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資金調達ができない?15種類の調達方法をメリット・デメリットも含めて紹介

資金調達
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起業するときだけでなく、起業後もまとまった資金が必要になることがあります。
資金調達に困っている企業も多いのではないでしょうか。

資金調達を考えたときに気になるのが、資金が手元に入るまでの期間や、中小企業や個人事業主でも資金調達できるのかということです。

資金調達というと銀行からの借り入れのイメージが強いかと思いますが、他にもさまざまな調達方法があります。

この記事では、15種類の資金調達方法と、それぞれのメリット・デメリット、目的・企業規模別のおすすめ資金調達方法を解説します。

監修者プロフィール

税理士法人 浅野会計事務所
税理士法人浅野会計事務所は、愛知県清須市にあり、創業40年以上、経営・金融・税務・会計・労務のスペシャリストとして各種サポートを行っています。代表の浅野芳郎をはじめ、税理士4名、行政書士1名、社会保険労務士1名ほかファイナンシャルプランナー、宅建資格の資格保持者などもおり、長く経営するためのサポート体制を整えています。

資金調達の3つの分類

資金調達の方法は大きく分けて3つあります。銀行からの借り入れや債券発行などの負債によって資金調達するデットファイナンス、株式の交付と引き換えに出資を募り資金調達するエクイティファイナンス、会社の持つ資産を売却して資金調達するアセットファイナンスです。

それぞれの資金調達方法の概要と、メリット・デメリットを解説します。

デットファイナンス

デットファイナンスとは、借入融資とも呼ばれ、簡単に言い換えるとお金を借りる資金調達方法です。調達した資金は、貸借対照表に負債として記載する必要があります。また、元本の返済の他に、利息の支払いも生じます。

デットファイナンスのメリットは、融資を受けた時点で返済金額が明らかになるため、資金計画が立てやすいことです。

また、滞りなく返済すると借入した金融機関などから返済実績が評価され、将来的に融資を受けやすくなる、よりよい条件で融資を受けられるなどの可能性もあります。

一方で、返済期限があることがデットファイナンスのデメリットです。
期限までに返済できないと、延滞利息の請求や資産の差し押さえが行われることもあります。

また、調達した資金は貸借対照表で負債として扱われるので、結果として自己資本比率が低下します。自己資本比率は、企業における財務の安定性を分析する指標として用いられるため、負債が増えて自己資本比率が低下すると、金融機関などから資金力のない企業と判断されることもあります。

エクイティファイナンス

エクイティファイナンスは、株式の発行などによって資金を調達する方法です。
貸借対照表の純資産に計上することができます。基本的には投資家からの出資がメインです。スタートアップ企業やベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルや、有望な起業家や経営者に支援を行う個人投資家(エンジェル投資家)なども増えています。

エクイティファイナンスのメリットは、借入ではないため返済義務がない点です。
さらに株主を増やすことで自己資本が増え、財務体質を強化できます。

デメリットは、資本金が増加して自己資本比率が上がるため、法人税などの税額が増えることです。また、出資金の返済義務はありませんが、収益に応じた配当金を株主に支払う必要があります。他にも、新たに発行した株の多くを第三者が手にした場合、経営へ口出しされることや、経営権を握られる可能性もあります。

アセットファイナンス

アセットファイナンスは、すでにある資産を売って資金にする調達方法です。ここで言う資産には、不動産や在庫といった形があるものだけでなく、知的財産権や債券のような形がないものも含まれます。売掛債権を売却して現金化するファクタリングサービスもアセットファイナンスの一つです。

アセットファイナンスのメリットは、業績が悪化している場合でも資金を得やすいことです。企業の信用度ではなく、保有資産の信用力で資金を調達できるためです。また、借入ではないため返済の必要はありません。

また、資産を売却することで貸借対照表の資産が減り、現預金が増えます。資産に対してどれだけ効率よく収益を得ているかを示す純資本利益率が高くなり、企業の信用度を上げることができます。

資産の価値や信用度が低い場合、思ったよりも資金が調達できないこともあります。
そもそも資産がなければ資金を調達できないということがデメリットです。

デットファイナンスの資金調達方法は6種類

デットファイナンスは、銀行からの借り入れや債券発行などによる資金調達方法です。
元本の返済や利息の支払いが必要ですが、調達先は豊富にあります。ここでは、デットファイナンスの6種類の資金調達方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

