を受注したとしましょう。通常であれば、この売上は6か月先までの間、帳簿上の「予約売上」として扱われ、実際の現金が入ってくるのは納品から30~60日後となります。しかし将来債権ファクタリングを利用すれば、この契約を受けた当月中に、その月の売上相当額を現金化することが可能なのです。

緊急の設備投資、急な仕入れ資金、給与や賃金の支払い、突発的な事業機会への対応など、時間的に緊急性の高い資金ニーズに対応できるのが大きなメリットです。また、新規事業の立ち上げ段階では、未来の売上予測が立ちやすいことから、将来債権ファクタリングが特に有効な資金調達手段となります。

法人向けファクタリング会社おすすめ15選!利用するメリットで紹介されている優良ファクタリング会社の中には、即日審査・即日入金に対応する企業も多くあります。信頼できるファクタリング会社を選定することで、さらに迅速な資金調達が実現可能になります。

メリット②まとまった資金を得られる

確定債権ファクタリングでは、その月に発生した売掛金のみが対象となります。例えば月500万円の継続取引があれば、1か月分の500万円のみが調達可能です。しかし複数月にわたる大型案件の場合、毎月の現金化では資金ニーズに対応できないことがあります。

一方、将来債権ファクタリングでは、複数月分の売掛金を一括現金化することが可能です。 例えば「6か月間の月500万円」という約束に基づいて、最大3,000万円を一括で現金化することができるのです。このまとまった資金があれば、以下のような大型プロジェクトに対応できます。

新規事業開拓のための大規模な設備投資、複数の支店や営業所の立ち上げ、在庫仕入れの大幅な増加への対応、新製品開発に必要な研究費の確保などが考えられます。また、複数月分を一括現金化することで、毎月の手続きが不要となり、事務効率の向上にもつながります。

メリット③資金繰りの改善につながる

一般的なBtoB取引では、納品から入金までに30日程度のサイト(支払いサイクル)が発生することが多いです。この期間、企業は自己資金で運転資金を負担しなければなりません。つまり、商品を仕入れてから売上金が入金されるまでの間、企業の現金が一時的に枯渇する状況が発生するのです。

将来債権ファクタリングにより早期に現金を得ることで、この支払いサイクルのギャップを埋めることができます。 具体的には、納品から入金までの60日間に必要な運転資金を、あらかじめ現金化することで、キャッシュフローの最適化が実現するのです。

例えば、毎月1,000万円の仕入れがあり、60日後に売上が入金される取引をしている企業の場合、常時2,000万円の運転資金が必要になります。しかし将来債権ファクタリングを利用すれば、この2,000万円を事前に現金化することで、銀行融資が間に合わなくても資金調達ができるのです。中小企業や小規模事業者にとって、この資金繰り改善は経営の安定化に直結します。

資金繰り改善にファクタリングは有効?仕組み・メリットを解説では、資金繰り改善の具体的なメカニズムについて詳しく説明されています。このような記事を参考にすることで、自社の資金繰りがどのように改善されるかをより明確に理解することができます。

メリット④貸し倒れリスクを軽減できる

ファクタリング契約が「ノンリコース(償還請求権なし)」である場合、売掛先が倒産したとしても、企業は代わって返済する義務はありません。リスクはファクタリング会社に移転されるため、企業の経営リスクが大幅に軽減されます。

通常の売掛債権であれば、売掛先が倒産すれば、その売掛金は回収不能となり、企業の損失となります。これは特に、大型案件を扱う企業にとって経営を脅かす大きなリスクです。

しかし、ノンリコース契約のファクタリングを利用すれば、このリスクをファクタリング会社に転嫁することができるのです。

この仕組みにより、企業は以下のようなメリットが得られます。売掛先企業の倒産リスクを軽減できること、貸倒損失の発生を防ぐことができること、経営の予測可能性が向上することなどが挙げられます。特に、新規顧客との取引や、信用度の低い企業との取引を開始する際、ノンリコース契約のファクタリングを利用することで、リスク管理を適切に行うことができます。

売掛金買取(ファクタリング)完全ガイド!賢い選び方と注意点では、ノンリコース契約の重要性が強調されており、契約時の確認ポイントが詳しく解説されています。契約前に必ずこの記事を参考にして、自社にとって最適な契約内容を確認することが重要です。

メリット⑤自社の財務状況に関わらず利用できる

銀行融資は企業の財務状況を厳しく審査します。赤字決算が続いていたり、税金を滞納していたり、負債が多い企業は、銀行融資の審査に落ちる可能性が高いです。しかし、将来債権ファクタリングは売掛先の信用力を中心に審査されるため、自社の財務状況に関わらず利用が可能です。

具体的には、以下のような企業でも将来債権ファクタリングを利用できます。赤字決算の企業、税金滞納中の企業、銀行借入が多い企業、新設企業で実績がない企業などです。

唯一の条件は、「売掛先企業の信用が良好であること」だけなのです。

これは、資金調達の選択肢が限定されている企業にとって、大変有効なメリットです。

経営が一時的に困難な段階でも、既存の顧客との信用関係があれば、その関係を活用して資金調達を実現できるのです。特に、成長途上の中小企業や、季節変動による一時的な資金不足に対応する企業にとって、将来債権ファクタリングは重要な資金調達手段となります。

税金滞納中でも資金調達できる?ファクタリングで資金繰りを改善では、税金滞納企業がファクタリングを活用して資金繰りを改善した事例が紹介されており、実績に基づいた説明が行われています。自社の財務状況に不安がある場合でも、まずはこのような事例を参考にして、利用の可能性を検討してみることをお勧めします。

将来債権ファクタリングを利用するデメリット

メリットが多い将来債権ファクタリングですが、利用の際にはいくつかのデメリットを認識しておく必要があります。以下では、4つの主要なデメリットについて、その対策方法も含めて詳しく説明いたします。

デメリット①審査落ちのリスクがある

確定債権に比べて、将来債権の審査はより詳細かつ厳格です。 ファクタリング会社は以下の点を厳密にチェックします。

売掛先の経営状況と継続性が確実であるか、契約書の内容が明確かつ確実であるか、過去の取引実績と信用度が良好であるか、契約期間中の売上予測が妥当性を持つかなどです。

契約書が曖昧であったり、売掛先の信用に疑念があったり、過去の取引実績が十分でなかったりすれば、審査に落ちる可能性は高くなります。

審査落ちを避けるための対策としては、以下の点が重要です。売掛先との契約書を明確かつ詳細に作成すること、過去の取引実績と請求書・領収書をすべて整理して用意すること、売掛先企業の決算書や信用情報が良好であることを確認すること、複数のファクタリング会社に申し込むことで選択肢を広げることなどが挙げられます。

デメリット②手数料が高い傾向にある

確定債権ファクタリングの手数料は1,2~10%程度が一般的ですが、将来債権の場合は20%以上に上昇することが多いです。 これは、将来債権がより高いリスクを含むため、ファクタリング会社がそのリスクを手数料に反映させているからです。

具体的な例を示します。500万円の将来債権を手数料20%で現金化した場合、手数料は100万円となり、実際に受け取る現金は400万円になります。つまり、手数料率が高いほど、実際に手元に入る現金が少なくなり、その分借入金の実効金利が高くなるということです。

手数料を少しでも抑えるための対策としては、複数のファクタリング会社に見積もりを取り比較すること、手数料交渉を積極的に行うこと、売掛先企業の信用度が高いことを強調することなどが挙げられます。また、一度のファクタリング利用で優良顧客と認識されれば、次回以降の利用時に手数料の優遇が受けられる可能性もあります。

ファクタリング会社大手20選|選び方から注意点までを徹底比較では複数の優良ファクタリング会社の手数料が詳しく比較されているため、事前に複数社に見積もりを取ることが重要です。複数の会社を比較することで、市場相場を理解し、より条件の良い会社を選定することができます。

デメリット③資金計画を立てずに利用するとリスクがある

将来債権ファクタリングで現金を得ても、その分は将来の入金が減少します。このため、資金計画が不十分であると、将来的に資金ショートが発生するリスクがあります。

具体的な例を挙げます。月500万円の売掛金を6か月分(3,000万円)を前払いで現金化した場合、現在は3,000万円の現金を得ることができます。しかし、今後6か月間は、この取引からは新たな売掛金が発生しないという状況になるのです。つまり、その後の事業展開や資金需要を計画しないまま現金を使い切ってしまえば、将来的に資金ショートが発生する可能性があるのです。

資金計画を立てる際には、以下の点が重要です。現金化した資金をどのような目的に使うのかを明確にすること、その投資による売上増加見込みを現実的に評価すること、その後の資金需要をあらかじめ予測すること、最悪の場合のシナリオも想定することなどです。将来債権ファクタリングは「先行投資のための資金調達」と位置づけ、その投資が確実に売上増加につながることを確認した上で利用すべきです。