融資・金融機関からの借入

融資とは、返済することを前提に事業のための資金を借り入れることです。
銀行や、信用金庫、日本政策金融公庫などが行っています。

日本政策金融公庫は、政府が100%出資する金融機関で、中小企業や個人事業主を中心に支援を行います。新しく事業を始める人や事業開始から間もない人へ向けた、無担保・無保証人で利用できる融資も取り扱っています。
特徴は、一般的な銀行と比べて融資を受けやすい点や、融資期間を長めに設定している点です。

金融機関から融資を受けるメリットは、交渉する相手が金融機関だけなので、比較的手間がかからないことです。

一方、金利負担が発生することや、起業から間もない場合は融資を受けられる金融機関が限られるというデメリットがあります。申込から実際の融資までに時間がかかる点も注意が必要です。

社債の発行

金融機関に融資を依頼するのではなく、新たな社債を投資家に購入してもらうことで資金を調達する方法です。基本的に資金の返済が必要ですが、満期一括返還の場合が多く、融資と比べると資金繰りに余裕を持ちやすい方法です。また、返還日を定めない永久債もあります。

一般的に、多額かつ長期の資金が必要な場合に社債発行が利用されます。
あらかじめ定められた利率や、市場に合わせて変動する利率での金利の支払いが必要です。

社債発行による資金調達のメリットは、さまざまな投資家から資金調達ができるため、金融機関から融資を受けるよりも人によっては資金調達がしやすい点です。
投資家が納得すれば、返済や金利の条件を柔軟に設定できます。

社債発行で得た資金は貸借対照表の負債にあたるため、銀行からの融資が受けにくくなる可能性があります。また、有価証券報告書や有価証券通知書の提出、債券者の管理など、事務負担が増えるというデメリットもあります。

私募債発行

私募債は、社債を少数の投資家と直接取引する方法です。担保や保証人は必要ありませんが、資金の借り入れにあたるため、元本返済と金利の支払いが必要です。一定の財務基準を満たす優良中小企業の場合、金融機関や信用保証協会などが返還について保証してくれます。

先述の社債発行との違いは、投資家の募集対象を限定している点です。
少人数私募債の場合は、発行後の所有人数を50人未満で維持する必要があります。また、プロ私募債の場合は、所有人数の制限はありませんが、投資できるのは機関投資家のみです。

私募債のメリットは、先述の社債の発行よりも手数料が少ない点です。有価証券届出書の提出も不要なので手間を削減できます。社債の発行と同様、返済や金利の条件を柔軟に設定できます。

デメリットは、財政状況が悪い場合は私募債を発行できないことです。また、償還期限に元金を一括返済しなければならないため、一時的に私募債で資金繰りを改善しても、その場しのぎになってしまう可能性があります。

家族や知人からの借入

個人的に家族や知人から資金を借りるという方法もあります。

難しい手続きが必要なく、金利や期間などの条件も相談しやすいというメリットがあります。

一方で、権利や義務があいまいになりやすく、事前に条件を決めておかないとトラブルに発展する可能性があります。トラブルを防ぐために、取り決めたことは文書にしておく、無理な返済計画は立てないなどの対策が必要です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の個人投資家から広く出資を募る資金調達方法です。一口数万円から投資ができるため、資金力のない投資家も含め幅広く集めることができます。寄付型のクラウドファンディングなら支援者からの寄付という形で資金を募るので、返済の必要はありません。

クラウドファンディングのメリットは、自己資金や信用力がなくても資金調達ができることです。出資は投資家だけではなく、事業に賛同した個人でもできるので、多くの投資家を得られる可能性が高いこともメリットです。

出資へのハードルが低い一方、資金調達に時間がかかる、目標金額に到達しないこともあります。出資に対する返済義務はありませんが、支援者に対して特典などをつける場合は、そのための準備費用も必要です。また、集めた費用は使い道が限定される場合があります。

ソーシャルレンディング

クラウドファンディングの1つに、ソーシャルレンディングがあります。
ソーシャルレンディングとは、融資を受けたい企業と投資家をマッチングするサービスのことで、融資型クラウドファンディングとも言われています。

クラウドファンディングとの違いは、投資家からお金を借りることが目的という点です。
企業は、投資家に利息を支払う必要があります。投資家にとっては、1万円程度から利用できるサービスが多く、投資資金が少額でも資産運用をできます。

ソーシャルレンディングのメリットは、開業して間もない場合など会社としての実績が少なくても資金調達しやすいことです。ソーシャルレンディングにも審査はありますが、過去の実績よりも将来性が評価されるためです。また、銀行などの一般的な融資と比べて審査機関が短く、資金調達までの期間が短いというメリットもあります。

ただし、ソーシャルレンディングで資金調達する場合、銀行融資の金利よりも高く設定される傾向にある点がデメリットです。

エクイティファイナンスの資金調達方法は4種類

エクイティファイナンスは、株式の交付と引き換えに出資を募る資金調達方法です。原則として調達した資金の返還義務はありませんが、第三者が多くの株を持っている場合は経営権を握られる可能性もあります。

株式の発行方法は、主に公募、第三者割当、株主割当の3つです。ここでは、株式による資金調達方法と、株式に転換できる社債である転換社債による資金調達方法について解説します。

公募(時価発行増資)

公募(時価発行増資)は、時価で新たに株を発行して資金を調達する方法です。
一般的に証券取引所への上場時や上場後に行います。一般の投資家など不特定多数に対して、新規発行した株を割り当てる対価として出資を募ります。

時価で新株を発行するため、既存の株主が保有する株価の下落を最小限に抑えられます。
また、自社の株価が高ければ高いほど、発行する株が少なくても多額の資金を調達できます。

公募(時価発行増資)のメリットは、多くの出資者を募ることができ、多額の資金調達が可能であることです。

一方、多くの出資者を勧誘するためには引受証券会社に対して手数料が発生します。
他にも、有価証券届出書や目論見書、有価証券報告書などの作成や継続開示が必要になるため手間がかかります。

第三者割当増資

第三者割当増資とは、企業が特定の第三者に新株を発行する資金調達方法です。例えば、先述のスタートアップ企業やベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルや、有望や起業家や経営者に支援を行う個人投資家(エンジェル投資家)、自社で働く役員や従業員などが出資者になるケースが多くみられます。

第三者割当増資は、取引先や業務提携先などとの関係強化目的や、自社の株価が低くて通常の増資ができないときによく使われます。後述する株主割当増資との違いは、特定の株主のみが取得する点です。

取引先や自社の役員など、自社との関連が強い人を出資者に指定できるため、資金が集まりやすいことがメリットです。また、企業と出資者が一丸となって業績向上を目指すことができるため、信頼関係が安定します。

デメリットは、エクイティファイナンス全般に言えることですが、経営層が出資する比率が低くなることで経営権に悪影響を及ぼすことがあります。

他にも、発行株式数が増えることで、既存株主の持分比率が減り、既存株主から説明を求められる場合があります。上場企業が第三者割当増資を行う場合は、既存株主へ増資目的や割当先について情報開示をして、既存株主の権利保護に配慮しましょう。

株主割当増資

株主割当増資は、既存株主に対して持分比率に応じた新株を引き受ける権利を与える資金調達方法です。既存株主に自社は含まれません。その理由は、自社に出資しても資金調達の目的を果たせないためです。株主割当による新株は、既存株主の利益を害さないよう一般的に時価よりも低く価格で発行されます。

既存株主は、割り当てられた新株を引き受ける義務はなく、割り当てられた新株の一部のみを申し込むこともできます。申し込まない場合は、新株を取得する権利は失効し、相対的に自信の株式保有率が下がります。

株主割当増資のメリットは、既存株主との調整が行いやすい点です。株主の構成と持分比率が基本的には変わらないため、経営権への影響を心配せずに資金調達を進められます。

一方で、大規模な資金調達が難しい点がデメリットです。新株の引受先が既存株主に限定されるため、既存株主の資金力や出資意欲によって調達できる金額が決まってしまうからです。また、持株比率が変わらないのに追加出資することに既存株主から理解が得られず、株主割当増資が実現しない可能性もあります。

転換社債型新株予約権付社債

転換社債とは、発行時に決められた転換価格で株式に転換できる社債です。債券の発行後に株式に転換するか、社債のまま保有して利子や償還金を受け取るかを出資者が選択できます。

将来的に株価が転換価格以上になれば、社債を株式に転換することで利益を得られます。株価が上昇しない場合は、社債のまま保有しておくことで償還まで一定の利子と元本を獲得できます。

転換社債型新株予約権付社債による資金調達では、バリュエーション(企業価値評価)の算定が不要です。

バリュエーションとは、会社自体や株式を算出するための方法です。起業から間もない場合、バリュエーションの算定が難しいこともあります。しかし、バリュエーションの算定を適切に行わないと、次回の資金調達時に出資候補者から評価額を下げるよう求められる可能性もあります。転換社債型新株予約権付社債は、バリュエーションの算定を先送りにできるということがメリットです。