デメリット④対応可能なファクタリング会社が少ない

将来債権ファクタリングは市場が限定的であり、取扱い会社が一般的なファクタリング会社に比べて著しく少ないです。 この市場の限定性から、以下のような課題が生じます。

手数料や条件のばらつきが大きく、相場感がつかみにくいこと、交渉の余地が限られること、複数社での比較検討が困難であること、優良なファクタリング会社を見つけるのに時間と手間がかかることなどが挙げられます。さらに、対応可能な会社が少ないため、やむを得ず条件の悪い会社を選ばざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

この課題を克服するための対策としては、複数のファクタリング会社に問い合わせを行い、比較検討の土台を作ること、業界の動向や実績をあらかじめ調査すること、弁護士や税理士などの専門家に相談して信頼できるファクタリング会社を紹介してもらうこと、一括比較サイトを活用することなどが考えられます。

他社利用中に適したファクタリング会社7選!乗り換え・併用先では、複数のファクタリング会社の比較と選定基準が説明されているため、事前の下調べが重要です。このような比較情報を活用することで、限定された市場の中でも最適な会社を見つけることができます。

将来債権ファクタリングを利用する際の流れ

将来債権ファクタリングの利用を検討される際は、以下の6つのステップの流れを理解しておくことが重要です。各ステップで何をするのか、注意すべき点は何かを事前に把握することで、スムーズかつ安全な利用が可能になります。

流れ①サービスに申し込む

まず最初に、将来債権ファクタリングに対応するファクタリング会社を選定し、サービスに申し込みます。この段階では、以下の項目を確認しておくことが非常に重要です。

ファクタリング会社が将来債権の取扱いに対応しているか、買取可能な債権期間はどの程度か、手数料率の目安はどの程度か、通常の審査期間がどの程度か、必要となる書類は何かなどです。これらの情報を事前に確認することで、その後の手続きがスムーズに進みます。

また、複数のファクタリング会社に同時に問い合わせることで、各社の対応状況や条件を比較することができます。この比較検討の過程で、自社にとって最適なファクタリング会社を見つけることができるのです。

流れ②必要書類を提出して審査を受ける

ファクタリング会社から指示された必要書類を提出し、審査を受けます。将来債権ファクタリングの審査では、以下のような書類が一般的に要求されます。

企業側の基本情報として、登記簿謄本、代表者身分証明書、印鑑証明書などです。売掛先との取引関係を証明するために、売掛先との契約書、過去の取引実績を示す請求書・領収書などです。企業の財務状況を示すために、決算書(直近2期分)、通帳などです。

ファクタリング会社は、これらの書類をベースに、売掛先の信用度、契約の確実性、将来の売上予測の妥当性などを総合的に判断します。特に、売掛先との契約書は最も重要な書類です。契約内容が明確で、支払い義務が確定しており、契約期間が明記されていることが必須となります。

ファクタリングは請求書のみでも利用可能?必要書類が少ないでは、必要書類の詳細と提出時の注意点が説明されており、手続きをスムーズに進めるための情報が得られます。事前にこの記事を確認しておくことで、必要な書類の準備を効率的に行うことができます。

流れ③債権譲渡契約を結ぶ

審査に通過したら、ファクタリング会社と正式な債権譲渡契約を結びます。この契約段階では、以下の項目の確認が極めて重要です。

ノンリコース(償還請求権なし)か、ウィズリコース(償還請求権あり)かの確認

これは売掛先が倒産した場合、企業が代わって返済する義務があるかないかを定めるものです。可能な限りノンリコース契約を選択すべきです。

手数料率の明記。契約書に手数料率を明記することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

入金日の約定。いつまでに現金が振り込まれるかを明確にすることが重要です。

契約の有効期間。将来債権が対象となる期間を明確にします。

返金条件。万が一の場合の返金条件を確認しておくことも重要です。

これらの項目をすべて確認した上で、契約にサインします。契約書の内容に疑問がある場合は、必ずファクタリング会社に質問し、納得した上で契約することが大切です。

【永久保存版】ファクタリングとでんさいの違いを徹底比較!資金では契約内容確認の重要性が強調されており、契約前のチェックポイントが詳しく解説されています。この記事を参考にすることで、契約時に見落としてはいけない重要な項目を確実に確認することができます。

流れ④入金を確認する

ファクタリング会社との契約が完了したら、手数料を差し引いた現金が企業の指定した銀行口座に振り込まれます。この入金で、将来債権の現金化が実現します。

具体的な計算例を示します。将来債権の総額が1,000万円で、手数料率が15%である場合、手数料は150万円となります。実際の入金額は850万円となるわけです。この850万円を、企業は自由に使用できます。

入金を確認した際は、以下の点をチェックしましょう。振り込まれた金額が見積もりと一致しているか、振込手数料が差し引かれていないか、入金日が約定日の通りか、などです。

もし計算に誤りがあった場合は、すぐにファクタリング会社に連絡して確認することが大切です。

流れ⑤売掛先にサービス・商品を提供し、請求書を発行する

ファクタリングの契約と現金の入金が完了した後、通常通り売掛先に商品またはサービスを納入し、請求書を発行します。ファクタリング契約後の通常取引であり、特に変わることはありません。

重要な点として、売掛先企業はファクタリング契約の存在を認識する必要がある場合とそうでない場合があります。2者間ファクタリング(企業とファクタリング会社だけ)の場合、売掛先は知られずに契約できます。一方、3者間ファクタリング(企業、ファクタリング会社、売掛先の3者が当事者)の場合、売掛先に通知する必要があります。契約時に、どちらの方式であるかを確認しておくことが重要です。

流れ⑥売掛先から支払われたらファクタリング会社に送金する

売掛先から売掛金が入金されたら、速やかにファクタリング会社に送金します。

この段階が、将来債権ファクタリング利用の最終段階です。 特に2者間ファクタリングの場合、この送金手続きは極めて重要です。

遅延があると以下のリスクが発生します。ファクタリング会社からの催促連絡、契約違反に該当する可能性、今後のファクタリング取引の停止、取引先への通達、損害金や違約金の請求などです。企業のキャッシュフローの都合上、つい先延ばしにしてしまいたくなるかもしれませんが、契約上の義務であるため、速やかに送金する必要があります。

また、送金の際は以下の点に注意してください。振込手数料をどちらが負担するのかを事前に確認すること、振込先口座を正確に確認すること、振込日時や金額の記録を保存しておくこと、などです。これらの確認を通じて、トラブルなく取引を完了させることができます。

資金繰りを何とかしたい!法人が利用したい事業資金融資手段では、資金繰りの各段階における対応方法が詳しく説明されており、この最終段階での注意点も含まれています。

将来債権ファクタリングを含む各種資金調達手段の全体像を理解することで、より戦略的な資金繰り管理が可能になります。

まとめ

将来債権ファクタリングについて、重要なポイントをまとめます。

法的根拠と合法性について、将来債権ファクタリングは2020年民法改正により合法化されています。司法(最高裁判所)も将来債権の譲渡を認可しており、政府(経済産業省)もABL活用を推奨しています。したがって、法的不安を持つことなく利用できる正規の資金調達手法です。

最大の強みについて、未納期間前に複数月分の資金をまとめて調達できることが、他の資金調達手法にはない大きなメリットです。赤字企業であっても売掛先の信用があれば利用可能であり、銀行融資では対応困難な企業にとって重要な選択肢となります。また、銀行融資よりも圧倒的に迅速な資金調達が実現します。

留意すべき点について、審査が確定債権より厳格であること(売掛先の信用力が重要)、手数料が高めであること(10~20%が一般的)、対応会社が限定的であること(複数社比較が必須)、資金計画が不可欠であること(将来の資金ショートリスク)などが挙げられます。これらのデメリットを正しく理解した上で利用することが重要です。

成功の鍵について、以下の4点を心がけることで、将来債権ファクタリングの利用を成功させることができます。

第一に、十分な資金計画を立案し、現金化した資金をどのような目的に使うかを明確にすることです。

第二に、複数のファクタリング会社に見積もりを取り、条件を比較することです。

第三に、契約前に条件を必ず確認し、特に「ノンリコース」かつ「手数料の明記」を厳守することです。

第四に、売掛先との契約書を明確に作成し、取引実績をしっかり整理しておくことです。

実践的な活用方法について、将来債権ファクタリングは「先行投資のための資金調達」として位置づけるべきです。新規顧客との大型取引を受注した際、新規事業立ち上げのための資金が必要な際、季節変動による一時的な資金不足に対応する際などに、特に有効な手段となります。

将来債権ファクタリングを上手に活用すれば、企業の資金繰りを大幅に改善し、ビジネスチャンスを逃さずに経営を成長させることができます。本記事で説明した内容を参考に、自社の事業状況に応じて、適切な活用を検討していただきたいと思います。

ファクタリング活用事例

JTCでファクタリングを利用した企業様の実際の事例をご紹介します。
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