転換社債型新株予約権付社債は借金なので、利息の支払い、満期時の元金返済が必要です。
また、社債と新株予約の権利を兼ねているため、それぞれに適用される規制が課されます。
規制内容は弁護士などの専門家でも難しいとされています。規制への対応の難しさがデメリットです。

アセットファイナンスの資金調達方法は4種類

アセットファイナンスは、自社が保有している資産の売却によって資金を調達する方法です。

先述の通り、ここで言う資産には知的財産権や債券のような形がないものも含まれます。売掛債権を売却して、回収予定日よりも前に現金化するファクタリングサービスも、アセットファイナンスの一つです。

アセットファイナンスは、お金を借りるわけではないため返済の必要がありません。
一方、資産の価値や信用度が低い場合、思ったよりも資金が調達できないこともあります。

ここでは、4種類のアセットファイナンスによる資金調達方法を解説します。

保有資産の売却

不要になった保有資産を売却して資金を調達する方法です。例えば、活用していない土地や建物といった不動産、テレワークの普及で不要になったオフィス家具などの有形固定資産や、特許権や借地権などの無形固定資産を売却して資金にします。

保有資産の売却のメリットは、借入をせずにまとまった資金を調達できることです。また、活用されていない資産を売却することで、維持管理費を削減できます。固定資産を売却して資金にすることで、自己資本比率の改善にもつながります。

資産価値は変動するため、売却のタイミングによって得られる利益は変わります。また、業務上必要な資産を売ってしまったことで別の費用が発生することもあります。希望の金額で売却できない、売却までに時間がかかる可能性があるというデメリットもあります。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権(請求書)を買い取ってもらう入金前払いシステムです。
手数料はかかりますが、本来の回収日よりも早く資金を調達できます。

ファクタリングのメリットは、売掛金をすぐに資金化できることです。
借入ではないため、返済の義務もありません。また、売掛先が倒産した場合でも受取りした代金を返還する必要が無いので、貸し倒れへのリスクが軽減できます。

保証人や担保は不要で借入とは審査内容が違うため、これまでに銀行からの融資を断られた場合でもファクタリングサービスを利用することができます。

ただし、ファクタリング会社を利用する場合は手数料がかかります。売掛先の信用力が低い場合は、手数料が高くなることもあるので、利用前にファクタリング会社へ確認しましょう。

ファクタリングでは、自社の売掛債権(請求書)をファクタリング会社に譲渡して資金を前払いしてもらいます。3者間契約の場合売掛先は、ファクタリング会社に支払いをします。
そのため、ファクタリングを利用するためには、基本的に売掛先の事前承認が必要です。
しかし、売掛先に知られたくない、承諾してもらえない場合でも利用できる2者間契約のシステムもあります。

ファクタリングを利用することで、借入せずにすぐに資金調達ができます。また、債券発行のような手間もかからないため、売掛債権(請求書)がある場合はファクタリングの利用がおすすめです。

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リースバック

リースパックとは、保有資産を売却後、その資産を継続して利用できるようにリース契約を結ぶ方法です。

リースパックのメリットは、自社の環境を大きく変えることなくまとまった資金が入ることです。例えば、営業車をリースパックで売却する場合、資金調達後もこれまで通り営業車を利用できます。

リースパックの利用は、維持費や管理費の削減にもつながります。
保有している不動産をリースバックした場合、固定資産税の節約もできます。

デメリットは、売却資産の残債をこえる額で売却しないとマイナスになってしまうことです。また、売却によって一括で資金が調達できますが、売却後は月々のリース料がかかるので注意しましょう。

動産担保融資(ABL)

動産担保融資(ABL)は、原材料や在庫などを担保として資金を調達する方法です。事業の継続や発展を支援する融資方法で、事業に必要な資産を担保にしますが、通常の生産活動を継続できます。

事業の継続を前提にした融資であるため、通常の企業活動内であれば、担保となった材料の加工、担保となった在庫の販売、担保となった設備の利用が可能です。

動産・債権担保融資(ABL)のメリットは、従来の融資よりも担保として利用できるものの範囲が広く、不動産資産のような一般的な担保がない企業でも融資を受けることができる点です。また、融資機関に担保の状況や業績情報も共有するため、貸し手とのコミュニケーションや信頼関係が強くなります。

デメリットは、審査や企業側の登記手続きに時間がかかる点や金融機関に在庫や売掛金などを定期的に報告する義務がある点です。他にも、担保として提供した資産は、原則的に他の債権者に担保として提供できません。

助成金・補助金による資金調達方法もある

助成金・補助金は、主に自治体が出資や融資の形で実施しています。申込の条件は、自治体や制度によって異なります。

メリットは、一般的に助成金・補助金には返済義務がない点です。起業前から受けられる制度もあります。また、企業の信用力や収益性があまり問われません。

一方、条件に該当していても、応募者が多い場合は助成金・補助金を受け取れない場合もあります。他にも、提出書類が多い、審査に時間がかかる、受給後に定期的な報告が必要、使用用途が制限されているなどのデメリットがあります。

個人事業主が申請できる助成金もあるので、自治体に確認して、条件に当てはまる場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

目的・企業規模別おすすめ資金調達方法

ここまで、資金調達の3つの分類と、それぞれの資金調達方法を解説しました。ここでは、目的・企業規模別におすすめの資金調達方法を解説します。

スタートアップ企業

スタートアップ企業とは、短期間で一気に成長する企業を指しています。たとえば、数年で数千億円の評価価値がつく会社や、数十年で世界を変えるような事業を行う企業です。
急成長する企業であれば、規模や設立年数は問いません。

スタートアップ企業の場合は、急成長に向けて多くの資金が必要となります。しかし、大企業と比べて経営リスクが大きく、銀行などの融資の審査が通らない場合があります。そのため、返済義務のないエクイティファイナンスによる資金調達方法が向いています。

特に、スタートアップ企業やベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルや、有望や起業家や経営者に支援を行う個人投資家(エンジェル投資家)による資金調達方法がおすすめです。個人投資家(エンジェル投資家)からの出資は、機関投資家と比べ出資額は小規模になりやすいですが、資金が入るまでの期間は短い傾向があります。

また、起業経験のある個人投資家(エンジェル投資家)も多いため、ビジネスの成長をサポートしてくれる場合もあります。

ベンチャー企業

スタートアップと似た企業に、ベンチャー企業があります。スタートアップ企業との違いは、ベースとするビジネスモデルです。

スタートアップ企業は、新たなビジネスモデルを構築していきますが、ベンチャー企業は既存のビジネスモデルに対して収益性を高める工夫を行う、もしくはスケール拡大によって売上を増やします。

ベンチャー企業も、スタートアップ企業と同様に、返済義務のないエクイティファイナンスによる資金調達方法が向いています。上場を目指している、高い成長率が見込めるといった場合は、ベンチャーキャピタルからの資金調達方法がおすすめです。

大企業

信用力の高い大企業の場合、デットファイナンスによる資金調達が向いています。
安定性や信用力をもとに、銀行からまとまった資金融資を得ることが可能です。

他にも、従業員のモチベーションアップや福利厚生の一環として、ストックオプションや従業員持株会による資金調達もおすすめです。

不動産などの保有資産がある場合は、アセットファイナンス、特に資産や在庫の売却による資産調達も有効です。

スモールビジネス

スモールビジネスとは、個人または少人数でおこなう事業のことです。スタートアップ企業のような急拡大を前提とせず、小規模ながらも着実な経営を目指します。例えば、個人経営の飲食店、デザイン事務所、フリーランスなどがスモールビジネスに該当します。

スモールビジネスには、アセットファイナンスや助成金・補助金による資金調達が向いています。特に、クラウドファンディングやファクタリングは、融資や借入と違い負債にならない点がおすすめです。

売掛債権(請求書)を買い取ってもらうファクタリングサービスは、手数料をファクタリング会社に支払うことで請求書をすぐに現金化できます。もしも売掛先が倒産した場合も、事前に請求書を買い取ってもらっているため売掛金を確実に回収できます。

まとめ

この記事では、企業の資金調達方法と、それぞれの調達方法のメリット・デメリットを解説しました。

資金調達方法には、銀行からの借り入れや債券発行などの負債によって資金調達するデットファイナンス、株式の交付と引き換えに出資を募り資金調達するエクイティファイナンス、会社の持つ資産を売却して資金調達するアセットファイナンスがありました。

銀行からの融資を断られた、または売却する保有資産がないといった場合は、ファクタリングがおすすめです。担保や保証人が不要で、借入をすることなくすぐに資産を調達できます。万が一、売掛先が倒産した場合も、売掛金を受け取ることができます。

ファクタリング会社を選ぶときは、契約書に債権譲渡契約(売買契約)と記載されていることや、受け取る金額が売掛金よりも低くないか、手数料はどれくらいなのか事前に確認しましょう。

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